育児の広場      I-072   正しいエンピツの持ち方   育児Top へ戻る
 
 タイトルの “正しい” について考えます。
 
 この  “正しい”  は作法で定められたものでないのと同様に、医学的な判断でもありません。
 
 ヒトの持つ繊細で巧緻な機能を100%発揮できる手段として推奨されるとの意味です。 付け加えるなら ‘美的な運動’ とでも表現できるスムースな運動でもあります。
 
 「私の勝手でしょう」  と言う人には納得させられない事項です。
 
 ‘握る’ と言う段階での機能はサルでも可能です。
 
 他の説明にもしてありますが、出生直後の新生児でも可能です。
 
 サルの機能より発達した機能である  ‘持つ’ はヒトに教育して獲得させるものです。
 
 三枚の写真を比べてください。
 
 図−左‘サルでも握れます’ の握り方を再現しています。(サルならこの様に握るだろうと推測)
 
 図−中央 ‘誤った持ち方の一例’ は ‘サルも握れます’  に近い握りです。 エンピツを手に押しつけて、ペン先を自由に動かせられません。 エンピツは A・C の二点で載せられ、Bで抑えられています。
 
 図−右 ‘正しい持ち方’ ではエンピツの同じ箇所 (A) を、親指・人差し指・中指の指で保持しています。ペン先の自由なコントロールが可能になります。(Bは接触するだけで自由に運動します。)
 
 ‘誤った持ち方’では手の握力も強くなりペン先の移動面積も小さくなります。
 
 ‘誤った持ち方の一例’と ‘正しい持ち方’では、エンピツと紙との接触角度が全く異なります。
 
 ‘正しい持ち方’ではペン先が手の延長線にあり (接触角度)、エンピツを指先でコントロールする容易さとエンピツの先端の移動面が大きくなり、細かな移動が可能になります。
 
 これが  “繊細と巧緻”  に繋がります。
 
 習字教室では ‘勝手な持ち方’ は許していないはずです。
 
 正しい持ち方でエンピツを動かしてください。 自由にコントロール出来るのが実感できるはずです。
 
 幼児期からの指導が望ましいと考えます。
 
 *ここで使用する‘握る’・‘持つ’の用語に微妙な違いを読みとってください。
 
 「たかがエンピツの持ち方」 と言われる話題を取り上げました。
 
 今、育児指導の現場で ‘標準’・‘指導’・‘強制’・‘自由’・‘勝手’ が色々な立場から討論されます。
 
 我が子の育児・自己の生活方式に何れを採用するかは文字通り‘勝手’が許されます。
 
 しかし、‘標準’を一つのデーターとして知っておくことは必要と考えます。
 
 育児指導で‘標準’を語る行動は許容すべきです。
 
 ‘強制’は排除が望ましいでしょう。 ‘強制’される事に対して‘無視’は保護者に出来ることです。
 
 “エンピツの持ち方” も ‘標準’ との意味で読んでください。
 
 ‘育児ノイローゼ’・ ‘標準’・‘指導’・‘自由’・‘勝手’についても考えましょう。  

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