育児の広場  I-003  お座り、立位の時期   育児Top へ戻る
 
 
 ヒトの祖先は四つ足でした。 長い進化の中で二足歩行を獲得しましたが、二足歩行をするために困った問題も貰いました。 腰痛の問題もその一つです。 学校の検診で背骨が曲がっている子供が多くなっているとよく聞きますが、これはヒトの進化を考えずに育児をしたことが遠因になっています。
 
 ほ乳類でお腹を上にして生活する動物はおりません。 ヒトも基本的には背中を上にした育児が基本です。 勿論進化で獲得したものにより他の動物にない利点は多くありますが、基本の理解も必要です。
 
 人間の背骨はだるま落としのオモチャに似ています。 丸い円柱を短く輪切りにした骨が積み重ねられ、その周囲に筋肉・靱帯と呼ばれるもので倒れないように補強されています。 しかもこの補強材で骨が垂直に維持できる強度を獲得できるのは、個人差もありますが10ヶ月頃以降です。
 
 育児で赤ちゃんの姿勢の成長にはこの二つの条件が影響していることを理解して下さい。 細かい注意点は各月令の説明でしますが、基本的なことはここに書いておきます。
 
 生後二ヶ月頃には目が覚めている時間にはうつぶせで遊ばすことが必要です。睡眠時間帯でのうつぶせ寝は赤ちゃんの突然死との関連で奨められません。
 
 上に述べました筋肉・靱帯の強度は上の方から進みます。 首の部分で3ヶ月頃、胸から腹の部分で5,6ヶ月、腰の部分で10ヶ月と理解して下さい。 各部分で垂直に体を支えるのはここに書きました月数以前では赤ちゃんに強い負担になります。
 
 例えば胸・腹の部分の強化が完成する以前に体を垂直にする時間が長くなると、左右の対称的な強さが得られずに成長してからの背骨の曲がりの原因の一つになります。 腰の部分完成前に負担をかけますと将来の腰痛の原因の一つになります。
 
 四つ這いが出来る前に一人でのお座りはさせないで下さい。 自分で立ち上がる前に大人が立たせることは止めて下さい。
 
 もう一度注意を書いておきます。保護者が目を離す時のうつぶせ寝は絶対にしないでください。
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