論説・解説・主張  【評論】 インフルエンザ・ワクチンの評価概論  03/12/01
 

 インフルエンザは例年冬には流行し避けられない事態です。

 夏を過ぎると医療機関ではインフルエンザの予防接種を呼びかけるポスターが掲示されます。

 予防接種には賛否両論があります。

 予防接種がピークを過ぎた 03/11月に朝日新聞にインフルエンザの解説記事が掲載されました。

 小児への予防接種について専門家は 『 子どもの予防接種の有効率は、昨冬までの3シーズンで2040%で、1歳未満に限ると有効性は認められない』 と説明しています。

 他の専門家は 『今のワクチンは子どもにとってはぎりぎり合格の60点』  と評価しています。

 記事では、多くの専門家が接種を勧める理由として、『本人への予防効果からだけではない。家族-特に発病すると重症化しやすい高齢者への感染の危険性を減らすという狙いがある』 と報告しています。(03/11/01 朝日新聞 朝刊)

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 小児の場合、インフルエンザ感染に合併する脳症の危険が保護者に知られています。

 何としてもインフルエンザ感染を予防したい、感染予防に接種を検討したいと考えられるでしょう。

 朝日新聞の特集記事には 『 インフルエンザワクチンに脳症の予防効果は認められていない。とはいえ、ワクチン接種でインフルエンザにかかる危険をある程度は減らせる』  とも書かれていました。 (03/11/16 朝日新聞 朝刊)

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 03/11/19 の朝刊には心配な記事がありました。

 インフルエンザ・ワクチンには保存剤として有機水銀化合物のチメロサールが含まれてい。

 このチメロサールに含まれるエチル水銀は、水俣病などで問題となったメチル水銀と比べると毒性は低いようです。

 問題は、乳幼児が受ける予防接種の本数が増えた

 90年代の米国で自閉症の症状が現れる乳幼児が増えて関連が疑われたことです。

 この疑いが解消されないので、米政府や世界保健機関(WHO)も、ワクチンからチメロサールを除くよう指導しています。

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 今年の予防接種を勧めるキャンペーンで説明される内容に疑問を感じませんか。

 夏前に東南アジアで流行した新型肺炎

 SARSの流行が冬に再流行する心配があります。

 インフルエンザと新型肺炎SARSの症状が類似していて診断が困難な為に、見分ける為に予防接種を受けて欲しいとの奨励です。

 インフルエンザと新型肺炎SARSの診断法を確立する努力が先で、小児の新型肺炎SARS感染率も考慮すると賛成できない奨励です。

 本末転倒・主目的からの逸脱と指摘します。

 2003年11月末には SARS を短時間に診断できる検査キットが開発されたとの報道がありました。これが本来の対策と評価できます。

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 今年、子どもにインフルエンザ・ワクチンを接種された保護者に質問します。

 これらの事実を接種前に知らされていたら接種を受けましたか。

 接種を勧めた医師から、これらの事実を知らされていましたか。

 来年の接種の時期にはこの事実を思い出して下さい。

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 この解説には朝日新聞記事を引用しました。

 記事を正確に理解するためには、元の記事を読んでください。

 これらの記事に書かれている内容は数年前に判っていた事実で、本年に判った新事実ではありません。

 このコーナーの後にも、【解説】 “インフルエンザワクチン有効のニュース” について ( 2001/04/01) として記載しています。

 今になって接種を残念と考えるなら勉強不足でしょう。

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