福島原発事故に伴う健康被害       最終更新  2013/01/10  

   このコーナーでは原発事故について、 健康に直接関連する情報・ニュースを紹介しています。        

 健康被害に関する解説は他の専門家による解説に任せます。

 基本的な事項に限り、簡単な意見を掲載します。       

 解説ではありません。 小児科医として原発事故に伴う状況についての意見と感想です。

 意見は当たり障りのない表現に収めています。 より深い思慮は読者に任せます。 深く書けば誤解から中傷される可能性を感じます。

乳幼児・小児が原発事故後に受けた健康調査の中間報告が公表されています。

 放射能の体内存在も報告されています。 この結果の評価には評論家で異なる意見が寄せられています。 この HP ではコメントを控えます。 一言だけ付け加えるなら、我が子の場合に置き換えて、皆さんが情報を評価してください。

 食品についても、放射能測定の安全値の制定が報道されています。 こちらについても、皆さんが情報を知って評価するしか無いでしょう。 

 専門家・評論家が安全とする意見を公表しても、その説明を信じるか疑うかの自由はあるはずです。 “風評被害” と “個人が不安を感じる” は異なる次元です。 堂々と個人の意見を持ちましょう。         2011/11/06            

 原発事故関連のニュースから健康に関連するニュースを取り出しました。 掲載 2011/07/01

@ 06/19夜に、福島原発2号機原子炉建屋の扉が水蒸気を放出するためとして開かれました。 東電・原子力安全委員会は 「環境に影響しない」 ・ 「周辺地域の放射能計測値には変化がみられない」 と公表していました。 06/20 夕のTV-朝日系列のニュースでは 「18億ベクレルの放射能が放出された」 と報じていました。 

 専門家は、 03/11 以前にも自然界には放射能は存在していたと説明しています。

 しかし以前から自然界に存在していたと説明されている放射能には原爆投下・原爆実験・チェルノブイリ事故・その他の原子力発電所事故で放出された放射能が加算されています。 

 次の三つの情報はは合致するのでしょうか。  「18億ベクレルの放射能が放出された」 と 「環境に影響しない」 ・ 「周辺地域の放射能計測値には変化がみられない」  

 無作為 (真に太古から) で自然界に存在した放射能に、ヒトが引き起こした事故 の残り物を加えるのは誤りと考えます。

A 06/27から福島県で全住民の放射能内部被爆の検査の為の予備検診が始められたと報じられました。

 福島県民には安心を知る検査にはなるでしょうが、計画される案では30年間の長期検診が決められるようです。

 マスコミ・ニュースでは、実施内容の詳細は解説されていませんが、「30年間の長期検診」 が書かれていました。

 放射能の及ぼす健康被害ははかり知れませんが、「30年間の長期検診」 が個人に与える影響・長期にわたる不安感はぬぐえない大きさです。 

 原発運転前・運転後に説明された安全神話、原発事故の後で語られた 「健康には大きな影響は無い」 が真実でないと判りました。

 「30年間の長期検診」 と 「健康には大きな影響は無い」 が同時に語られる説明には値しません。

HPからの意見 】  原発開発計画には 「30年間の長期検診」 が必要と判りました。 この長期検診が他の地域に波及しない将来が望まれます。

 原発に賛同する時、この様な事態も念頭に置くべきでしょう。

B 一生涯に食品から摂取する累積被曝量の安全限界を決定する準備が進められています。  2011/08/01

 内閣府・食品安全委員会は食品から摂取する放射性物質による健康影響を討議して、内部被爆と外部被曝を合わせて100ミリシーベルト以下と結論しました。

 この数値には自然界から被爆する線量、医療機関で検査に際して被爆する線量は含まれません。

 この数値の根拠として 『甲状腺にたまりやすいヨウ素は100ミリシーベルトを超えると健康に影響が出る』 との報告を採用されました。

 日本では年平均1.5ミリシーベルトの自然被爆があるとされ、医療機関での被曝量は個人差があります。 70年間の自然被爆は105ミリシーベルトと計算出来ます。

 “健康被害を出さない範囲は100ミリシーベルト” 、“自然界からの被曝線量105ミリシーベルト” を両立させると、食品から摂取する放射線の許容量が100ミリシーベルトと結論された計算が理解できません。

 自然界からの被曝線量で危険域 (100) に達し、原発事故での被爆は危険域にあると理解できそうです。 専門家からの明確な説明が求められます。

C 福島県内の子ども36万人を対象に甲状腺検査始まる    2011/10/11

 東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を監視するために、福島県では、事故発生当時に018才であった乳幼児・学童・青少年全員を対象にした健康調査として、甲状腺検査が開始されました。 2年半で36万人の検査を一巡させ、その後にも定期的な検査を一生涯続ける計画です。 初期には二年毎、後半には五年毎に実施予定との報道もありました。

 A のニュースの続きです。 「30年間の長期検診」 と計画されたのが、“一生涯” に延長されました。

 専門家からは「健康への影響は心配ない」と説明されていますが、“一生涯の検査”は健康被害に当たらないのでしょうか。

 任意に受けるガン検診とは違います。 原発事故により勧奨されるガン検診です。 

 「健康への影響は心配ない」 と説明する説明を受け入れても、「可能性は低いですが、一生涯のガン検診を受ける必要があります。」 との説明を聞けば、保護者と検査該当者には精神的健康被害となります。

 ホルモン造成組織の障害も、精神的苦痛も健康被害です。 不安を沈静化させる責務を専門家は果たそうとされるのでしょうが、該当者の精神的苦痛の軽減には繋がりません。

 あり得ない事・出来ない事でしょうが、原因についての評価を合わせて説明をされるなら、該当者にも少しの癒しにはなるでしょう。 「検査が必要となったのは原発事故で、事故が悔やまれます。 残念ですが、今回の方針を受け入れてください。」といたわる言葉も添えてください。 「原発依存は残念です」も。

D 除染作業で手抜き作業が行われている   掲載 2013/01/10

 現在もマスコミ報道が続き、政府・行政の対応も検討中とされています。 マスコミ報道に関心を持って聴視してください。