家庭の医学  K-003     医院のカンバン  家庭医学Top へ戻る
 
 医者は経験が無くても如何なる科を看板に書くことも許されています。
 
 医者は医学部を卒業すると自分が将来も続けたい診療科目を選び、大学病院、総合病院等の希望する科に行きます。 他の分野とちがい大学病院の場合には研修医、市中の病院なら就職としてスタ−トします。 ここで経験を積んで行きます。 病院を代えて経験の積みあげにも励みます。 しかし大半は内科医は内科、外科医は外科の経験のみを積みます。
 
 総合病院で内科と小児科を掛け持ちで診療している医者はおりません。 しかし町で医院を開設するときに内科だけを経験した医者がどのような科名を看板に書いても違法ではありません。
 
 だから街で【内科・小児科】【外科・胃腸科・皮膚科】【産婦人科・小児科・内科】【外科・整形外科】のように複数の科を書いた看板を見るのです。 あなたは経験の乏しい科を看板に書いてあることを信じて自分の健康管理を任せられますか。
 
 ◎ 一人の医者が複数の科を診療する事は難しい事です。 時には例外もあります。 複数の科について修練を積んだ医者もおりますが、大半は一つの科を修練していると判断しても良いでしょう。
 
 ◎ 総合病院で内科と小児科を同じ医者が診察していることはありません。このことからも内科と小児科は別のものだと知って下さい。
 
 ◎ 郡部・過疎地では人口の多さとの関係で複数科を看板に書くことはやむを得ないこともありますが、この場合は医者の努力を期待して下さい。

 

 小児科医の言い分
 「小児科を単独に診療している医院が少なく、専門の医院は遠くで不便です。」 と話す人が多いようです。
 
 それならあなたの子供の健康と便利さを交換するのですか。
 
 勿論、便利さとよりよい医療が同時に手にする事が可能ならこれに越したことはありません。 この為には小児科医を増やす必要があります。 小児科医が増えない原因は小児科医院を受診する患者数が少ないからです。 受診する側も協力が必要です。 今は少し不便でも子供は小児科専門医に連れていって下さい。 そうすれば時間はかかりますが街に小児科医院は増加します。
 
 厚労省は医者の数は必要以上になっていると判断して医学部の定員を減らしています。 街でも容易に専門医の診療が受けられるように、過疎地にも医者が配置出来るように声をあげる必要があります。

 
 Yahooの医療施設検索ページにも  『小児科医の研修には最低五年間は必要』 と説明されています。

 全国紙で、診断ミスのあった事例を紹介し、その原因が専門外の医師に治療を受けていたと報道されていました。 カンバンには専門外の診療科名が記載されていた事実も報道されていました。

 この記事に反論される医師に対して。  

 患者が医師の本来の診療科を判断できる材料はカンバンにあります。  

 あなたが食事をする時、カンバンを見て “フランス料理店” に入ったとします。  

 最近まで和食割烹店に勤務した調理師が “フランス料理店” であなたは我慢出来ますか。

 中華料理専門のコックが方針を変えて、“フランス料理店” に改装したとしたら、あなたは満足しないでしょう。  

 職種は同じ料理人です。 専門でない料理をカンバンに書けば、客は怒るはずです。  

 医療は調理以上に厳格なはずです。 身勝手な反論は慎んでください。

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00/09/09 の朝日新聞記事に,全国紙で、診断ミスのあった事例を紹介しその原因が専門外の医師に治療を受けていたと報道されていました。 カンバンにも専門外の診療科名が記載されていた事実も報道されていました。