子供の病気  P-035   ミルクが足りない   (飲まない・哺乳量が足りない)   子供の病気Topへ
 
 乳児がミルクを飲まない原因には色々あります。 今回は母乳量が足りなく感じて粉乳を合わせて飲ます時に出会う場合を考えます。
 
 混合授乳をする時,授乳量が足りないように感じた時,毎回の授乳時間が長くなり吸う力を弱く感じる時の注意点です。
 
 最初に母乳の一回分泌量を測定してください。 測定用に搾乳器を利用するのも一方法ですが,実際に即した方法を紹介します。 測定は哺乳前の体重と哺乳時間を 10分に限って飲ませ体重を計り引き算で推定してください。 搾乳器での測定より,本人の吸う力も加味されて有意義な数値が得られます。 測定は二回前の授乳から標準とされる間隔を保ち,測定前の授乳には時間を15分に限って飲ませてください。
 
 一日の必要量は体重 Kg 当たり 150 ml を目安としてください。 例えば体重 7 Kg なら 1050 ml です。 ここから一回の必要量を計算してください。
 
 次に各回の授乳時間です。 少ない量しか出ない母乳に15分も吸い付いていると乳児の疲労は大変なものです。
 
 一回の哺乳時間,逆から説明すると一回に疲労を残さずに吸い付ける時間は15 分以内が適当です。 疲れが残る中で哺乳瓶でミルクを用意されても,飲む力が残っていません。
 
 先に計測した一回の母乳分泌量が,計算した一回必要量の 70% 程度あれば母乳を最初に飲ませ,後から哺乳瓶から粉乳を飲ませる方法で良いでしょう。
 
 70% に満たない時は母乳と哺乳瓶授乳の順序を逆にしたり,授乳時間により順序を交換する工夫をしてください。
 
 50% 以下であれば,毎回哺乳瓶を先にする方が良いでしょう。
 
 母乳量が必要の 30% 以下の様に少ない時は母乳を追加するのを一回おきにするような配慮も必要でしょう。
 
 哺乳の時間は守ってください。 哺乳量が少ないと気遣って時間前に泣き出して哺乳すると,間食をするのと同じで定時の哺乳時間に満腹感と疲労で量が減ります。 悪循環に陥ります。
 
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 ◎授乳時間・授乳量など、授乳については ‘本人任せ’・‘保護者の自由’ として、指導を控える意見があります。
 
 厳格な方法を強制しませんが、一つのモデルとして ‘授乳時間は守る’ を奨めます。
 
 授乳量についても ‘増減には心配無用’ との指導もありますが、体重増加が得られなくなり、不安を抱いての相談もあります。
 
 事前の注意として、この記事を掲載します。 一つの目安として参考にしてください。

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