育児の広場  I-020      育児器具の評価   育児Top へ戻る

  育児に際して種々の用具が使われます。これらの用具は両親・介助者には便利であっても赤ちゃんの発育・発達に支障をきたすもの、使い方を誤ると不都合なものがあります。 よく使用される用具についての評価と理由を書いておきます。  

 ベビ−カ−  赤ちゃんの首がしっかりするのは四ヶ月、お座りが自発的に可能になるのは九ヶ月頃です。 この事実からベビ−カ−の背もたれは四ヶ月までは水平にして使用すべきです。 直角に近く背もたれを立てるのは九ヶ月以降です。半年からこの時期までは背もたれを傾斜させても頭部の保持には注意が必要です。  

 抱っこバンド  首がすわる四ヶ月以前の使用は賛成出来ません。 母親が抱っこバンドを使っている状況を観察しますと、親の両手には荷物があり子供の頭は保持されていません。 四ヶ月未満の乳児・これより大きくても寝ている乳児の頭は後方に強くたれています。この姿勢が乳児に楽なはずがありません。六ヶ月頃未満の乳児は背骨もまっすぐに保持できる能力が完成していません。 観察していますと保持せずに抱っこバンドに入れられた乳児の上半身は “く” の字に曲がっています。乳児はさぞ苦しいことでしょう。 抱っこバンドを使用する時には片手で頭、反対の手で体を支えることが必要になります。 結果として荷物はもてないでしょう。 昔の習慣ですが、おんぶの場合には乳児の体は母親の背にくくられていたので “く” の字に曲がることはありませんでした。

 スリング 多くの使用者が使用法を誤っています。 ベビーの姿勢に注意しない使用は誤りです。 使用するママの手を介抱する用具ではありません。 乳児の正しい抱き方を理解してスリングを使用してください。 [ 乳児の正しい抱き方  

 ベビ−用いす  自発的にお座りが出来るようになる時期までの使用は奨められません。 ただし六ヶ月頃からは食事時間に限っての、短時間の使用は良いでしょう。

 注 ここまでの三種について使用制限を求めています。 その根拠は [ 脊柱の成熟 ] に解説しています。 こちらも参照してください。

 歩行器  この器具については大半の人から使用反対の意見が出ています。 理由はつま先で歩く癖をつけることです。  

 カタカタ (ヨチヨチ歩きの乳児が押して歩くと器具の人形がカタカタと音をだす用具)  これも使用を反対したい用具です。 以前は歩行器と共に歩行を早める効果のあるものとされていましたが、両方ともつま先歩きの癖をつけて安定した歩行の獲得には不都合と評価されています。

 うば車(乳母車) 推奨できる育児用具です。

 よく利用される用具についての評価です。 この評価に従うと母親が難儀するとの反対意見が聞かれそうです。こ こでは乳児の健康を考え、乳児の意見を代弁しました。納得できる解決を探してください。 たとえば買い物に際してはベビ−カ−を使用して、抱っこバンドは散歩に限ることです。

 
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