育児の広場  I-012  幼児期の言葉遅れ  T   育児Top へ戻る
 
 最近、幼児期で言葉の遅れが多くなっています。 幼児期に言語発達の遅延を疑はれる幼児の経過は大別して三つのグル−プに分けて考えました。
 
 第一のグル−プは問題なく成長する。 第二のグル−プは会話をすることでは支障は残さないが社会性に影響を残す。 第三 のグループに知的発達遅延の早期症状が疑われます。
 
 言葉の発達は乳・幼児期に育つ環境が大きく影響します。 社会構造の少子化が先ず大きな原因となっています。 生活の場の周辺に子どもの遊び場が非常に少なくなった事も原因です。 
 
 これらの原因で乳幼児の精神的成長 (成熟) が遅れる傾向があるのと逆に、早期からの集団生活が幼稚園の三年保育で要求される社会に変貌したことが原因として重なっています。
 
 第三のグル−プの幼児の対応は別の問題として,ここでは第一・二のグル−プの幼児について考えて見ます。
 
 この両グル−プの結果が判るのは青年期だと思います。 今の社会環境の影響から精神面での成熟が遅れる傾向がある中、子どもは大半が三歳で幼稚園入園、言い換えれば集団生活への参加が要求されます。
 
 つまり三歳で全員に同じ到達ゴ−ル(幼児期の成熟に限って) が要求されます。 昔の一年保育が主流であった時代には五、六歳がゴ−ルになりますから長い期間で個人差を解消する発達でよかったわけです。
 
 喃語の時から、二年少々の期間で子どもとして同等の会話が獲得することが必要となる社会に変貌しました。 つまり個人差を許さない社会になりました。
 
 言葉の遅れで同年齢間の会話が不十分にしか出来ずに、子供としての社交性でも未熟な状態となり、幼稚園の生活にも自信を持って参加出来なくなります。
 
 ここから登園拒否も含めて園の生活から距離を置きたくなる子供が現れます。 登校拒否の遠因にもなります。(限られたスペ−スですから詳細な検討は省略します。)
 
 言葉の遅れが放置されると後に影響する事もあります。 自然に遅れが解消するだろうとは判断せずに年令に合った対処を検討して下さい。 安易な判断が誤りを招くこともあります。
 
 医療機関、保健所等で指摘される場合と両親が気づく場合もありますが、病的(回復不可能) なものは少なく,外見的には問題なく成長します。 しかし,年代に応じた成長・成熟が大切です。
 
 強く不安を感じるのではなく,時期に応じた適切な対処が子どもの成長・成熟に必要なことを理解してください。

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