育児の全経過を点検する 不安を持つ保護者へ 03
この HP では、『確実に通過点を獲得するのが良き育児』 と説明しています。
通過点を飛ばしても、次の通過点にさしかかっている乳児の場合、「大丈夫でしょう」 と説明する医師も居りますが、このHP では賛成できない意見です。
運動発達の説明コーナーにある [一歳までの説明] の解説を少し引用します。
乳児の運動発達を長い石段にたとえました。 230段の石段があります。 23段の階段に続いて一段の奥行きの四倍の平坦部 (休憩場所)
が設けられ、この組み合わせが10回も繰り返す構造です。
平坦部を発達の マイルストーン と考え、石段を平坦部に達するための要素と考えてください。 “首座り”のマイルストーン
に達するために、骨の強化・首周辺にある筋肉の強化・靱帯の強化が要素と考えられます。
各要素を積み上げて“首座り”を獲得すると、しばらくはこの姿勢を成熟させる為に時間を費やします。 階段の平坦部です。 しばらくの成熟期間を過ぎると次の要素を獲得する石段を登ります。
この繰り返しで歩行の獲得へ進みます。
全ての マイルストーン を獲得するのには、全ての石段と平坦部を順次に経過する必要があります。 飛び越えての昇段は乳児には不可能です。
このHP
では、標準のルートを標準のスピードで進ませるのが最善と説明しています。 標準でないルートは階段横の崖部に相当するでしょう。 早いスピードは駆け足で登り始めて途中で息切れするのに当たるでしょう。
多くの通過点 (マイルストーン) が発達の指標として説明されていますが、この中でも特に重要と考える注目指標は “六ヶ月頃に完成する手支持” と “四つ這い” です。
この二項目の完全な獲得が得られるなら、後の発育は保証されたと判断できます。
“六ヶ月頃に完成する手支持” の準備として “三ヶ月頃の肘支持” にも注目してください。
相談を寄せられた保護者に、診察室で不安を訴える保護者に、 “三ヶ月頃の肘支持” ・ “六ヶ月頃に完成する手支持” を写した写真 を見せて頂くようにお願いしています。
この HP の説明に掲載していますと同様の姿勢が写されていたなら、良き発達経路を進んでいると説明できます。
“六ヶ月頃に完成する手支持” が完成していれば、四つ這いの獲得は容易と判断できます。
この様な姿勢が経験されていないなら、育児法の変更が必要と考えます。
五ヶ月を過ぎた乳児で、左側の姿勢は可能ですか。
八ヶ月を過ぎた乳児で、右側の姿勢は可能ですか。
指標の獲得が少しは遅れても、すぐに不安を感じる必要はないでしょう。
標準と説明されている時期を二ヶ月も遅れるなら、医療機関での検診を準備してください。
三ヶ月も遅れるなら、急いで医療機関に相談してください。
五ヶ月時になっても “三ヶ月頃の肘支持” が未完成、八ヶ月時になっても “六ヶ月頃に完成する手支持” が未完成なら受診を検討してください。
このコーナーの目次 次は C に進んでください。
@ アドバイスの基本方針 A モチベーションを高める B 発達の経過を再点検する C 標準のルートに戻す D 育児方の改善
*管理用データー 08-FUANKAISHO_Cource Fuan_03_tenken