育児の広場  I-002   乳児の一日のリズム   育児Top へ戻る
 
 人は一日24時間の生活のリズムを持っています。 大きな流れとして夜間に睡眠をとり、昼間に活動するリズムは長い進化のなかで形成されています。 もう少しきめの細かいリズムは生後に個々に形成されます。 その形成は誕生に始まり成長がほぼ止まる年令で完了します。
 
 睡眠時間は年令が低いほど長く必要になります。 幼稚園の年代で12時間、中学生で8時間は必要になります。 この睡眠時間を確保し、更には起床時間を考えての一日の生活リズムを赤ちゃんの年代から作る必要があります。
 
 赤ちゃんの年代にこのリズムを狂わすサイクルで育てますと、この狂ったリズムが一生続きます。 成人になってからの一日のサイクルの変更は本人の努力で実行出来ますが、基本のリズムは変わりません。
 
 幼稚園・学校の年代は始業が8時半から9時頃です。 社会人になっても大半の人は9時頃からの始業です。 通学・通勤の時間を考慮して7時頃の起床は一生必要となります。
 
 幼稚園・学校の年代で早朝の起床が出来ず遅刻が多いという話をよく聞きますが、8時を過ぎての起床のリズムが身に付いているからです。 このような子供は午前中の前半は集中力も乏しく勉強の体勢には入れません。 学業の遅れの原因になります。
 
 昔から子供は早寝早起きと云われてきましたが、これは育児に必要なアドバイスでした。幼児期・学童期にリズムの違いで一般的な生活サイクルに合わせることが出来ずに子供としての社会生活に順応出来ないことが、今社会問題になっている青少年問題の遠因になっているのです。 誰もが我が子に問題の当事者になるような事態は望まないはずです。 赤ちゃんの時から良いリズムを身につけさせるように努力しましょう。
 
 赤ちゃんの入浴は8時頃までに終えて早く寝させましょう。 小学生の年代までは9時の就寝を守らせましょう。
 
 大人の生活サイクルに合わせての9時以降の家庭団らんは子供の良いリズム形成には役立ちません。 9時以降は大人だけで楽しむ時間です。
 
 世界の傾向として、子供の生活が夜型に変更していると思えます。世界と比較して、日本の子供の夜型は多いとの調査結果もあります。
 
“古風なしつけ” との観点でなく、“子供の心身の健全な成長” を願う気持ちで検討してください。

 

 2011/10   以下の記事を追加します。

 日本小児保健協会から “乳幼児の夜更かし” についての調査結果が発表されたと、朝日新聞(2011/09/02)は報じていました。

 調査結果の大略では、1980年に1歳半は80年に25%、9038%、0055%と増発、10年は30%に減少。 3歳児で22%、36%、52%、31%。 56歳児で10%、17%、40%、25%とそろって、減少に転じていました。

 一方で早起きの子どもは増えていました。  

 この調査結果は乳幼児にとっては喜ばしい状況です。 このHP でも開設当初から乳児の夜更かしに警鐘を鳴らしていました。 

 小児科医は “乳幼児の夜更かし” に賛成していません。

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