育児の改善・具体的な方法         kodoken_A      Undou_SMAHO  08-FUANKAISHO  Fuan_05I

 相談の多くに共通するのが、手支持が完成していない、肘支持も未完なことが多くあります。

 この様な子供を例にして説明します。

 月齢を離れて、完全と評価できる成熟度に注目し、その時点からの再スタートを基本とします。

 例として、6ヶ月は過ぎているが手支持が不完全、厳密に肘支持を観察すると肘支持も不十分と考えられる乳児を取り上げました。 保護者は肘支持は充分と判断されても、厳密な観察では不十分と判断する相談例は多くありました。

 標準の発達過程に戻す方策は、肘支持の完成・手支持の完成を目指すことにあります。 そのためには、うつ伏せ姿勢での生活時間を増やすこと、目覚めている時間帯の全てをうつ伏せで遊ばせる ことに努力します。 

 具体的には、① 目覚めている時間帯の殆どをうつ伏せ姿勢で過ごさせる  ② 上肢を伸ばして支持をしたいと欲するモチベーションを高める  に配慮した育児です。  付け加えるなら、乳児にうつ伏せを楽しませる気持ちを起こさせる努力も加えて欲しいと望みます。

 言い換えれば、五ヶ月頃 (肘支持から手支持への時期) を想定して、この時期に獲得すべき事項を充分に経験させることを目的にすべきと考えます。 肘支持も完全でない乳児・手支持が出来ない乳児の両方に有効な目的です。

 肘支持を完成させるための遊ばせ方

 保護者が傍らで遊べる時には並列で大人も寝転んで相手をします。 また頭をつきあわせる対面の位置で呼びかけをする遊びをしてください。 保護者もうつぶせの姿勢です。 四つ這い移動を見せるのも良いでしょう。  乳児の手に触れることも役立ちます。

 手支持を完成させるための遊ばせ方

 ママがキッチンで食事の準備をするとき150~200 cm 以上を離して、後でうつ伏せにし、声かけと振り返って子どもの顔を見る動作も交えて仕事をしてください。 子どもは声の聞こえる上前方を注視しようと顔を挙げます。 楽に上前方を見ようと腕を伸ばして見上げたいと望みます。  

 保護者がテーブルで作業をしている時、団欒をしている時にも、本人は床にうつ伏せにして上から声かけする様にしてください。 子どもの視線は斜め上方にするような配慮です。  離乳食を先に済ませ、保護者が食事をしたり団欒する時にも、同様です。

 ママの顔・口から見えないヒモを出して子供の頭に結びつけて引き寄せる、引き上げる気持ちです。 顔は表情の変化であり、口とは声かけです。

 この HP ではステップを飛ばしての練習を乳児にしいるのは反対をしています。 下段の注を参照

 しかし本人が自力で達成した段階に近い場所での発達推進の努力には反対しません。 例えば、手支持の獲得はほぼ完成しているが四つ這いが未完の乳児に四つ這いを促進する遊びは有効と考えています。

 屋内に階段 (4~5段で充分) があれば、階段で遊ばせてください。 “前に進みたい”・“上に登りたい” の一念で手足の動かし方を会得します。 これが四つ這いにつながります。 近くのお寺の本堂にある階段も格好の遊び場です。 階段では一段の高さが 20cm 程度ですから、つかまり立ちは阻止します。  屋内の階段は狭くて角度も急です。 安全に配慮してください。

 この遊びは、手支持が完成の直前にある乳児にも有効です。 前の石段に手を置き前進を試みる時、腕の支持力を高めます。  (この方法は手支持がほぼ完成した頃から、四つ這いを促進する手法です。)

 歩き始めた後で、歩き方が変・他の幼児と比べて転びやすい、振り返ってみると四つ這いの経験が少なかったと気づかれる場合があります。

 この様な場合にも、階段遊びは有効です。 試してください。

 

 根拠の説明

 他のページにも説明していますが、乳児の運動発達で通過するマイルストーンの順序には自然の原理として秩序があります (発達の秩序性) 。  この秩序性には順序と内容の同一が含まれます。

 ネット検索では当HP の説明がヒットしますが、他のHP にも解説されています。 多くの研究家が指摘しています。

 このコーナーの目次    次は ⑤ に進んでください。  

    アドバイスの基本方針  ② モチベーションを高める  ③ 発達の経過を再点検する  ④ 標準のルートに戻す  ⑤ 育児方の改善

  ① ~ ⑤ まで読まれた方は次に進んでください。

  飛ばしたページがあれば、ここで読み終えてください。

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