家庭の医学  K-009   医者の治療の進め方  家庭医学Top へ戻る
 
 患者がいくつかの症状を不快に感じて医療機関を受診した時、医者は病名を推定して治療を始めます。   

 病名の推定に必要なら検査を実施します。 一つの病名に絞れなくてもよく出会う病気を想定して治療を開始します。   

 薬の効き目を見ながら症状の軽減があれば推定した病名が予想通りと安心して必要な期間の治療を続けます。 逆に薬の効き目が期待するほどのものでない時は次の検討に移ります。

 例えば、“カゼ”と診断しても、この中には呼吸器の多種の病気を含みます。 最初には簡単に「カゼです」と伝えても、経過が思わしくないときには更に詳細な検討を加えて「気管支炎です」と説明します。

 ‘カゼ’と‘気管支炎’では使用するクスリが変わります。

 医者は経験したものに加えて検査をして病名を推定しますが、薬の効果も病名を推定する補助をする事があります。  

 病名が推定され、後にその病名に誤りがない時でも治療が(薬が)うまく効かない時には治療法を変更して経過を見ることが必要になります。  

 最近、この経過の推移を待つことが出来ずに安易に転医をされる患者もあるようです。 勿論、症状が軽減せずに困っている事情は遠慮なく医者に伝えてもらい、患者にも少し推移を待つゆとりを準備して欲しいものです。  

 強く転医を希望する時には、どうせ医者にも気まずい思いをさせるのですから、ついでに紹介状(検査結果、使用した薬剤名)を貰って行きなさい。 次の医者は続きで始められます。我が身を考えれば得策です。 何分の一かの医者は隠れずにやってもらえば納得することもあるはずです。  

 最初から完全を望んで医者に対決すると、医者も必要以上の検査で身構えるものです。 最近、患者側から指摘される通り検査が多すぎる、必要のない検査が多すぎると感じます。  一方で必要以上の完全を望む傾向になったことも事実です。

 患者側も不適切な転医・転院をされているとみています。 転医・転院にもタイミングが必要です。

 セカンドオピニオンを求める時には希望を主治医に伝えて、良き条件で実行してください。

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