【 乳幼児の運動発達 4】  育児へのアドバイスと注意  ( in 子供の健康 ) 10

     I 四つ這い・乳児の移動法の発達   (39)

   運動発達のコーナーで説明している発達経路を順調に進める育児法をアドバイスします。

    完全・全てを網羅した注意ではありません。 最小の注意と受け取ってください。 

 上肢の支持機能が完成すると、“四つ這い” の時期になります。

 “四つ這い” を正しく理解するための解説です。

 乳児の移動の説明で ‘ハイハイ’・‘ずり這い’・‘いざり這い (いざり移動)’・‘たか這い’  等の用語も使われます。

  ‘ハイハイ’  を上に書きました  “這う”  の総称として使用されることが多いようです。

 最初に “四つ這い” の正しい形を説明します。 辞書等にも書かれる正確な姿勢を知ってください。

 四つ這いとは、お腹を床から上に離し、手と膝を床に接地して移動する方法です。

 ずり這いとは、お腹で床をこすりながら手足の力で移動する方法です。 イモムシの如きです。

 いざり這いとは、足を投げ出した姿勢のままで足の力でいどうする方法です。

 この中には賛同できない移動も含まれます。  一時的にこの移動をしても、最後には四つ這いをするのが標準です。

  ‘いざり這い’ と ‘たか這い’ で終わるなら、賛同できない発育と考えます。 病気・異常との指摘ではありません。 ‘いざり這い’ と ‘たか這い’  経過して正常に歩ける子供は大勢居ります。

  保護者が乳児の移動について説明する時には、分類された方法で表現する習慣が必要です。 正しく説明して適切な指導を得る努力をしてください。

 次に、四つ這いの意義を説明します。

 乳児が移動したいと考える欲望は離れた場所にある “物” をつかみたいと思う気持ちです。 欲望です。

  “物” はオモチャに限りません。 小さな家具から大人なら気に掛けない室内の小さな物品です。

 室内を雑多に散らかせていると、手を伸ばすだけで何かに触れることが出来ます。

 室内が雑多になっていると乳児に「移動して触りたい」との欲望が起こらず、移動運動が遅れます。

 移動法の発達順序は “寝返り” から始まり、腹這い姿勢になっての接近、“四つ這い”、“つかまり立ち”、“伝い歩き”、“一人歩き” と進歩します。

 移動の進歩は  “より速く” ・ “より簡単に”  の実践です。

  ‘四つ這い’ 完成させてシッカリと経験することは後の発育に役立ちます。

  ‘四つ這い’ を確実に体験させる育児は標準と理解してください。

 運動発達を熟知しない小児科医は四つ這いの意義を認めずに軽視しています。 「四つ這いを経験しなくても問題ナシ」 とする無謀な解説もあります。

 診察室では ‘いざり這い’ と ‘たか這い’ を経過している子供を 「おかしい」 とは云えないので追認している小児科医も存在します。 つまり、妥協して「大丈夫です」と云っています。

 “寝返り”   “腹這い”    “四つ這い”    “つかまり立ち”   “伝い歩き”  → “一人歩き”  を理想的な経路と考えてください。

コーナーの目次     次に J へ進んでください。

 @ 最初の注意  A 発達の不具合  B 標準コースを外れる   C 乳児の抱き方     D うつ伏せで遊ばせましょう  

  E ベビーカーの背もたれ     F 四ヶ月まで立て抱きは止めましょう        G 育児器具の評価   

  H ピョンピョンさせないで   I 四つ這いについて    J プログは無益

 

    管理データー  04-IKUJIADVICE  Ikuji_10