【 乳幼児の運動発達 】 運動の発達の説明 KAISETSU_000SP-G_bukiyo
【不器用の原因】 不器用の原因を乳児の運動発達の面から探りました。
このHPでも随所で触れていますが、“器用” を得るためには練習・経験も必要でしょう。
しかし、土台として乳児期の運動発達を 100% に達成させる育児努力が必要と考えています。
器用を獲得できる 手指と身体 の準備が必要となります。
出生直後に体幹・四肢の構造は準備できていますが、成長 (運動発達) に沿って各部位の成熟と機能の獲得が順次に完成してゆきます。 各部位の機能が完成した後に、練習で器用な運動が得られます。
このページの解説を理解してください。
乳児期の姿勢の成熟
胎児の姿勢は家庭医学書等で図示されています。
頭から股関節までを腹側に丸くして丸まっています。 腰・膝を曲げて腹に近づけています。
生後には徐々に体幹を伸ばす姿勢に変化します。
頭から腰までを真っ直ぐに伸ばすのは六か月頃です。 完全に伸ばすのはつかまり立ちが出来る頃になります。
乳児を抱く時には、この姿勢の成熟に合わせた姿勢保持に留意が必要です。
時期に適しない真っ直ぐ姿勢は不健康で、乳児には苦しい姿勢となります。
運動発達の基本
運動発達の原則として、機能の成熟は “頭側から尾側へ”・“中心から末端へ”・“尺側から橈
(とう) 側へ” 進みます。 (注 尺側とは小指の側、橈側は親指の側です)粗大運動の発達に含まれる‘首の安定’・‘寝返り’・‘這う’・‘歩く’
の成熟進行は“頭側から尾側へ” の原則に従っています。
手の機能の成熟に注目しましょう。
生後二ヶ月頃までは両腕を身体に引きつけて寝ています。 丸太様です。
この時期を過ぎると、両腕は身体から離れて側方に置いている時間もあります。 上肢の支持機能の発達に従い身体から離れる距離が広がります。
三ヶ月の支持姿勢では上腕も離れています。 これが “中心から末端へ” の段階です。
手の機能を観察しましょう。 手の機能は “尺側から橈側へ” と説明されるように、小指側から親指側に成熟が進行します。 初期の握りでは小指側が主になり、成熟につれて親指側に支点が移ります。
“握り” が完成するのは六ヶ月頃です。 “握り” は親指と他の四本の指で捕まえる運動として完成します。
“握り” が進行して親指と人差し指で ‘挟む’ から “つまむ” に進みます。
手の機能に限って見ますと腕が体幹から離れ、小指側から親指側へと成熟が進んで、ヒトに固有の “つまむ ”が完成します。
粗大運動・微細運動の発達を簡単に振り返りました。 この二面の運動も刺激し合って進行すると説明してきました。
各運動発達で、刺激し合う両運動発達の関連で不具合・バランスの不都合が起これば、それが不器用の原因となります。 各運動発達の未熟も不器用の原因となります。
これからの説明で例示します ‘変な握り’ は小指側から親指側へと成熟が不完全な状態と考えられます。
この様に “粗大運動” と “微細運動” が車の両輪の如くに関連しながら前進します。
この前進は標準とされるルートを確実に進むことが重要です。
ヒトに用意されたルートをたどらないことは、次に用意されているパーツ(経験) を積み残す事になります。
通過点を飛ばすことは、必要なパーツを置き去りにすることです。 成長につれて、 “器用な技能” を動かす時に必要なパーツかもしれません。
パーツの足りない自動車はスムースな動きが出来ません。
標準のルートをたどり、確実に歩むことが、“器用な子” を育てることに繋がります。
他のコーナーで説明した “箸を正しく持ちましょう” を一例として考えてください。
箸の正しい持ち方には手首の機能と手指の機能が関係しています。
目的に合わせて、“手首をねじる” ・ “握る” ・ “指でツマム” の機能が成熟していることが不可欠です。
この準備が出来ている幼児に保護者の指導が行われて、正しい持ち方は完成します。
育児環境の整備、保護者が介助すべき行動、躾、これらの保護者に託された行動に手ぬきがあればぶとなります。
この HP では多方面の保護者の指導が必要と呼びかけてきました。
呼びかけを受け止めて、最大の努力をお願いします。
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