論説・解説・主張  【医療談義】 医療の説明とオドカシ  2010/01/01
 

 変なタイトルになりました。

 HP 読者から 「医師の説明がオドカシの様に聞こえます」 と、不満の意見が届きました。

 「直ぐに治療しないと××になる」 ・ 「ひどい場合には××になる」 等の説明です。

 確かに、診察室で医師から聞かれる説明に “オドカシ”  とも受け取れる内容が含まれます。

 通常に出会う風邪・腸炎等で詳しい説明を聞かれることは少ないでしょうが、緊急に総合病院に入院が必要な病気・手術を要する病気ではよくあります。 

  「ドキッとした」 との気持ちを持たれた経験があるのでしょう。

 治療の必要性を説明する時には、完全な治癒を願って医師は危険情報も伝えておきたいと考えます。

 治療に最大の努力を払って欲しいとの願いを込めています。 得てしてこの気持ちが強く出て “オドカシ” と受け取られているようです。

 奨める治療を実行して欲しいとの強い望も込めています。

 “確実に伝える” が “オドカシ” に聞こえるのは困ります。 詳細に伝え、正確に理解をしてもらう努力が医師側に必要と反省します。  

 病気に関する全ての情報 (良い情報も、悪い情報も) を聞き取って欲しいと望みます。

 危険情報を省いた説明で、治療を中断する患者・保護者に出会った経験があります。 

 このHPは育児をされている保護者に向けて発信しています。 医療人への発信ではありません。 ここでは、保護者の皆さんへのお願いとして続けます。

 共通の病気の子供を持たれた保護者が集まって “○○病の親の会” を設け、HPを発行されていることがあります。 治療に時間がかかったり、治療の難しい病気によくあります。

 HPを覗きますと、「長期の入院を子供にさせたくない」 ・ 「子供に治療の苦しみを経験させたくない」 との気持ちで治療を中断したとの経験談に出会います。 中断によって病気の治療が巧く進まなかったとの経験も追加されています。

 一例ですが、“オドカシ” の無い説明を聞かれたようです。 言い換えれば、詳細な説明ではなかったようです。

 保護者が “治療に時間のかかる病気” ・ “始めて聞く病気” ・ “治療の難しい病気” 等の場合には、治療の開始から治癒までの予測を詳しく聞く努力を払ってください。

 医師側の改善も必要ですが、治療が中断されるのは、子供に不幸です。

 確実に “治癒” に至る経過の説明を聞いてください。

 セカンドオピニオンを聞かれるのも良い方法です。   

 TVの病気解説でも “オドカシ” と思える番組があります。 不特定多数を対象とし、病気の当事者で無い人への解説番組のタイトルとしては不適切と考えます。 医師の行為とは別と理解してください。

 保護者から寄せられた意見、最初の治療を充分に受けずに後日に大手術が必要になった 事例を聞いてこの記事を書きました。 

 昨年の新型インフルのマスコミ解説・マスコミ情報、行政の情報にも過大 (オドカシ) と云える内容が含まれていたと考えます。

 インフル感染を少なくし、流行を小さくする努力は必要ですが、“オドカシ” で協力を喚起することには反対です。

    参照 新型インフルで知って欲しい情報 

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