粗大運動  @ 発達の指標   (01)

乳児の運動発達の度合いを評価する指標として【首座り】, 【寝返り】,【四つ這い】,【お座り】,【つかまり立ち】,【一人歩き】が使われています。

  運動とは本来自力で出来る事であり,他の助けを得て出来る事は対象としていません。

  【首座り】,【寝返り】,【四つ這い】,【つかまり立ち】。 この順序は長い進化の中で固定されています。

  最初に書きました指標の順序に疑問を感じませんか。 【お座り】が【四つばい】の後に書かれています。 皆さんの記憶では逆になっているでしょう。 時期としては 【お座り】 は6ヶ月 、【四つばい】は 8 から 9 ヶ月と記憶されているはずです。

  この【お座り】の意味に誤解を生じています。 “運動” の意味を正確にして,自力で出来るものとしての 【お座り】 言い換えれば,【寝ころんだ状態から独りでお座りの姿勢になれる】 が出来るのは10ヶ月になります。

  最後に繰り返しておきます。乳児が独力で出来る運動を指標にするなら,正確な順序は【首座り】, 【寝返り】,【四つ這い】,【お座り】,【つかまり立ち】,【一人歩き】として記憶してください。

  これらの運動を分析しますと,各運動には一つ前の運動要素が必ず組み込まれています。 この要素を欠いて次の運動の完成はあり得ないのです。 前の運動が未完成でありながら次の運動が獲得出来ているように見える場合は,それは通常の運動とは異なるものと判断しなくてはなりません。

  検診で,例示した四つの運動の獲得順序が違っても,あるいは未経験で次に跳んでも後の運動が獲得出来れば良いと説明されることもあります。 この考え方には賛成出来ません。

  上に書きましたように、これらの運動は無秩序に完成するものでもありません。機能の完成の順番を正確に理解する事が必要です。

  各指標の獲得時期については標準が説明されています。 この獲得時期はあくまでも、目安であって、絶対的なものではないということも理解してください。

  さらに、個人差もあり、それぞれの獲得時期には違いが生じます。標準からの遅れを直ちに病的と判断は出来ませんが、3ヶ月以上の遅れはについては,専門医療機関での診察が必要になることもあります。

 

 上の説明と違う角度で乳児期の成熟を観察しましょう。 乳児の姿勢の変化です。

 乳児の運動発達の経過として “首座り”→ “寝返り”→ “四つ這い”→ “お座り”→ “つかまり立ち”→ “ひとり歩き”を経過します。

 この経過を姿勢の変遷として捕らえますと、 仰向け姿勢” → “うつ伏せ姿勢 (受動で)” →  肘支持” → “手支持” → “うつ伏せ姿勢 (能動的に)” → “四つ這い” → “つかまり立ち” → “ひとり歩き” と変遷します。

 “寝返り” は “手支持” → “うつ伏せ姿勢” に、“四つ這い” は  “能動的なうつ伏せ姿勢” → “つかまり立ち” に必要な運動です。 欠かせない運動です。

 育児の仕方によっては、この変遷を助けることもあれば、阻害することにもなります。

 保護者には一年間の発達経過を異なる角度で見た説明を理解して、乳児がこの変化を確実に獲得する援助が必要になります。

 最初のうつ伏せ姿勢は保護者が乳児にさせる変化です。 乳児から見れば受動的、「強制された姿勢の変化」 です。 この最初の姿勢変化 (強制された) は後の成熟に必要なスタートです。 この話題については [うつ伏せ姿勢は必要] で説明しています。

 標準の発達ルートを進ませる為の育児での留意点を [ E 育児のアドバイス ] に解説しています。

粗大運動の説明  目次      次は A を読んでください。 

@ 発達の指標  A 首座り  B うつ伏せ  C 手の支持  D 寝返り  E ハイハイの表現はダメ  F お座り

G いざり這いはダメ  H 運動器の成熟  I 発達の検査機器  J 発達の診断と評価  K 発達の診療機関

 

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