ワクチンの本態    基本説明-B ワクチンの学術的な概略説明

 先のコーナーでは接種法等の説明をしました。 ここではワクチンの学術的な説明を行っています。

 他のワクチンと違い、子宮頸がんワクチンは保護者に学術的な説明を理解しておいて欲しいと望みます。

 ワクチン接種は自己責任で受けるものです。 本態を知らずに自己判断は不可能です。 本態を知らないに自己判断は危険です。

 子宮頸がんワクチンぱ副反応が多いと報道されています。 

発癌性HPVの感染から癌化への課程 子宮頸がんの本態を簡潔に・的確に解説されています。  (引用 ジャパンワクチン株式会社 グラクソ・スミスクライン株式会社 HP)

 

 発癌性HPV の感染が持続すると、そのごく一部が浸潤癌へ進行すると考えられています。


 発癌性HPVの感染は、性交渉のある女性であればありふれたものであり、誰でも感染の可能性があります。 しかし発癌性HPVに感染しても、ほとんどの場合感染は一過性で、ウイルスは自然に体の外へ排除されてしまいます。 しかしウイルスが排除されずに長期間感染が続くと(持続感染)、ごく一部のケ-スで子宮頸部上皮内種癌(CIN:cervical intraepithelial neoplasma)となり、さらにその一部が約10年の期間をかけて浸潤癌になると考えられます。 

 

 CINは、細胞診ではLSILやHSILと診断される、前癌病変の状態です。

 
 したがって、子宮頸癌は、癌になる前の前癌病変を発見し、治療して浸潤癌への進行を防ぐことが可能な期間が約10年間存在するともいえます。

 

 ハイリスク型HPVに感染しても90%以上は体内から自然消失するため、子宮頸がんに進展するのはごくわずかです。全世界で毎年3億人の女性から子宮頸部へのHPV感染がみつかると仮定した場合、そのうちの約0.15%が子宮頸がんを発症すると推定されています。


 ただし、子宮頸がんになるまでには、通常、数年~十数年と長い時間がかかるので、定期的な子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態(前がん病変)を発見し、治療することが可能です。

 ワクチンメーカーが作成している HP に書かれた説明です。 信頼できる説明です。 HP として公表されている解説です。 許諾なしで引用しています。 

ヒトパピローマウィルス (HPV)  について 

 ヒトパピローマウィルス (HPV)  の感染が子宮頸がん発症の要因です。 この HPV に属するウィルスは100種以上が確認され、発がん性を持つ種は30種前後とされています。

 HPVは子宮頸がんのほかに皮膚に感染してイボを発症させます。 このためにHPVは、皮膚型 60 種と粘膜型型 40種に分類されます。 皮膚型HPV の一型は尖圭コンジローマ(ボの一種で外陰部に出来ます)の原因となります。 HPV には番号を付けて識別されています。

 粘膜型HPVは、発がん性の強さで分けると、高リスク群には20種近くが、低リスク群には10種以上が、確認されています。

 発がん性を持つ HPV の中で 16型 18型のウィルスが日本人女性で 50%、西欧で 70%を占めると報告されています。

 感染は性交渉が機会とする説明が多くあります。 他方で、性交渉以外からの感染があるとの説明もあります。 いずれにしても、ウィルスは常在していると考えられます。

現在使用されているワクチンの説明

 子宮頸がんにはウィルス感染が強く感染していると証明された以降には、ワクチンの開発が進められました。 外国の製薬メーカーが開発に成功しました。 外国の疫学調査では高リスク粘膜型HPVの中でも二種の HPV(16 18)が 70パーセントをしめることが判明しました。 この結果をもとに、二種のウィルスを対象にするワクチンが開発されました。 2006年に欧米で使用が許可されました。  30% は対象外となります。

 一方、日本では この二種のウィルスは患者の 50.1% と厚労省資料には記されています。 他の調査は 43.8 % 58.8% と二種の報告がありました。 プライバシーヘが強く関与する調査ですから、調査の回数と対象者が限られて、数値の巾が広くなっています。 → この後、HP の説明に数値の検討を行いますが主に厚労省採用データー (50.1%)を使用します。

 日本では外国で開発された二種類のワクチンが使用可能(2009年10月)となっています。 商品名でサーバリックスとガーダシルです。 サーバリックスには粘膜型HPVの二種(16 18)、ガーダシルには粘膜型HPVの二種と皮膚型HPVの二種に対応するワクチン種が含有されています。  

 接種されているワクチンは発がん性のある 高リスク群 HPV の二種に効果があるのみです。 他の高リスク群 HPV と低リスク群 HPV は対象から外されています。 外国で 30%、日本で 49.9% (56.2%) の HPV が対象から除外されています。 この数値はワクチンの効果判定に強く関連しています。 → 日本でも海外メーカーのワクチンがそのまま使用されています。  

子宮頸がんワクチン と 他のワクチン の違い

 自己判断の作業の前にもう一度、ワクチンの作用を復習してください。 他のワクチン (たとえばハシカワクチン) と違っているのです。

 空気が通過するパイプが付けられた箱を想像してください。 (左図)  パイプには物が通過するのを阻止する赤いフィルターをはめ込めるように作られています。 (右図)

 箱は人体を、フイルターはワクチン接種で作られる抗体を意味しています。

 ワクチン接種を受けると人体の入り口にフィルター (抗体) が作られて病気を防ぎます。

 ハシカワクチンは麻疹ウィルスという一種類のウィルスが原因となります。 一枚のフィルターで効果があります。 

 しかし子宮頸がんは約 100種類のウィルスが関与しています。 研究調査ではこの中で 20種が強く、10種が弱く影響しているとされています。

 子宮頸がんワクチンの効果を発揮させるためには 100 枚のフィルターが必要です。 研究調査を信じても 30 枚のフィルターが必要です。 しかし、使用されているワクチンには二枚のフィルターと四枚のフィルターを持つ二種のワクチンがあります。  複数枚のフィルターを重ねて使用します。

 がん発症に関係するウィルスがフィルターに阻止されずに通過しているのです。

ワクチンの効果

 ワクチンの効果は発病阻止率で表現されます。 抗体産生率と抗体の持続期間がポイントです。

 子宮頸がんワクチンは発売されて期間は短いので “抗体の持続期間” は今後の調査に任せられています。

 現時点で、16-型・18-型HPV への抗体価産生率は高値と報告されています。 しかし他の型は対象とされていないので、総体としては 50% を超えることはあり得ません。

 女性の平均余命・抗体産生率と抗体の持続期間を検討して 『ワクチン接種を受けても、二年に一回のがん検診 (細胞検診) を受けないとがん発症の危険は残る』 とされています。

子宮頸がんワクチンの副作用・症状と発生率の説明

  専門家・研究者は “副反応” の用語を使用しますが、一般人が使用する副作用も同意です。

 ワクチンに副反応が存在するのは防げません。 ワクチンの効果が大きく、副作用が軽微と判断される時に使用されます。 軽微な副作用は納得するものとして扱はれます。 

 子宮頸がんワクチンの副反応は、軽度のものと重篤なものとに分類して検討されています。

 軽度な副反応作用としては、発熱、接種部位の痛み・腫れ、注射の痛み・恐怖による失神があります。 これらの症状は接種後の短時間・短時日に見られ、後遺症として後に悪影響を残さないと考えてもよいでしょう。

 副作用としては、次の様な病気として集計されています。 

   症状の種類  症状の説明   副作用・報告頻度  換算値・ 860 万回当たり
  ①  アナヒィラキシー   重いアレルギー   約 96 万回に1 回     8.96
 ②   ギラン・バレー症候群   手足の抹消神経障害    430万接種に1       
 ③    急性散在性脳脊髄炎  神経の病気     430万接種に1     
 ④    複合性局所疼痛症候群  慢性の痛みを生ずる原因不明の病気    約860万接種に1      

    数値は厚労省HP 子宮頸がん予防ワクチン・Q&A より引用  Q-18 に記載された説明を表に作成

     http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

 表の青地欄はHP・子供の健康 で書き加えました。 症状別に分母が異なるので、分母を 860 万回 に統一しました。

 換算結果から、① ② ③ ④ を合算すると、860万接種に対して 14 回の発症となります。 100万接種に換算すると 1.6 回になります。

 この集計には大きな疑義 (ごまかしとも言える) があります。 “約 860万回” と書かれています。 人数ではありません。 子宮頸がんワクチンは一人に複数回の接種が必要です。 接種者数に対しての発生数を表示する必要があります。 学術的には正しい記述であっても、一般人に誤解を招かない配慮を欠いています。

 NHK の解説 (2013/06/19) では “これまでに接種したのは328万人以上” と記されています。 上記の副作用集計が実施されて日は判明していません。 厚労省が接種を指示したのは 2013年6月です。

 同時期の調査と考えて、“約860万回” を “328万人” と読み替えます。 正しい数値が判明すれば書き換えます。

 子宮頸がんワクチンは三回の接種が必要です。 “860万回” を NHK 集計人数に置き換えます。 勿論、推計です。

 厚労省が公表している他の資料にも、子宮頸がんワクチンの副作用を集計結果が記載されています。 他のワクチンの副作用発生率も記載されています。  100 万回接種当たりの発生率比較です。 

 厚労省公表の資料から引用しています。  

    http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034g8f-att/2r98520000034hsc_1.pdf

ワクチンの種類       集計期間   副作用発生率   重い副作用発生率
子宮頸がん
  サーバリックス
平成21年12月発売 ~ 25/03/21   245.1 回     43.3
子宮頸がん
  ガーダシル
平成23年3月発売 ~ 25/03/21   158.7     33.2
Hib 平成20年12月発売 ~ 25/03/21    63.8     22.4
小児用肺炎球菌 平成22年2月発売 ~ 25/03/21    89.1     27.5
日本脳炎 平成24年11月発売 ~ 25/03/21    67.4     25.7
インフルエンザ 平成24年10月発売 ~ 25/03/21     7.5      2.3

 他のワクチンの副作用発生率と比較して、子宮頸がんワクチンの発生率が高くなっている集計に注目してください。

 厚労省HP・Q&A からの試算では 100万回当たりの副作用発生率は 1.6 となりました。 この表で子宮頸がんワクチンは二種で区分して集計されています。 実際の接種人数は集計されていません。 ここからはサーバリックスに限って試算します。

 厚労省HP・Q&A では副作用を軽症と重症に分類されていません。 この表にはサーバリックスの副作用は 100万回接種当たり 245.1 回と記載されています。 1.6 と 245.1 この差異は大きすぎますますが、試算を続けます。

 100 万回の接種は 26 万人への接種と推計されます。  (先に説明、  860 万回 は 328 万人に相当)

 26 万人で 245.1 回 は 1080人に一回に相当します。 重症に限っての試算では 6005 人に一回の重症副作用が発生しています。

この表から試算した数値の大きさと共に、厚労省HP と厚労省資料の数値の差異に驚きます。 

 厚労省HP も 厚労省資料 もネットに公開され、自由に閲覧できます。 しかし、一般の人には後者の情報は閲覧機会が少ないと予想されます。 一般の人が容易に閲覧する厚労省HP では数値を低くし、厚労省資料の数値は大きくなっています。 どのような意図があるのか、読者の推測に委ねます。

 日本感染症学会が開いた市民公開講座(2014/11/24)で、“重い有害事象の報告は10万接種あたり2件ぐらい” との説明がされていたとの報道もありました。 当 HP の計算した数値(100 万回に 1.6)の 12.5 倍となります。 接種者数で換算すると1.9万人に1人が副作用を発症している事になります。

 以上の説明をまとめておきます。

 ◎ 現在のワクチンは HPV-16型と HPV-18型が対象とされている。 感染阻止の可能性は 50パーセントと考えられる。  

 ◎ HPVワクチンを接種した集団において子宮頸がんが減少するという効果が期待されるものの、実際に達成されたという証拠は未だ無ない (注参照) ことから、現時点では、罹患率・死亡率の減少効果が確認されている細胞診による子宮頸がん検診を適正な体制で行うべきである。

 ◎ 厚労省公表の調査では、26万人の接種に対して 245.1 回の副作用が発生しています。 このうち重症は 43.3 回になります。 (公表された数値から、当HP で換算してあります)

 この説明はワクチンのメリットでもデメリットでもありません。 がんを減少させる成果が確認出来るのは約70年後になります。 減少の最大数は 50% 以内になることは判明しています。

 この説明を理解して、ワクチン接種について自己判断してください。

 

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