育児の広場  つぶせの姿勢が必要です  I-018   育児Top へ戻る
 
 生後一ヶ月半、50日を過ぎれば赤ちゃんが目覚めている時にうつぶせの姿勢にして下さい。
 
 最初の数日は一回に2,3分を日に4,5回から始めます。一週間もすれば毎回を五分以上で日に五回以上に増やして下さい。
 
 この姿勢にする時は大人が近くで見守るようにして下さい。 寝ている時(睡眠中)と、大人が監視出来ない所ではやらないで下さい。
 
 二ヶ月も過ぎると赤ちゃんはこの姿勢を喜ぶようになります。 二ヶ月の半ばになりますと、両手で支えて頭と上半身(胸の上半分ぐらい)を床から持ち上げられるようになります。  この姿勢がとれることは背中と腹側の筋肉を強くすることが出来ます。間接的には手の器用さを高める効果もあります。 (これについては後半で説明します) 
 
 このような姿勢をさせるように奨めますと「赤ちゃんが嫌がるので止めました」という報告があります。 必要なことですから数日は泣いてもすぐにこの姿勢を続ける努力を続けると数日で納得してくれます。
 
 西欧の育児ではうつぶせの育児が多いようです。 睡眠時間もうつぶせにする事もあります (注意−1)。 これは長年イスとテ−ブルの生活スタイルにかなった育児です。 日本家屋ではたたみに座るのが長年の生活スタイルでした。 イスとテ−ブルは一部昼間の生活スタイルでした。 現在は殆どの家庭がイスとテ−ブルの生活に変わっています。 
 
 この一生続く生活スタイルに合わせた育児が必要になります。 しかし生後間もない頃からうつぶせの姿勢にすることに積極に取り組まない育児がいまだに多く残っています。 生活スタイルが西欧式に変わったのですから、育児も変えて下さい。 近年、学童の背骨の側湾と青年期にはじまる腰痛患者の多さは生活スタイルに合わない育児が影響していると考えています。 
 
 手の器用さとの関係を簡単に説明します。 赤ちゃんは生まれた時から物を握る機能 (?)  は持っています。 しかし離すことを知りません。 発達の検査で 「ガラガラを持てますか」  「オモチャを持ち替えられますか」 と聞かれますが、持ち替えるためには離すことが重要になります。 握っている物を離す機能とは手を開く機能です。 目が覚めている時も仰向けばかりにしていますと、手を開く機能の獲得が遅くなります。う  つぶせにすると手を握ったままでは支えられないので自然と手を開くことが必要になります。 こうしてオモチャの持ち替えが巧くできるようになり、次には両手の協調運動につながります。 注 【運動発達・粗大運動】 ‘微細運動’ の解説も参考にしてください。
 
 注意-1 赤ちゃんの突然死の原因の一つに睡眠時間のうつぶせ寝が指摘されています。 睡眠時間中は大人の監視も手薄になります。変化が手早く見つけられません。このようなことから、小児科学会では『睡眠時間中のうつぶせ寝は止めるよう』に勧告しています

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