育児の広場  I-039   言葉の発達の遅れを心配  U   育児Top へ戻る
 
 子供の言葉の遅れを心配される場合、子供に話をさせる機運をそいでいることが多いと考えてきました。
 
 これから幾つかの場面を例を紹介します。
 
 幼児が自分の希望を言葉で伝えられない時を想像してください。 
 
 例えば自分で取れないところにお菓子が置かれていて欲しくなったとします。 子供は下に行き動作と喃語程度で母親に取って欲しいことを伝えます。 母親は雰囲気から要求が理解出来ますから直ちに要求に応えるでしょう。
 
 しかし、直ちに要求に応えるのでなく、丁寧に言葉で要求を聞き出す努力・演技が必要です。
 
 子供はすぐの受け入れがされないのでヒステリーを起こすでしょう。 少しの時間は言葉で要求を伝える努力をさせてください。 母親も聞き出す努力が必要です。 勿論あなたの子供さんの現状に合わせた努力です。 短時間の会話もどきのやりとりで要求に応えてください。
 
 その時も黙ってお菓子を取って渡すのでなく、‘お菓子が欲しいの’・‘何処にお菓子はあるのかなぁ’・‘一緒に取ろうか’と話ながら抱き上げて、‘このお菓子でいいのかなぁ’と行動にこのような語りかけを重ねてください。 熱心に育児に取り組んで居られても案外話しかけが少ないようです。 話しかけのシャワーです。
 
 夫婦で会話する時を想像してください。 例えば父親が新聞を読みながらお茶が飲みたくなるとします。 奥さんに‘おーい、お茶’、タバコを取って欲しくなって‘おーい、タバコ’。 この会話を目隠しして聞いた時に意味が判りますか。 返す行動を逆にして、お茶を捨てに行ってよし、タバコを隠してよし。 
 
 大人は雰囲気で理解していますが、主語・助詞・動詞を省いて単語の羅列で意思は伝えられません。 言葉の発達に心配を感じて相談に来られた場合には幼児のおる場では、紙に書いて理解できる文章にして夫婦間で会話を奨める努力を要求しています。 
 
 喃語での話しかけ、幼児語の使用は止めてください。 喃語での呼びかけを続けていますと幼児はそれが順当なものと誤解します。 祖父母はこのような発語を可愛いと喜びます。 このような関係が続くのも発達を止める原因になります。
 
 幼児語は可愛いともてはやされますが害になります。
 
 言葉の発達に特効薬はありません。特別の治療法もありません。
 
 何時かは取り戻せると考えて遅れを大きくするのでなく,早くに努力をして心配を取り除く事が本人の将来にプラスとなるでしょう。
 
 少子社会では子供同士の交流機会も減少し、喃語・幼児語の自然消失が難しくなっています。 消去する困難を回避する育児が必要です。
 
 幼児の仲間を多くすることも良い方法です。 私は保育所への入所も得策と奨めることがあります。
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