育児指導の具体例 A   不安を持つ保護者へ    01

[症例] ○ 5ヶ月を過ぎていますが、反り返りが強くて困ります。

      ○ 3ヶ月の乳児ですが、抱っこの時・強く泣く時に反り返りが強くて困ります。 

 他の項で説明していますが、早い時点で解消を努力しないと、シャッフルベビーと言われる状態になったりいざり這いをする子供に育つ場合がまれにあります。

 シャッフルとは、お座りの姿勢から、脇の下を抱えて体を持ちあげると、両方の脚を前方につきだして腰は直角に曲げた姿勢のままで、空中に上がってきます。

 正しい抱き方を実行してください。 正しい抱き方については 【 運動発達 】 → [ 育児のアドバイス ] → ( 乳児の抱き方 ) を読んでください。

 うつ伏せの時間を多くしてください。 

 ヒトの体幹は部位により小さな前後への屈曲はありますが、全体としては前方への傾斜があります。 乳児期では前方への屈曲が残るのが標準です。 後屈はムリな姿勢と知ってください。

 4ヶ月を過ぎた乳児で反り返りをよく見せる乳児にも、横抱きの時間を設け、縦位置で遊ばせる時にも身体全体を前方 (腹側) に屈曲させる姿勢を長く保つ努力をしてください。 育児用品として “バウンサー” と呼ばれるベビーラックが市販されています。 この器具機能を保護者が代行してください。  保護者が床に座り、足を投げ出すか丸く組みます。 ここにベビーを座らせる姿勢です。 保護者が類似の姿勢をさせる時には保護者の手を胸と腰部に添えて、側方の保持を忘れないでください。 バウンサーの使用には賛成していません。

  この HP では六ヶ月以前に保護者がお座りをさせる行為に反対をしています。  “保護者が乳児に支えなしでお座りをさせる” は乳児にとっては受動的です。 体幹の保持能力が完成していな い乳児にはムリな姿勢です。

保護者が全身を保持してお座り姿勢を保つ行為には反対していません。 保護者が全身を保持していますから、受動的に不安定な体位を強制されません。

 ベビーカー・ベビー用イスは側方からの体幹保持の機能がありません。 水平の状態で使用するベビーカーは問題は有りませんが、傾斜をさせたベビーカーの使用には反対です。

 バウンサーは一見では側方の体位保持機能が考慮されたように見えますが、不十分です。  大半の商品で使用可能月齢を新生児から二才頃とされています。 体幹の保持が強固になる六ヶ月以前の使用には適さないと考えます。

 ここに指摘しました育児器具は、腰より上部の体幹保持が乳児本人に強制されます。  器具を使用しない時には、保護者が体幹の保持をしています。 この違いを重視してください。 

 上記の説明を知り、乳児初期から反り返りを防ぐ育児が必要です。

 この様な努力を重ねて、うつ伏せを好み、反り返りの少ないベービーに変えてください。

追加 育児器具には便利な一面もあります。 保護者には手放せない器具と映るでしょう。 しかし、乳幼児には悪影響をもたらす側面もあります。

 このHPでは育児器具を批判する説明を多く取り上げています。

 正しく使用されるなら反対意見は書きませんが、街で見かける使用法・診察室で確認する使用法・相談室で聞く使用法では間違いが多くあります。  使用する側が正確な判断をして使用するなら、利点は生かされます。

 販売する側は、販売促進で利点を強調します。 使用可能期間も長く説明しています。

 ベビーカー・ベビー用イス・バウンサーを例に取り上げていますが、これらの欠点は乳児の体幹を確実に保持出来ない点です。 この欠点を補った使用法が必要となります。

 この HP では皆さんの使用法の誤りを指摘しても、街では間違った使用法が横行しているので、育児器具の使用に反対を主張しています。

 ここに取り上げた育児器具の使用を六ヶ月以降に始め、使用に際しても保護者が介助すれば、欠点のない育児器具と認められます。

 このコーナーの全てを読まれると不安も小さくなり、改善点・努力目標も判るでしょう。

 しかし、今までの検診に不安が残る保護者、不安が解消出来なかった保護者には、セカンド・オピニオンを求めて専門医療機関の受診を勧めます。

 運動発達について信頼できる検診を望まれるなら、運動発達専門医療機関を受診してください。

 運動発達専門医療機関についてはメニューから 運動発達専門医療機関 を選んで、説明を読んでください。

 このコーナーの目次  

   紹介した事例と不安が一致した方は、まとめ のコーナーに進んでください。  → まとめ

   この事例が合わない場合には、次の紹介例から選んでください。

  @ 症例−1 反り返りが強い  A 症例−2 肘支持が遅れている  B 症例−3 お座りが出来ない  C 症例−4 手支持が出来ない・四つ這いが遅れている   D 症例−5 通過点を飛ばした発達をしている  E 症例−6 通過点を速く通過している  F 発達遅れに共通する原因

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