論説・解説・主張 | 【編集者の雑念】 原発事故と森永ヒ素ミルク事件 | 2011/10/10 |
『森永乳業徳島工場が 2011年9月30日、閉鎖された』 と報じられました。1955年に森永乳業徳島工場で製造されたミルクを飲んだ乳児に食中毒が発症しました。 当時に、乳児 130人が死亡し、1万3千人に健康被害が出ました。 事件発生から数年で原因は粉ミルクの製造過程でヒ素が混入されたと究明されました。1956年、当時の厚生省は「中毒症状を現した乳児は1200人あまり、死亡した乳児は130名」と発表しました。 この当時、小児科学会の専門家を含めて厚生省に委員会が設置され『後遺症は心配する必要が無い』と公表していました。 1969年に患者家族・養護教員・保健婦の追跡調査で多数の後遺症患者が苦しんでいる事実が判明しました。 後遺症として脳性麻痺・知的発達障碍・てんかん・脳波異常・精神疾患等の重複障害が認められました。 非常に重篤な症状でした。 この事件の発生直後には専門家が『後遺症は無い』と発言した事態が、後年に『後遺症は存在した』と認めることになりました。 福島原発事故でも「健康に被害をおよぼす心配はすくない」と専門家は解説しています。 森永ヒ素ミルク事件と重ね合わせると、専門家の解説を率直に受け入れられないと考えます。 放射能漏れで「健康への影響は心配ない」と説明されますが、福島県では 0~18才の全県民 (震災当日) に甲状腺検査を実施し、今後にも一生涯に定期的な検査を実施すると決めています。 健康管理のために一生涯の検査が必要とされる事態は、健康被害に同等と考えます。『森永乳業徳島工場が 30日、閉鎖した』 とのニュースに接しての感想です。 |
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