【 乳幼児の運動発達 4】 手の機能発達 微細運動・巧緻運動の発達  02

      A 運動発達 手の機能開発 1 腕の屈伸と手の開閉

手の機能を成熟した発達に導くためには乳児期に手指の伸展  (手を開く)  が重要なことです。

‘握る’は出生直後に可能です。 正確に言えば出生直後の乳児は手を握った状態です。 手を開かせて手中にエンピツを置いて自由にさせると ‘握った’状態になります。 先に書いた ‘握る’ は ‘握らされた’ 状態です。

ヒトの機能として ‘握る’‘離す’‘持ち替える’ の三運動が重要です。

乳児にこれらの機能を獲得させるために、最初に必要な段階は ‘離す’ になります。  手を開かせることです。

ここで少し保護者でテストをしてください。

目をつぶって両手を前方に伸ばしてください。 小学生が手を伸ばして一列に並んだ姿勢です。

ゆっくりと力まず、無心で手を胸の方に曲げてください。 胸の方に引き寄せる運動です。

この動作を数回繰り返してください。

次に目を開いて同じ運動を繰り返して、手の状態を観察してください。

腕を伸ばしたときには手は開き、腕を曲げたときには手は軽く握った状態になることが観察できるはずです。

二ヶ月頃からうつ伏せの姿勢を取り込んで欲しいと書いています。 【運動発達のコーナー 参照】

仰向けで寝させておくと、腕は胸の方に屈曲し手は握った状態です。

うつ伏せの姿勢を取り入れた育児を続けますと腕を伸ばせる姿勢が早く獲得できます。 同時に手を開く状態も誘発できます。

“手を開かせる” 言い換えれば、 ‘離す’ 機能の誘発を教えているのです。

“手の器用” を誘発しているのは 全身の姿勢・運動発達と関係している こと を知ってください。

これが、手の器用な子供を育てる第一歩です。

◎ 二ヶ月頃からうつ伏せの姿勢を実行してください。 上肢の支持力誘発と手を開かせる目的です。

手指の機能発達の説明 目次      B に進んでください。

 @ “握り” の発達と成熟    A 手の機能開発 1 腕の屈 伸と手の開閉    B 手の機能開発 2 ‘摘む’ 機能   

C 自然な ‘摘み運動’    D ‘ねじる’運動も重要    E 手・手指の機能を成熟させる努力    

   上の解説を実践する方法は [ 育児で活用できるアイデア ] で説明しています。

 

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