家庭の医学  K-030   転医とセカンドオピニオン  家庭医学Top へ

 セカンドオピニオン (他医の診断も受けて誤りをなくそうとする奨め) の必要が主張されています。

 セカンドオピニオンを必要とするとの提言には賛成します。 しかし,気に入らないから転医するのとは意味が異なります。

 相談室でよく寄せられる相談ですが,簡単に治療途中で医療機関を変えられているようです。

 治療を始めたが軽快しないので一ヶ月程度の間に二回変更したとの話もありました。

 症状により薬が効果をもたらすのに時間が掛かります。同じ症状でも条件が変われば効果の出るまでの日数も異なります。

 次のような事例も経験します。

 発達の異常を疑う所見を見つけることが時々あります。 中には長期にわたって治療が必要であったり,障害が残る場合もあります。

 家族にとっては信じたくない病気の疑いを話さなくてはならないことがあります。

 例えば、「 運動発達が遅れているようだから専門の治療施設での診察を受けて欲しい 」 、「 言動に落ち着きが無く情緒不安定が心配だから専門医の診察を受けることが必要でしょう 」 と伝えます。

 診断を信じたくない気持ちを持たれる心情は想像できます。

 その気持ちを抑えきれずに、他の小児科医の診断を受けに行かれます。

 そこで、意に添う診断を受けるとそこに従われます。

 こちらの診断が誤りであれば、本人にも家族にも喜ばしい結果です。

 しかし、第二の診断が誤りで早期の治療の開始が遅れることもあります。

 この例はセカンドオピニオンの主旨に合わないものです。  患者は自分の意に添う意見を強く望まれるようです。

 セカンドオピニオンを求められる時は、診療分野を狭めている専門医、限られた分野を詳しく知る専門医の意見を求めてください。

 セカンドオピニオンの意議を誤解しないでください。 セカンドオピニオンの採否は自己責任になります。

 

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