子供の病気  P-006   けいれん 痙攣 ひきつけ   子供の病気Topへ
 
 小児科ではよく見る症状です。 これは症状であって病名ではありません。 色々な病気で現れる症状で、その病気について云えば一過性のものから長期の治療が必要なものまで種々あります。 痙攣は診察室で現れることの少ない症状で、家族・近くで観察した人の情報が診断に欠かせないものですからよく見ておいて下さい。
 
 医者が診断・治療をすすめるのに知りたいことを観察するために痙攣について説明しておきます。  詳細は家庭医学書でも勉強して下さい。
 
 手足・全身の動きでは全身を突っ張る(硬直する)もの、全身、手足、手足の一部(片方とか手だけとか)、身体の一部(顔面の筋肉)をガタガタ、ピクピクさせるものがあります。
 
 また眼球の動きも観察して下さい。 一方向を凝視する(にらむような目つき)こともあります。 
 
 痙攣と云われる症状はこのような身体の動きの異変をさします。
 
 痙攣と考えられないような、全身の力が抜けてだらっとした状態も注意すべきものです。
 
 次に意識があるかどうかです。 完全に意識を失った状態から、ぼやっとした、うとうとした状態まで色々な程度があります。 幼児によく見られる熱性痙攣でも意識を失いましたと聞かされますが、うとうとした状態も意識がないものと間違って観察されています。
 
 医者はその程度も知りたいので時々名前を呼びかけて目をあけるとか、返事をするとかで程度を観察して下さい。 この二点が重要な情報です。 そしてこの症状がどれほど続くかも観察して下さい。
 
 ここで自宅での対処法です。 痙攣らしいと気づけばすぐに時計で時間を確認して下さい。
 
 上に説明しました全身の動きを見極めて下さい。 冬には着ている物が厚いので少なくし弛めて下さい。 この間に体温を手で頭・脇・腹部で感じて下さい。 高温だと思えば体温計で測定して下さい。 子供では高熱によるものが多いので(熱性けいれん)熱を下げる作業も始めて下さい。 このような作業をしながら意識の状態も時々観察して下さい。
 
 時間の経過も見て下さい。 痙攣を起こしている子供の介抱をしていると時間を長く感じるようですが案外短いものです。
 
 痙攣が収まっても意識がかすむ状態は続くことが多く、痙攣が続いていると判断されることが多いようです。
 
 小児に多い痙攣は大半が一分以内で終わり、もうろう状態がもう少し続いているようです。
 
 三分程度で収まれば自宅で静かに寝かせてホ−ムドクタ−に状況を連絡して指示を受けるべきでしょう。 
 
 痙攣が三分以上も続くようなら救急の診察・処置が必要になります。
 
 ホ−ムドクタ−に電話連絡が出来れば短く状況を伝えてホ−ムドクタ−の診察か病院での診察かの指示を受けて下さい。
 
 ホ−ムドクタ−と連絡が取れない時には救急車の応援を依頼して下さい。 
 
 三分、五分と続く痙攣では特別の処置が必要になります。 個人医院での処置では足りないこともありますが、連絡を取り適切な病院を紹介されれば最良です。 異変を起こしている子供を慌てて運ぶことを考えずに適切な判断で対処して下さい。 その方が子供に良いのです。
 
 痙攣を起こしている時に、舌を咬まないように口に棒状の物を入れるように以前は書かれていましたが、これは必要ないことです。
 
 痙攣と云われる症状には病気と云えないもの、熱性痙攣、脳炎、中毒、てんかん等、の病気に現れます。 この中でも子供によくある熱性痙攣、てんかんには、脳波検査、CT、MRIと検査法もいろいろありますが、検査以上に状態の観察が重要になります。
 
 冬期の追加  インフルエンザに伴う脳症がこの時期は心配です。 風邪の症状に高熱が伴っている時の痙攣,意識消失,理解できない言動・行動が確認できたら小児科医の常駐する総合病院小児科の受診が必要です。

 ← ワイドモニターを使用の時  子供の病気Topへ   HPトップへ  育児コーナーへ    家庭医学へ    運動発達へ