育児の広場      I-088   予防接種前の診察の限界   育児Top へ戻る
 
  皆さんは予防接種直前の診察をどの様に受け取りますか。

 接種に伴う事故が完全に予知され、防止できると考えていますか。 もし、この様に考えられるなら認識不足です。

 皆さんは予防接種に伴う副反応・副作用についてどれ程の知識を持たれていますか。

 予防接種を積極的に勧める行政・関連学会・医師会から出される情報では “軽微” な状況として解説されています。 一方で副作用を詳細に記述した情報も発信されています。 副作用被害を受けられた家族の報告も公表されています。 どちらを採用(信じる)されるかは保護者の判断です。

 軽微な副作用としては発熱・接種部位の硬結・軽症で過ぎるアレルギー症状が該当します。 一方で重篤な副作用としては、重症なショック症状・重篤な後遺症・死亡に至った事例も報告されています。

 この様な状況は直前診察で予知することは不可能です。 可能であれば、重篤な副作用は起こっていないはずです。

 接種を実施する医師には “接種を出来ない対象”・“慎重に接種する”  の対象についての説明書が配布されています。 これらのリストに当てはまる子供は日常の診察で把握されています。 

 予期せぬ重篤な副作用は直前の検診で見つけることは不可能です。 直前診察は無意味と断言できます。

 “接種を出来ない対象” ・ “慎重に接種する”  の対象児は、ホームドクターなら接種前にカルテを確認して子供の体質情報を予知しています。 

 “慎重に接種する” を理解し、接種は可能と判断しても、副作用を完全には防げません。

 予防接種の効果を否定する意見ではありません。 副作用を理解し、直前検診には限界が在ることも理解して、下記の条件も参考にして予防接種を受けてください。

  予防接種の採否は保護者が判断してください。

  公的機関が集団で行う予防接種以外は、小児科ホームドクターの接種を受けてください。 ホームドクターは日頃から子供の体質を把握し、該当しない条件を当てはめています。

  一般診療時間と予防接種の実施時間を別にしている診療機関で受けてください。

  予防接種は月曜〜金曜の午後3時頃までに受けてください。

 重篤な副作用の大半は接種から数時間で始まります。 処置は設備の整った総合病院で行われます。 万一の副作用に対応できる時間帯 (午後三時頃迄) に接種を受けてください。 総合病院の看護体制も五時頃以降は手薄になります。 万一の受診は四時頃までが適します。

 実際に経験した事例を紹介しておきます。

 予防接種は午後一時半 三時と決めています。 保護者の都合で午後五時以降の一般診療時間に強く希望されました。 稀に喘鳴を起こす子供でしたが、長期に異常なく過ごしていました。 五時半頃に接種して帰宅しました。 六時半に自宅から強い喘鳴を起こしていると電話連絡がありました。 「救急に依頼して市民病院に搬送を依頼するように」と伝え、市民病院にはこちらから診療依頼を済ませました。 一般の診療を終えて市民病院に駆けつけました。 幸い、早期に適当な処置を受け回復していました。

 保護者は夜間の不安を得ったえたので、病院主治医に翌朝までの入院許可を依頼しました。

 この経験の後は、絶対に保護者の希望は受け付けていません。 家族からの救急診察依頼に対処できない場合もあります。

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