【薬の話】     

薬に関係する情報を掲載します。副作用の情報も掲載します。 使用する薬の選択は難しいものです。このホ−ムペ−ジでの情報に近隣の医療機関で賛成されないこともあるでしょうが、可能な限り掲載の根拠も記載します。納得できるように話し合いをして下さい。

薬剤情報   2012/01/18        YOMIURI ONLINE  より引用

 医学研究の信頼性を検証する国際研究グループ(本部・英国)は 17日、インフルエンザ治療薬タミフルが重症化を防ぐ効果を疑問視する報告書を発表しました。

 タミフルは世界で広く使われ、特に日本は世界の約7割を消費しています。

 報告書は、製薬会社に有利な結果に偏る学術論文ではなく、薬剤の管理を担う行政機関が集めた臨床試験結果などの報告資料を分析してまとめられました。

 今回の報告書によれば、タミフルの使用でインフルエンザの症状が21時間ほど早く収まる効果は確認されたが、合併症や入院を防ぐというデータは見つからなかったと記されています。

 「当初の症状を軽減する以外、タミフルの効果は不明である」と結論を出し、「副作用も過小報告されている可能性がある」と指摘しています。


薬剤情報    080201

 マスコミ報道に拠れば、インフルエンザ治療薬・リレンザ・シンメトレルでも服用した未成年で異常行動が起こる危険性が報告されたと発表しました。

 これに伴い医療機関に警告が伝えられました。

 昨年までの報道で治療薬・タミフル服用患者に異常行動が多く発生していることは知って居られるでしょう。

 今回、警告が発せられたリレンザ・シンメトレルはタミフルの代替薬として服用が奨められた薬剤です。

 この事実は以前からも研究者から指摘されていましたが、厚労省も遅れて認めました。

 医療機関では警告に従って、処方に際して注意が伝えられます。 保護者の希望を優先する行動は控えて欲しいと考えます。


薬剤・医療情報  08/01/01

 血液製剤による肝炎汚染の問題が大きくクローズアップされています。 ここで薬剤として取り上げられているのは “フィブリノゲン製剤と血液凝固第9因子製剤” でした。

 新たに小児の病気治療に使用された “グロブリン” でも汚染が判明したと新聞報道がありました。 (朝日新聞 07/12/28 朝刊)

 今まで、グロブリンは製造方法の違いから原因となるウィルスはほぼ完全に排除されると考えられていました。 今回、研究者の再調査で汚染が確認されました。

 ◎ 対象とされる製剤は1992年以前に使用された製剤です。 

  年令で書けば 15 〜40才が該当します。

 A 次の症状・病気の治療に使用されていました。

 はしかや重症感染症、小児の気管支ぜんそく、水痘、ポリオ、帯状癌疹の治療、輸血後黄症の予防。 新生児の重症黄疸治療としての交換輸血にも使用されていました。

 この二項に該当する、もしくは疑われる人には肝炎検査を受けられるように勧めます。


薬剤情報      2008/01/01

 インフルエンザ治療薬・タミフルと異常行動の関係を調査していた厚労省研究班は「タミフルを飲んでも異常行動全般のリスクは高まらない」とする調査結果を発表しましたが、「まだ結論は変わる可能性がある」として服用制限を解除する意見には至らなかったと報道されました。 (07/12/26 朝日新聞朝刊)

 研究班の報告では、約一万人の調査対象でタミフルを服用した 7181人では異常行動の発症数は 10%、タミフルを服用しなかった 2477人の発症率は 22%と判明したとされています。

 この結果を根拠に「数値をもとにリスクを計算すると、タミフルを飲んだ人の方が、飲まない人よりも異常行動のリスクが大幅に低かった」と結論されています。 更にこの推論から『インフルエンザ治療薬・タミフルと異常行動の関連性は低い』と判断したいようです。

 最終意見は先送りされ、厚労省も服用制限は解除しないとの方針を継続されます。

 しかしこの調査結果には疑問も感じられます。 異常行動とタミフル服用に因果関係が無いとすれば、両グループの間で同じ発症率になるはずです。

 インフルエンザの合併症として異常行動が併発するとの意見も公表されています。 しかし併発するとしても、以前の医療情報では最近の発症数ほどに多く報告されていませんでした。

 研究班も結論を出せる段階ではなく、さらに検討すると説明しています。 厚労省の審議会も「はっきりした結論が出るまで、今の措置を続ける」と決めています。

『安全が証明された』と受け止められる報告でないと受け止めてください。


薬剤情報      2007/12/01    

07年度から、タミフルの生産量が減らされます。

11月に 【 タミフル、今冬の供給半分へ 】 と題する新聞報道がありました。 (朝日新聞 071106 朝刊)

内容の概略を紹介しておきます。

@ 昨年までは年間に 1200万人分のタミフルを製造していたが、今年は半分の 600万人分に減らす。 

A 厚労省通達で、インフルエンザ患者の約2割を占める10才代へのタミフル投与が控えられることらなり、全体の使用量も減っている。

この二点が概略です。

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タミフルの投与には ◎一才未満の幼児には投与を控える ◎10歳代の患者への投与を控える  の二点が通達されていました。

インフルエンザ治療にタミフルを必ずしも必要としないとの意見も識者から提言されています。

これらの事項も周知され、患者・保護者に理解されて、投与希望が減少している事実もありました。

今回の減産方針に対し行政・医学界から増産を求める意見が聞かれません。 

インフルエンザ治療にタミフルが必ず必要なら、医学界・行政から昨年と同じ量の生産を要望するはずです。 

昨年までの使用が過剰であった証拠と見受けます。  不必要な投与がされていたと判断できます。

流行の始まるまでに、判断をしておくための資料を  【タミフル 資料室】 に用意しました。


薬剤情報      2007/04/16    

今、タミフルを知ってください。

直前のインフルエンザ流行期 (06秋〜07春) には治療薬タミフルについて多くのニュースが流れました。

10代の患者にはタミフルの使用が制限されました。 以前には乳児への使用も制限されています。

10才までの小児には安全との確たる方針は示されていません。

次の流行期には保護者の判断に任されたままになることも予想されます。

流行の収まった時期に、判断をしておくための資料を  【タミフル 資料室】 に用意しました。

予備判断をしておいてください。


薬剤情報      2007/03/01    2004/07/01 記事に 追記 

インフルエンザの治療薬・タミフルの服用後に、少年・子供に意識障害・幻覚・異常行動が起こっている事例が報道されています。

製薬会社は薬剤に添付される注意書には警告が書かれています。

幻覚ともうろう状態の為に階段から飛び降りようとした子供、公道に出て交通事故に遭った青年の事例が報告されています。 覚醒剤による異常行動に類似している様です。 (この事例では覚醒剤の服用はされていません)

前年には、幼児への使用は止めるようにとの警告が出されています。(下段の情報も参照)

07/02 にもタミフル服用後の痛ましい事故があいついで報道されていました。

“厚労省”・“小児感染症専門家”・“製薬メーカー” は副作用とは考えないとコメントしています。

皆さんに違う面から見たデーターを紹介しましょう。

世界の全生産量の75%が日本で使用されています。 全米で15%、EU諸国で7% の使用量です。

異常行動も含めてタミフル服用後の異常反応は日本で多く報告され、欧米では少ない報告です。

異常反応と使用量が連動しているように見えるデーターです。

今回は詳しく説明しませんが、インフルエンザ感染→非ステロイド系鎮痛解熱剤の服用→脳症の発症 と類似しているように見えます。

『疑わしい薬剤を排除する』 方針も必要と考えます。

欧米から見れば、日本での多用は “臨床人体実験” に映っているでしょう


薬剤情報    2004/08/01

多くの治療薬の副作用でステイーブンス・ジョンソン症候群
04/07/29 に厚生労働省は、多くの治療薬の副作用で皮膚障害が起こっているとの調査結果を発表しました。

この病気はステイーブンス・ジョンソン症候群と云われるもので、“皮膚のただれ” ・“失明” ・ “死亡” に至ることもあります。

以前から判明している薬の副作用ですが、最近でも年間に 400人以上に発生し、40人が死亡しているとの結果です。

原因医薬品としては,子供の病気治療にも使用される抗生物質製剤,解熱鎮痛消炎剤,抗てんかん剤等が含まれています。

本来は医師の注意事項ですが、保護者も次のような症状が現れたときには早く連絡してください。

初期症状は,発熱,紅斑が出現し,急速に紅斑の数を増し,進行につれ,水疱,びらんとなり融合します。眼,口腔粘膜,外陰部などの粘膜疹を伴うこともあります。


薬剤情報     2004/01/13

2004年 1月11、12日に新聞・TV で  『インフルエンザ治療薬の「タミフル」を一才未満の乳児に投与しないように』  との通知が出されたと報じられました。

今後は服用しないようにしてください。
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治療薬は担当医の処方・指示で服用されるものです。

保護者の間ではインフルエンザ脳症の怖さからインフルエンザ治療薬への過信が強いようです。

小児科医院に電話で在庫を確認して受診されるケースもあると聞きます。

本来は薬剤の選択は医師の仕事ですが、患者・保護者の希望に合わせざるを得ない場合も多くあります

希望された薬剤を処方しないと、他院への転医をされる場合があります。

多くの薬剤の使用説明書に  『小児・幼児・乳児への安全性は証明されていない』  と書かれています。

今回、使用が止められた薬剤にも書かれています。

この事実を保護者も知られて薬剤の誤った認識は無くしてください。


薬剤情報     2003/06/01

03/05/30 厚生労働省は市販かぜ薬から肺炎(正確には間質肺炎)を引き起こす怖れがあると警告しました。

該当するかぜ薬はしばしば利用される市販かぜ薬の大多数です。

死亡した人はありませんが10代の患者も含まれていたと解説されています。

今後は薬の使用書に警告が追加されます。その内容を転記しておきます。
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 間質性肺炎:空せき(たんを伴わないせき)を伴い、息切れ、呼吸困難、発熱等があらわれる。
 これらの症状は、かぜの諸症状と区別が難しいこともあり、空せき、発熱等の症状が悪化した場合にも、服用を中止するとともに、医師の診療を受けること。
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これだけの注意では保護者として理解できないでしょう。
医者が書き加えると手前味噌と批判を受けそうですか、『かぜの症状があり、治療が必要と考えられる時は小児科医を受診してください。』

該当する薬剤名は新聞にも紹介されていました。

厚生労働省ホームページにも掲載されています。


薬剤情報     2003/02/01

最近、厚生労働省は【小児の解熱剤として ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など非ステロイド系消炎剤の使用は中止するように】 との警告を再度発表しました。

2001年の厚生労働省の発表以降、小児科診療機関からの処方・投薬は無くなったと思われてきましたが、未だに使用されることがあったようです。

医療機関任せでは子供の健康が守れないとの厚生労働省見解のようです。

保護者の自衛処置も必要と感じてください。

再度、これらに該当する解熱剤を書いておきます。

ジクロフェナクナトリウム製剤は、商品として内服剤ではボルタレン、アデフロニック、イリナトロンなどが代表的。座薬としてはポルタレンサボ、アデフロニックスポなどが、メフェナム酸は商品名ボンタールとして販売されています。


薬剤情報     アセトアミノフエンに肝障害の副作用  2002/09/21


解熱剤として子供に対して安全と評価され、投与されているアセトアミノフェンに肝障害の副作用があると伝えられました。 (朝日新聞 020920 夕刊)

記事によれば、 アセトアミノフエンも正しく、常用量の範囲内で使用すれば副作用を起こす危険はないが、これ等を誤ると肝障害を起こす危険があると米食品医薬品局が警告を出したと解説してありました。

一医療機関で一医師の処方で投与される場合に、危険は有りませんが、患者・保護者が複数の医療機関から偶然にアセトアミノフエンを含む処方を受け取ったり、アセトアミノフエンを含む市販薬を服用して常用量を超えるアセトアミノフエンを服用すると肝障害を起こす危険があります。

解熱剤として薬局で市販される薬品以外に、総合感冒薬等に混ぜられている場合もあります。

子供の解熱が出来ない為に、指示された回数以上にアセトアミノフエンを飲ませる事への警鐘です。  


薬剤情報   2001/09/16
成分を偽ったアトピー性皮膚炎用軟膏を販売。

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療問題委員会はアトピー性皮膚炎の治療用軟膏として「ステロイド剤を含まない」と説明しながら最強レベルのステロイドを含む中国製クリームが販売されているとして,注意を呼びかけています。

販売者には薬事法違反で自主回収の指導がなされたようですが,市中には残っていることも予想されちゅういしてください。(朝日新聞01/09/16朝刊より引用)

以前からも民間療法・漢方薬には症状を悪化させるものがあると上記の委員会は注意を呼びかけていました。

このホームページでも漢方薬の副作用、漢方薬と非漢方薬を同時に服用することてでの副作用について注意を喚起していましたが再度読者も理解してください。

民間での使用、医療機関を通さずに使用された経過がありました。 漢方薬は長年の使用が先行する中で、副作用の有無・使用法・使用量・多の薬剤との相互作用等についての検討が不十分であったことが考えられます。

難治の病気で,医療機関の治療で悪化させたとの相談もありますが,主治医の説明を十分に受けて治療を進めるのが,危険の少ない治療と考えます。


薬剤情報    テオフィリンについて  2001/09/01

2001/08 に厚生労働省は薬剤テオフィリン(成分名)についての警告を追加しました。

この薬剤の副作用で成人には吐血・下血の症例が,小児には赤血球を造る機能が低下して貧血になった症例が確認されました。

小児には商品名テオドールが使用される機会が多くあります。

この系統の薬剤は喘息の治療薬として,成人には心臓疾患による循環不全の治療薬として多く使用されます。

小児の場合には喘息の治療と喘息様発作の治療薬として欠かせない薬剤です。

しかし現実を見ますと気管支炎にも多用されています。

気管支炎による喘息様発作には必要な場合もありますが,軽い発作・予防的な意味なら使用が必ずしも必要とは考えられません。

薬剤の投与は医師の裁量に委ねられ,患者・保護者が関与し難い問題もありますが,この薬剤の投与がある時には副作用・必要性を質問する勇気は持ってください。


点滴チューブから環境ホルモン    2001/07/01
先日次のような新聞記事を見ました。

『厚生労働省は、塩化ビニル製の点滴用チューブから、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)が溶けだして血中に取り込まれ、健康に影響を与える恐れがあるとして、調査・研究のために研究班を設置した。』 朝日新聞 6/30 夕刊

直ちに健康被害をもたらすとの意味ではありませんが,点滴が治療に多用される時代ですから調査の結果が待たれます。
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この HP でも書きましたが小児科の治療でも点滴は多用され,その中にはムダなものもあると見ています。

脱水の治療とされる中には保護者の努力で経口で補給が可能なケースでも実施されています。

患者・保護者も “点滴崇拝” とも云える間違った評価がされています。

必要のない治療で血中に直接環境ホルモンがばらまかれる事態は避けたいものです。


ボルタレン座薬はインフルエンザには使用しないように     2000/12/01

小児科学会はインフルエンザによる発熱の治療にはボルタレン系とポンタール系解熱剤の使用は控えるようにとの見解を発表しました。

厚生省はボルタレン系に限ってインフルエンザの悪化が予想される場合は使用を止めるようにとの指導通達をだしました。

異なる表現になっていますので【主張・提案・討論】 欄に詳細を解説しています。 必ず読んでください。 このコーナーの後にも関連記事があります。

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厚生労働省は指導の内容を一部書き換え,ボルタレン系薬剤はインフルエンザに使用しないとしました。(2001年5月)


薬の副作用について  2000/04/01
 このHP では薬の副作用について皆さんに正確に伝えることを心がけております。 今回は編集者の私見を書きました。 皆さんの意見を聞かせてください。

 副作用はマスコミ報道で知られることが多いと思います。 副作用のない薬は無いと説明しても、自分には起こらない事と他人事としか捉えられていないのではと考えるほどに無関心です。

 薬が製薬会社から医療機関に届けられる時には“添付書”(能書、使用説明書)が添えられてきます。 これは厚生省の規定に基づいて必要な情報が記載されています。

 成分、化学作用、使用量、飲み方、投与する時の医師への注意、副作用等が記載されています。

 一例としてうわさの抗インフルエンザウイルス剤の副作用・注意点についての事項を一部書き出しました。
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重大な副作用(頻度不明)
1)悪性症候群(Syndromemalin):急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがあるので、このような場合には再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
 また、投与継続中にも同様の症状の出現が報告されている。
2)視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎、角膜上皮浮腫様症状:このような症状があらわれた場合には、投与を中止し 適切な処置を行うこと。
3)心不全:このような症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
その他の副作用として次のような症状が0.1ー5%に出現した。
 幻覚、せん妄、妄想、不安、気分高揚、激越、失調、悪夢、興奮、めまい、頭痛・頭重、神経過敏、集中力障害、不随意運動(振戦等)
       (表現は一部変えています。)
小児等への投与  低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない (国内における使用経験が少ない)。
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 これが、この薬剤の負の情報の一部です。文字の強調・色づけは編集上の処理です。

 しかし、製薬会社はマスコミの取材に対し、この薬剤は『 @A型とB型のどちらにも効く A耐性ウイルスの出現率が低い B今のところ重大な副作用の報告がない。 しかも「吸入法は増殖場所の気迫に薬を直接届けるため、すぐに効き始め、全身への影響が少ない」』とコメントを付け加えております。(朝日新聞より)
 
 現実にはこのような危険情報を理解して医師は必要と判断すれば投与しています。 この薬剤に限ったことではありません。

 患者としては事実を知れば驚かれるでしょうが、この程度の危険は通常として受け入れて使用しています。

 製薬会社は副作用についての情報は医療機関に伝えてあるので法的責任は免れると考えているのでしょう。

 医師は副作用が記載されているからと使用を止めていては治療が進められないことが多いのです。

 このギャップを患者側としてはどのように考えられますか。

 小児科で処方する薬の大半に“小児への投与”として上記と同様の一項が書かれています。それでも治療に必要と判断して使用しています。

 今回このような問題を書きましたのは、次のような希望からです。
 @ 副作用の情報は知りながら、投与する医者の立場も知って欲しい。
 A マスコミに紹介される特効薬への過度の期待は持たないで欲しい。
 B 副作用への関心を強くして欲しい。

 この条件で、“抗インフルエンザウイルス剤は小児の通常の治療には現時点では使用出来ない薬剤”と考えています。

 小児科医の立場からは、多くの協力者 (患児の保護者) の理解を得て、投与実験が重ねられ、ここに書かれた以外の副作用が小児特有のものとして現れないのかを明らかにしてほしいものです。

 ここで知らせておきたい事があります。 最近欧米で使用されている医薬品の効果・評判・評価がマスコミで伝えられ、評判が先行する中で厚生省が以前のような日本での治療実験を一部省略する方法も実施されています。

 無駄な繰り返しを簡略にする事は必要ですが、健康に関する事での省略には慎重を望みたいものです。

 日本の医学界では、薬剤の副作用認定には慎重な姿勢をとり、新しい薬剤の導入には積極的な姿勢をとる流れを感じます。患者の健康の為には逆の流れと考えます。


インフルエンザ罹患時に使用する一部の解熱剤は病状を重症化させる。   掲載   2000/01/01

 非ステロイド系鎮痛解熱剤はインフルエンザ罹患時に使用すると重症合併症を誘発する危険は指摘されていましたが ( 上記 News ) 、99/12/20 に厚生省内の研究班はメフェナム酸、ジクロフェナクナトリウムが悪性化に関与している可能性が高いと、中央薬事審議会の特別部会に報告を提出されました。

 この二種の成分が含まれる解熱剤は多くの製薬会社から異なる商品名で発売されています。

 メフェナム酸としてはポンタール、ジクロフェナクナトリウムとしはボルタレンがあります。他の商品名でも多数発売されていますので詳細は主治医、調剤薬局で確認してください。

注: 中央薬事審議会は厚生省に設置された機関で、薬剤の効果・副作用の有無等を審議して使用の是非を判定しています。


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2000/01/16 に追加

 解熱剤を使用しなくて脳炎・脳症を併発して死亡あるいは後遺症を残した症例もあるので、解熱剤を原因とは決められない。 使用を強く止める必要はないとの意見が小児科医にもあります。 現在も処方されています。

 ここでは脳炎・脳症が解熱剤がただ一つの原因とは決めつけていません。 原因の一つと考えています。 アメリカでは疑いの段階で使用を止め併発を防ぐ結果を出しています。 トピックスのページ 【 インフルエンザに併発する脳炎の危険と解熱剤     99/07/01】 を参照してください。

 患者側での判断も欠かせません。    


非ステロイド系鎮痛解熱剤も急性脳症・ライ症候群を誘発する危険が指摘されています。    99/10/16

 厚生省に設置された研究班の報告書 「ライ症候群に関する調査研究」 に危険因子として関与しているのではないかと示唆しています。同研究班の調査対象では、この疾病例で多数に使用されていたことが判明し、他の調査でも多数に使用されていたことが報告されています。

 現時点では、関係者の完全な同意は得られず、アスピリンのように使用を止める通達は出されていませんが注意すべき薬剤です。

 使用を止める通達は出されていないので商品名としての情報提供は控えます。 使用されている解熱剤がこの系統に含まれるか否かの質問には回答します。


解熱剤の副作用に関する情報     99/09/16
 インフルエンザに合併する急性脳症・ライ症候群の原因になる疑いが強いために解熱剤・アスピリンとこれを含む薬剤は使用しないように、98年12月厚生省から通達が出されました。

1995年9月28日の朝日新聞夕刊ではアセトアミノフェンという解熱剤を含むカゼ薬で角膜障害を起こす心配があると報道されていました。
 このアセトアミノフェンは小児科診療の現場では副作用の少ない解熱剤として内服薬・座薬として多用されています。