論説・解説・主張  【主張と評論】 インフルワクチンの有効性についての疑義  2004/12/01
 

  2004/10/30 日本小児科学会は厚労省にインフルエンザワクチンについての意見を届けています。

 乳幼児(6歳未満)に対するインフルエンザワクチン接種について  (小児科学会の見解から)

 わが国では、1歳以上6歳未満の乳児については、インフルエンザによる合併症のリスクを鑑み、有効率20-30%であることを説明したうえで任意接種としてワクチン接種を推奨することが現段階で適切な方向であると考える。


  その根拠としたものは、厚生科学研究費補助金で行われた研究調査「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究」の報告である。
研究班の報告には、
 1) 1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかった。
 2) 1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20-30%となり、接種の意義は認められた。
 とまとめられている。
 (以下は省略。引用部分も一部書き換えてあります。)


 研究調査では [一歳未満児では有効性は認められなかった]・[一歳 ~ 六歳の小児でも有効率は 20~30%の低率であった]。

 調査実施者はこの結果から『小児へのインフルエンザワクチンの接種は予防効果が期待できる』と結論を出しています。

 調査結果として書かれている 『

 1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20-30%』 についての判断を皆さんに任せます。 少し加えるなら、解熱剤の効果より低いのです。

 医学データーの判断には迷われるでしょう。判断の喩えとして 『はしかワクチンの効果は2030% でした』 と教えられて迷わずに接種を希望されますか。

 もう一点はインフルエンザに罹患した幼児に見られるインフルエンザ脳症との関連についても小児科学会は言及しています。

 『インフルエンザ脳症の発現率を減少させるかどうかについては、「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療および予防方法の確立に関する研究」の成績(中間報告)では脳症患者とインフルエンザ罹患者の間でワクチン接種率に有意な差はなかったとしており、この段階ではインフルエンザ脳症の阻止という点でのインフルエンザワクチンの有効性は低いと考えられる。』  と述べています。

 このHPはこの調査結果から『接種の効果は低い』と考えます。

 小児科学会の結論は異なりますが、根拠となる調査結果を知らせて皆さんの判断に委ねます。

 小児科学会の結論も ‘保護者に有効率は 20~30% である’ことを説明し ‘任意接種を奨める’として、強く推奨していない文言を読みとってください。  書き換えるなら 「保護者の自己判断で決めてください」 と消極的です。

 ワクチン接種を奨める意見・診療所も多くありますが、有効率が20~30% を説明している関係者が少ないのが現実です。

  「接種を受けた100人の中で最大30人の子供に限って予防が可能」 と聞いても、ワクチン接種を受けますか。

 (小児科学会の意見は小児科学会HPで皆さんも閲覧できます。) 

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