子供の病気      P065   熱性ケイレン   子供の病気Topへ
 
 皆さんは熱性ケイレンを恐れすぎているようです。
 
 発熱が38度を超えると、解熱剤と痙攣予防薬を使用したと話される保護者によく出会います。
 
 多くの家庭医学書でも、熱性ケイレンを起こした子どもには痙攣予防薬を使用するように勧めていますが、賛成は出来ません。 個々の事情で決めるべきです。
 
 解熱剤と痙攣予防薬の使用は慎重にして欲しいと考えます。
 
 痙攣予防薬の使用は、前回の発作時の熱までは待って欲しいと考えます。
 
 熱性ケイレンを起こした時の対処法を説明しておきます。
 
 〇 舌を噛むことはありませんから、口に物を入れる必要はありません。
 
 〇 静かに寝かせて、衣服はゆるめてください。
 
 〇 吐き気を見る時は身体を横にして、吐物を口から流れ出るようにしてください。
 
 〇 時計を見て、始まった時間を確認してください。
 
 〇 体温を測ってください。
 
 〇 5分以上も続くようなら、救急の診察を受けてください。
 
 〇 ホームドクターに連絡出来れば、診察を依頼して受診してください。 連絡出来ない時は救急病院の受診をしてください。救急車の利用が必要でしょう。
 
 〇 大半の熱性ケイレンは一分以内に収まります。これ以上続くようなら、痙攣予防薬の使用は必要でしょう。
 
 短時間で収まった時には、救急の受診は必要ないでしょう。 診察時間内にホームドクターの診察は受けてください。
 
 当日か翌日の受診が必要なものは、発熱が38.5度前後の痙攣・三歳以上の痙攣は必ず受診してください。
 
 解熱剤にも、痙攣予防薬にも副作用はあります。 使用は慎重にしてください。
 
 解熱剤と痙攣予防薬は事前に渡されています。 家庭での使用の責任は、保護者が負はされる時もあります。

 ここまでは熱性ケイレンが起きたときの注意を書きました。

 違う角度からの注意を追加しておきます。

 皆さんは 「 熱性ケイレンは高熱で起こる  と理解されています。 これに追加して欲しい知識は 『 熱性ケイレンは急激な体温上昇で起こる  を知ってください。 

 乳児・幼児・子供では脳機能の未熟が原因となり、急激な体温上昇に順応出来なくなってケイレンを起こします。

 多くの保護者は 39度前後の高熱で熱性痙攣を起こすと恐れていますが、急激な上昇では 38.5度でも起こる可能性があります。

 過去にケイレンを起こしている子供、兄弟でケイレンを起こしている場合には、急激な体温上昇にも注意してください。

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