【 乳幼児の運動発達 】 微細運動の発達 KAISETSU_000SP-C_BISAI-UandTE-kino
運動の評価では、運動発達のマイルストーンを正確に理解する事の重要性を説明しました。 脳性麻痺児の早期発見に必要な知識です。
乳児期から幼児期の微細運動発達の診察と評価でも同様な事が指摘されます。
微細運動発達の評価知識の中でも、手の機能発達の評価知識はヒトに必要な事項となります。 類人猿から進んだヒトには《手を器用に操る》が課せられています。
ネット上では、霊長類の条件として《前足の第1指は他の指からはなれて対向し,物をつかめるようになつまむっている。》が説明されています。 ただし、ここに書かれている〈物をつかむ〉は猿手といわれる原始的な運動です。 画像はネットより借用しています。
ヒトには道具を操るという高度の運動が要求されています。 霊長類でも棒切れを握り作業はしていますが、巧遅度と巧みでは下位です。
微細運動を《手で道具を巧みに操り、緻密な作業を行う》と限って書きます。
この目的を確保するには“にぎる”・“つまむ”・“ねじる”の三運動が必要です。
幼稚な手の動きとして“つかむ”・“つまむ”は一歳で取得しています。
手の機能発達を説明する時には、通過点として、“手掌回外握り”・“手指回内握り”・“静的三指握り”・“動的三指握り”が取り上げられます。 日常には聴かない学術用語です。 簡易には“にぎる”・“つまむ”・“ねじる”の三運動として理解してください。
巧遅な運動としての評価を条件に、研究者は“手掌回外握り”は一~一歳判頃、“手指回内握り”は二~三歳頃、・“静的三指握り”は三歳判~四歳頃、・“動的三指握り”は四歳半~六歳頃に獲得すると説明しています。 道具を操ることを条件にする時の説明です。 ペンをもって書字をする、箸を使って食事をする条件での説明です。
“手”との用語を使用して説明を続けていますが、正確に書きなおすなら“上肢”または“上腕”が的確です。
この部の構造としては肩関節から先端の手掌・手指までです。 上腕骨・前腕骨・手根骨(複数)・中手骨(複数)・手指骨(複数)で構成され。それらの骨は関節として連結されています。
運動としては回転・屈曲の機能があり、複合して“各部での回転”・“握り運動”・“摘まみ運動”・“ねじり運動”として機能しています。 “握り運動”・“摘まみ運動”の評価でも数種の形態があります。
高度な微細運動を保護者の皆さんに伝える目的で、ぺん・箸の持ち方を取り上げて、「持ち方が変」・「持ち方がおかしい」・「持ち方が間違っている」と批判を連ねています。 この批判の先には、不器用な子供を育てている事の指摘があります。 これより詳しい説明は、【運動発達】 のコーナーで行っています。
微細運動の代表として取り上げています。
次にペンと箸を正しく持つための解説を続けます。
Aはペン持っている画像です。 正しいペンを持つ要点は【運動発達】 のコーナーで確認してください。
B~Dは、箸の持ち方を説明しています。 Cでは上側の箸棒、Dは下側の箸棒の持ち方を話して撮影しました。
ペンを持つより難儀な箸の持ち方を説明します。 日本人には欠かせない事項です。
箸を持つ時には、一方の箸棒(D下側の箸棒)を手指に固定し片方の箸棒(C上側の箸棒)を動かす複数の行動が合わせ使用されます。
上の箸棒Cは、人差し指の腹と中指の爪の横で支持ち、親指を添えます。
次に、もう1本の箸棒Dを、右手の親指のつけ根から中指と薬指の間に向けて通します。
差し込んだ2本目の箸は、薬指の爪の横と親指のつけ根においてしっかり固定し、2本の箸の先をそろえます。
下の箸棒は支持点を第三指と第四指の接着部と母指と第二指の谷間にして、強く固定しまくす。 箸で挟む運動では、上の箸棒を動かして固定された下の箸棒で挟みます。
この説明で“正しい”と“間違った”の理解は出来たでしょう。
他のコーナーで『微細運動発達・手の機能発達に関しては自然に獲得した運動機能を成熟させるには、保護者の養護・指導は長く続ける必要があります。』と書きました。 “握る”・“摘まむ”を獲得できても、保護者の指導・訓練が加えられないと、上に説明した 〈正しい持ち方〉・〈巧みな持ち方〉は獲得も、習熟も出来ません。 この指導と躾が必要と理解して育児を進めてください。
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