育児の広場    I-068   運動発達の診断と検査法   育児Top へ戻る
 
 運動発達に不安を感じて医療機関を受診し、CT検査・MRI検査・血液検査で異常がないと説明され、安心したとの話を聞きます。 この話に疑問・不安を感じます。
 
 運動発達の異常は脳・運動器官の異常が原因です。 脳に限って云えば、‘脳の機能’ の異常です。
 
 乳児の運動発達を検査する時、第一には “運動機能” を精査することになります。 
 
 “運動機能” に異常があると判断する時には、原因が “脳の機能” にあるのか、“脳の構造的な異常” にあるのかが検討課題となります。
 
 言い換えますと、‘脳の構造’ に異常は無いが ‘脳の機能’ に異常を起越している場合と、‘脳の構造異常’ から起こる  ‘脳の機能’ の異常です。
 
 CT検査・MRI検査・レントゲン検査は ‘脳の構造’ に異常があるか否かを知るための検査法です。  極論すれば、CT検査・MRI検査・レントゲン検査で ‘脳の機能’ の異常は診断できません。 運動発達の異常は判断できません。
 
 血液検査は ‘機能’ の異常を知る検査です。 しかし乳児の運動発達での検査には無力です。  診断の為には有効な検査法ではありません。  (筋肉の機能については可能です)
 
 極論ですが、乳児の運動発達の検査に上記の検査機器は無能です。 運動発達の診断にはこの分野の経験豊富な整形外科医・小児科医の機械に頼らない観察と判断が必要です。
 
 運動発達に異常があると判断されたとき、異常の原因が ‘脳の構造’ にあるなら治療はこちらを優先すべきです。 この時にMRI検査・レントゲン検査等が必要になります。
 
 一部には血液検査で証明される病気が原因となっていることがあります。
 
 誤解を防ぐために付け加えましょう。
 
 乳児を診察せずにCT検査・MRI検査・レントゲン検査の結果だけを見た医師が 「検査結果に異常なし」と  判断しても、乳児が正常な発達をしているとは断定できません。 上の検査に異常が無い時にも運動発達の異常が起こっています。
 
 検査以前の診察医の判断が重要です。
 
 【運動発達】 コーナーの 《運動発達の診療機関》 の解説に 「運動発達の診断を受けるには脳性麻痺の専門治療施設が良い」  と書いています。 この様な施設にはMRIの検査器機は設置されていません。 診断には必要が無いからです。
 
 運動発達の異常は検査器機が解明するものでないと知ってください。
 
 運動発達に ‘運動器官の異常’ が単独で関係する場合もありますが、少ない状況です。  運動発達の異常は運動をコントロールする脳・神経系・運動器の総合的な機能異常です
 
 血液検査で身体異常・病気が診断できます。 この診断された病変が運動機能を障害していることはあります。  一例として筋肉の機能を傷害した病気は検査で判ります。
 
 解説の主旨は  『運動発達の評価は血液検査で行うものでない。 血液検査は運動発達の異常の原因を究明するために実施する』   にあります。 微妙ですが正確に理解してください。

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