家庭の医学  K-039   ホームドクターとは  意義、役割    家庭医学Top へ戻る
 
 皆さんに  “ホームドクター”  の意義を質問すると、誤解されていることが判ります。
 
 子供が病気になった時に受診する医者は決めている。 あっちこっちに受診しないと言う意味の様です。
 
 同じ小児科医に受診していても信頼関係が築かれた関係ではないようです。
 
 “ホームドクター” とは,‘ どのような事でも相談できる医者 ’として捉えて欲しいと考えます。
 
 “ホームドクター” には ‘何時も同じ医院です’ と云える行動と共に心理的な相互信頼とも云える ‘親近感’ が伴った関係まで必要です。
 
 “かかりつけ医” と言われる時に後半に説明した心理的な関係を感じてはいないでしょう。 一方向の関係が浮かびます。
 
 患者・保護者が ‘同じ医院にかかる’ と, “医者との間に親近感を共有して治療を受ける” とでは意味が異なります。
 
 『ホームドクターは,保護者の信頼を信じ,医療と健康管理全般に‘責任’を持って対応している医師です。』 とも表現できます。
 
 ‘責任’ のまえに,両者の間に ‘親近感’ が必要と考えています。
 
 医者は訴えられた病気の治療には全力を投じています。 しかし、生活全般に目を向けて健康管理に配慮するには、患者側からの “近づき” が必要です。
 
 この “近づき” を ‘信頼’ ・ ‘親近感’ として説明しています。
 
 一例として小児科医院で遠くで暮らす祖父の病気相談も出来る関係です。
 “ホームドクター” とは ‘責任と親近感’ を共有している関係を持てるものと考えてください。
 
 この様な関係を作るのには,医者の側の努力も不可欠ですが、保護者側の意識が間違っているようです。
 
 診察室で見ていますと、‘近いから受診する’・‘小児科医だから受診する ’ と言った診察室の通過者にしか見えない場合が多くあります。
 
「ホームドクター に聞けなかった」・「診察室が忙しそうで聞けなかった」・「些細なことで相談できなかった」 として相談室に質問を寄せられます。
 
 この保護者には  『“行きつけの医院”は決めているが,“ホームドクター”は持っておられないでしょう』  と云いたくなります。
 
 “ホームドクター” になら出来る相談が寄せられます。
 
 “ホームドクター” の制度を確立するには医者にも保護者にも努力が必要です。
 
 保護者の側から‘親近感’を持って診察室に入られれば,医者も努力します。‘責任’を感じ,‘親近感’を創り出せない医者には“ホームドクター” になる資格はないと保護者が決めつけられても良いでしょう。
 
 ‘親近感’を持たなくても病気の治療は可能です。
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 ‘親近感’と言う用語を使いましたが,この用語が適切でないかも知れません。
 
 ‘信頼出来る医者’を探してくださいとよく言われます。この HPでも書きました。
 
 ‘信頼出来る医者’は保護者側からの判断だけでした。
 
 書きたいことは,『‘信頼している医者’から‘信頼されたことに応える行動’が保護者にも必要』 です。

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