子供の病気  P-036   繰り返す子供の腹痛   子供の病気Topへ
 
 「子供が急に腹痛を起こします」 , 「腹痛が日を変えて何回も繰り返します」 、 「下痢・謳吐のような症状を伴わない腹痛がよくありす」, このような相談が何通かありました。 診察室でもよく相談を受けます。
 
 相談される方は急性胃腸炎のように急いで受診したり,薬を飲ませて治療する程のひどさではないと数回の経験で理解されているようです。
 
 痛みの状況としては上の相談につきますが,短時間で痛み止め薬を飲ませることもなく消えてしまうことです。 大人から見れば,ウソをついたように思える状態です。
 
 以前に家庭医学書では “臍疝痛” と説明されていました。 最近は “反復性腹痛” として解説される場合もあります。
 
 痛みの場所を子供は臍の周辺と訴えます。 これは,子供が正確に判断できていない結果と考えられます。 痛みのあった直後に診察しても痛みの場所が特定出来ません。 広範囲場所の表現として臍をさしているようです。 病気の原因は判かりません。 判らないのは急性胃腸炎・腸捻転のような急いで治療を要する病気のような変化を確認出来ないと云うことです。
 
 色々な病因を説明する意見も出されますが,小児科医の大半が賛成する説明にはなっていません。
 
 医学用語で言い直すと,機能的な病変・器質的な病変は確認出来ないと云う意味です。
 
 共通して云われることは心理的な要因が作用しているのではないかとの指摘です。
 
 痛みを訴える年齢は幼稚園児から小学校の低学年が殆どです。
 
 痛みの対処法としては放置するだけです。 短時間で消失しますから,痛みのある時間は本人の納得する事を続けてください。 痛み止め薬は必要ありません。飲まさない事が大切です。 やむを得ず飲ませた時は,後日に小児科医に相談してください。薬への依存を繰り返さない為の相談です。
 
 心理的な要因と書きましたが,これについては多くの場面を想定しなくてはなりません。 ここで書くには大きな問題です。
 
 短く表現するなら欲求不満・遭遇した問題に巧く対処できない不安・気に掛かる問題を抱え込んでいる,このような状況へのいらだちを考えてやる必要があると考えられます。
 
 子供は痛みを間違いなく感じています。 ‘うそつき’ではありません。 子供の訴えは真っ正面から受け取り、適切な対応は実行してください、

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