粗大運動の説明 H 運動発達と筋肉靱帯 (運動器) の成熟 (09)
発達の指標とされる運動の獲得を早めることは不可能です。 【首座り】,【寝返り】・・・を保護者の希望で早めることは不可能です。
ヒトの立位保持と二足歩行に必要な筋肉・靱帯の成熟・強化は一定の順序で時間の経過に従って
(自然のテンポで) 進行します。発達の指標とされる運動の獲得の時期とその時点に必要な筋肉・靱帯強化は平行して進みます。
発達に配慮した育児を実行しますと、上の状況が自然と獲得できます。
逆に注意点を無視した育児を進めますと、指標を飛び越えた経過をたどることが多くなります。
【首座り】,【寝返り】,【四つ這い】,【お座り】,【つかまり立ち】,【一人歩き】
の順序を変えての発達は不合理です。 各々の運動を構成する要素は以前に獲得した運動の要素を活用し,新しい要素を加えて完成します。
乳児には各運動
( 寝返り 等の通過点 )
を十分に経験させて次の運動を獲得する準備をさせる必要があります。
治療として専門の治療士が発達を促進する場合を除き,運動の獲得を早めることは不可能です。
しかし乳児が一つの運動を獲得する時に,これを巧く・十分にマスター出来るように援助することは可能であり,援助が必要な場合があります。
指標となる運動を獲得できる準備を整へる段階で,獲得を不可能にすることはあります。 例えば早くから座位に慣れさせ,離れたオモチャを取りたいとする希望を持たさないようにすると
( 移動しなくてもよいようにオモチャを周囲に多く配置する ),移動の手段である寝返りと四つ這いが遅れることにはよく出会います。
【寝返り】,【四つ這い】 を経験せずに 【つかまり立ち】,【一人歩き】 へ進む子供もおります。 この子供を異常・病気とは断定はしません。
色々な意味を込めて健康的な発達を求めるなら,ここに書き出した指標の全てを順序よく経験することが必要と考えています。
幼児期に,転びやすい,つま先歩きが気になると言った事を予防するためにも知って欲しい知識と考えています。
保護者の努力を十分にしても異なる経過をたどろうとする乳児もおります。 この子達にも通常の経過をたどらせようとする努力は必要と考えます。
標準の発達ルートを進ませる為の育児での留意点を [ 育児のアドバイス ] に解説しています。
粗大運動の説明 目次 次は I を読んでください。
@ 発達の指標 A 首座り B うつ伏せ C 手の支持 D 寝返り E ハイハイの表現はダメ F お座り
G いざり這いはダメ H 運動器の成熟 I 発達の検査機器 J 発達の診断と評価 K 発達の診療機関
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