子供の病気  P-015   みずいぼ   伝染性軟属腫   子供の病気Topへ
 
 子どもによく現れる ‘水いぼ’ の処置について相談されますが、処置を行う必要はありません。  放置して下さい。
 
 以前から処置としてピンセットでつまみ取る方法がありました。 ピンセットでの除去は子どもが泣き叫ぶわりに効果は今ひとつで、最初の処置で見えるものは除去しても数週も経つと現れ、二度目の除去は子どもに拒否されます。 
 
 皮膚科では液体窒素で凍らせたり、薬品で枯れさせるようなこともされます。 
 
 他の方法にしても一度の処置で終わることは少なく数回の繰り返しが要ります。
 
 ‘水いぼ’ はウィルスによりおこる病気で‘いぼ’の中にいるウィルスが他の場所に移動すると、そこで繁殖して‘いぼ’となり数は増えます。 最初は数個で気が付いても時間が経つと数十個に増える事があります。 子どもが引っ掻いて‘いぼ’をつぶし中のウィルスを他に広げることと、他の子どもに接触することでうつります。 このウィルスは皮膚以外の全身の病気になることはありません。
 
 ‘水いぼ’ の周辺に湿しんを作ることはあります。 かゆみがあり傷をつけることが唯一の困った問題です。 このかゆみを防ぐことで広がりも少なくできます。 かゆみ止めの軟膏は塗って下さい。
 
 困った問題はもう一つあります。 保育所・幼稚園・小学校で他の子どもにうつさないように処置を依頼されることです。 特に水泳の季節になると指導が多くなります。 以前に水中での感染が疑われた為のようです。 しかしこのウィルスは水中に生存するためではなく、水泳前後の接触によるものですから水泳を禁止することもありません。 医者が放置を奨めても園、学校で指示されると親は断れないようです。 この時は診断書をもらうか、処置は必要ないと書かれた本を見せて下さい。
 
 ‘水いぼ’ だけの問題でなく、手足口病等子どもの間で伝染しますが、放置しても問題のない病気があります。 この病気に罹った時に、「〇〇さんからうつされました」  とよく話されます。 悪意もなく云ったとしても、〇〇さんは後ろめたく感じます。
 
 集団生活でうつされたと云っても、集団の責任者は責められたように感じるようで、隔離・処置を指示することになります。 伝染する病気でない時も含めて、このような軽率な発言は控えて下さい。 

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