家庭の医学   K-005   子供の熱を下げるために。  家庭医学Top へ戻る
 
 子供の体温は大人より高めです。  健康な時の事ですが、大人になると体温を一定に保つシステムが完成しています。  しかし子供はこの能力は未熟で、年令が低いほど未熟で変動しやすいものです。 正常な(健康時)の体温も幅を広くとって判断する必要があります。   一応の目安として二才以下の年令で37.5℃、幼稚園の年代37℃を少し越える程位を健康時の上限として下さい。  これを越えて37℃台なら微熱と判断して下さい。小学生になると36℃台に安定します。 内科の先生が子供を診て37.5℃程度で発熱(高い熱)と判断しているのは誤りです。
 
 健康な時でも正常の巾は広いのですから、病気の発熱に際しても子供の熱は高くなります。  他の箇所でも説明されていますが、熱は決して怖ろしい症状ではありません。   逆に病気が治癒するために通過しなくてはならない関門と考えてもよいものです。  だから必要以上に熱を下げる努力はいりません。  当然クスリの乱用は重篤な症状をもたらすことがあります。
 
 しかし子供の発熱も心配になると思いますから、子供に負担をかけない方法を紹介しておきます。 微熱、38.5℃位までの発熱時には水分を多く飲ませ、着ているものを少し薄くする程度の配慮で十分です。   よく高熱の子供を毛布にくるんで運んでいますが、これはもってのほかです。
 
 水枕を使うことも良いことです。  手足や背中で触って熱い所に水でしぼったタオルをのせて冷やすことも良い方法です。
 
 この数値を越えてより積極的な解熱法にはぬるま湯での入浴があります。  夏なら35℃程度、冬なら38℃程度のぬるま湯で十分位入浴させます。  アメリカ・ヨ−ロッパの育児書・医療機関ではこの温度のぬるま湯を浴槽に座らせた子供の腰までためてタオルで繰り返しふくことを指導していますが冬の期間に日本でやるのは奨められません。   家の中が全部暖房されているような住環境と違い、居間だけが暖房される日本の場合には肩までぬるま湯をためての入浴にして下さい。  この方法になじみのない日本では危険視されますが、諸外国では日常に実行される方法で、WHO の小児救急法にも記載され、日本の育児書にも何回も紹介されています。
 
 この他に、室温を下げることも必要でしょう。 幼児では熱性ケイレンの併発を心配されることも多いようです。 高い熱の数値だけを心配するのではなく、短時間に急激に上昇する熱がより心配です。 早期からの水分の補給と上に紹介したような方法をうまく活用して下さい。
 
 熱が上がるときに、寒気を訴えたり葉をがたがたさせるような時には温かいお湯を飲ませて下さい。

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