人工内耳友の会−東海−
人工内耳Q&A

人工内耳Q&A集 3

3.健康保険等について
 3−1.健康保険・助成
 3−2.スピーチプロセッサ総合保険・保守点検


3.健康保険等について
3−1.健康保険・助成

Q31−01 保険の適用について
A31−01 平成6年4月1日より健康保険が適用になりました。なお、病院によって保険が適用される時期が異なることがありますので、詳しくは各病院にお尋ねください。

Q31−02 スピーチプロセッサが破損した場合なども健康保険の対象となるのか?
A31−02 現段階では(平成7年6月1日現在)健康保険の適用にはなっておりませんが、任意加入の損害保険では、その一部がカバーされます。
[注:平成9年4月1日より健康保険の対象となりました。]

Q31−03 健康保険適用で、63,000円以上の場合は申請すれば返ってくると思いますが、計算方法を教えて下さい。
A31−03 健康保険の高額療養費制度で、月額63,000円を越える分は、申請すると返って来ます。
手術費用の試算
・ 手術を受ける方が、健康保険(社会保険)で本人、入院費は仮定です。
・ 手術費            249,000
・ 手術用の薬剤など        51,000
・ 人工内耳セット      2,700,000
・ 入院費(仮定)      1,000,000
     試算例合計    4,000,000
・上記の場合は事故負担率は1割です。
     試算例では      400,000
・ 同じ月に、同じ病院に支払った医療費の自己負担額が63,000円を超えたとき、その超えた額を「高額療養費」として申請すると戻ってきます。
     試算例では      337,000
・ 高額医療費の償還で実質的な負担額は 63,000
・ 各自治体では、身体障害者の医療費助成をしています。詳細は最寄りの市町村役場などに問い合わせして下さい。

Q31−04 人工内耳装用に関して、金銭的負担がかかるのではないだろうか?
A31−04 1994年から健康保険が適用になったため、障害者手帳を持っていれば、手術費用、機器の補助を受けることができます。超過分に関しては、厚生医療などによって補填されることもあります。また、任意保険に加入(スペクトラは年間19,720円)すれば、故意ではない取り扱い不注意による破損、故障、水の事故、火災、交通事故、盗難などに関しては最高1,095,500円まで支払われます(免責金額は5,000円)。また、電池などの消耗品、部品についても医療控除を受けられる場合があります。

Q31−05 WSPまたは、MSP装用者がスペクトラへの装用希望の場合、保険適応で支給してほしい。補聴器のように4年毎に支給してもらえればベター。
A31−05 アップグレードの保険適用要望の実現には、たくさんの方がねばり強く働きかけていく必要があります。なお補聴器の場合は、更正医療という違う保険システムでカバーされていますが、全体の予算も非常に限られていますので、こちらの方は少し難しいかもしれません。今のままの保険システムで、改善要求をした方がよいかもしれません。

Q31−06 人工内耳が保険適用になりました。人工内耳を難聴の治療というふうに考えると新型のスピーチプロセッサが出来た場合、新型と旧型の聞こえを検査し、新型の方が明らかにその人にとって良いというデータを示すことが出来れば、担当医の判断で「治療のため」ということで保険を適用させて新型のスピーチプロセッサを使わせるということが出来てもよいように思うのですが、いかがですか。ぜひ医師の立場からのご意見を聞かせていただきたいと思います。
A31−06 保険の適応は厚生省の予算の範囲で行われるので、全てが適応となるわけではありません。新型のスピーチプロセッサが開発されて、そのような要望があれば保険適応にするよう、みんなで運動をおこなっていく必要があります。

Q31−07 人工内耳に乾電池補助が出たと聞きましたが、どのようにすれば補助してもらえるのですか?
A31−07 会報の36号でご紹介しましたのは、大阪府豊中市の例です。補聴器の電池が「補装具の交付」対象になっています。人工内耳も補聴器の一種として、市役所の障害福祉課に相談したのが実現したとの事です。皆様のお住まいの自治体に申請してみたら如何でしょうか。これとは別に、[ACITA]としても、国に申請のための調査を始めております。一回の請願で即決は難しいと思いますが、今秋くらいに請願出来るようと考えております。まず、各自の自治体で実現をしましょう。

Q31−08 人工内耳の機器の修理や新型器への移行なども、補聴器と同じように(新しい補聴器としての位置づけのためにも)、一定年限などを設ける制度化に取り組んでください。
A31−08 オーディオインプットセレクタやラペルマイクなどの健康保険適用範囲の拡大運動とともに、修理や新型器への交換なども保険の範囲と認めて頂くことや、福祉の助成対象にして頂く活動なども取り組んでいきます。

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3−2.SP総合保険・保守点検

Q32−01 人工内耳は高価な機器なので、保全・定期点検等について、もっと詳細な資料を出してください。
A32−01 定期的な保守点検は非常に重要な事ですのでそのシステム化について現在取り組んでいるところですが、定期点検を行っても著しく故障率が改善される訳ではないというというマイナス面のデータもあります。御使用の方々の中で、どのくらい定期点検を御要望かということが判明しました時点で次の段階に進みたいと考えております。

Q32−02 定期点検を行ってほしい。
A32−02 検討を続けた結果、定期点検については実施せず「スピーチプロセッサ総合保険」を導入することとなりました。主な理由は次の通りです。
@定期点検のコストを皆様にご負担いただくとかなりの額になること
A定期点検中はマップを書き込んだ代替器が必要で、定期点検機器との交換、授受をせねばならず、費用及び管理が非常に大変であること
B定期点検しても絶対に故障しないという保証はなく、故障した際には、保証期間外の場合、皆様に高額の修理費を負担していただかなければならないこと
Cそれならば、「スピーチプロセッサ総合保険」で万一の際の保証を考えた方が効率的であること

Q32−03 旧型のスピーチプロセッサを使用しているが、部品がなくなるから買い換えてほしいとのこと。十年ぐらいは保存すべきだ。
A32−03 この人工内耳の技術分野は、歴史が浅いだけに進歩が激しいので、内容も大きく変化せざるを得ません。特に体外部品は、もっとも早く開発が進むところです。WSP型スピーチプロセッサの場合、カスタム仕様のハイブリッドICが使われており、今から注文すると何十万円もしてしまいます。従って修理をするより新しいスピーチプロセッサを購入していただいた方がずっと安くなります。この辺のところはできるだけ皆様にはご迷惑、ご負担ををおかけしないよう心がけていきますので、ご理解をいただきたく存じます。

Q32−04 年に一度機器をコクレア社に調べてほしい。機器もたまには故障することもあるとおもいますので。
A32−04 スピーチプロセッサの保証期間は三年間で、その間の故障については、無償で修理させていただいております。また、修理期間中は代替機を貸し出し、皆様にご不便のないよう、努めております。また不慮の事故や、保証期間を過ぎた故障については、「スピーチプロセッサ総合保険」がカバーしておりますので、こちらをご利用いただければ、ご安心かと存じます。

Q32−05 人工内耳の部品を補聴器並に消費税を免除となるように働きかけてほしい。
A32−05 補聴器は更正医療の中で、補装具という位置づけがされています。補装具は免税範囲です。一方人工内耳は、手術をして埋め込みを受けなければならないため、一般の医療保険システムに組み込まれており、こちらは課税対象となっています。このようにシステムが異なっているので、人工内耳だけを免税にせよというのは少し難しいかもしれません。

Q32−06 人工内耳の保険のことがよくわからない。詳しく知りたい。スペクトラの年間保険料でどのくらい保障があるか等知りたい。
A32−06 年間の保険料はスペクトラが19,720円、スピーチプロセッサが27,600円です。いずれもお支払い最高限度額は1,095,500円、免責金額は5,000円です。主な補償内容は、故意ではない取り扱い不注意による破損、機械内部の故障、水の事故、火災、交通事故、盗難などです。但し、紛失、置き忘れ等に対しては、保険料は支払われません。詳しい内容については、コクレア杜に直接連絡をいただければ、資料をお送りいたします。

Q32−07 スペクトラに替えて二年目には音がとぎれたりで修理に出しました。保証期間だったが、二年間でこのようなことになるのかと心配。
A32−07 機器の耐久性については、使用条件で大きく異なりますので、保証期間内の二年目に不具合が起きることもあり得ると思います。しかし、耐久性を伸ばす努力は今後も続けて参ります。なお、保証期間外でもご安心頂けるように、スピーチプロセッサ総合保険をご紹介致しております。

Q32−08 スピーチプロセッサ、ヘッドセットの寿命は普通に使用してどのくらい持ちますか。途中故障した場合、修理にどのくらい日数がかかりますか。
A32−08 使用方法、環境など様々な要因があり、耐用年数を一概に何年とは明記できません。耐用年数というのは、製品を構成している部品についてであります。従って、ほとんどの場合は部品交換などの修理で再使用可能です。機器故障の場合は、まず病院の先生にご相談いただき、修理の必要があると判断された場合は、まず弊社より代替器を貸出いたします。製品の修理は豪州コクレア本社に送るという関係上、約2カ月かかります。

Q32−09 機器の故障の時、手術を受けた病院が遠方の場合はどのようにすればよいか。
A32−09 機器の故障が疑われる(聞こえに異常があった場合)時は、まず機器が正常かどうか、セルフチェックをしてください。その結果を修理調査票などに記入され、病院の先生にご連絡をされるとよろしいかと思います。

Q32−10 機器故障時の連絡経路(病院→日本コクレア)の対応が、現時点では時間がかかっています。もう少し円滑に出来ないものでしょうか。
A32−10 機器故障の場合、まず病院の先生にご相談ください。修理の必要があると判断された場合に、弊社より代替品の貸し出しを行っております。製品の修理は、基本的にはすべて豪州のコクレア本社に送って、修理をしなければなりません。その際、医療機器ということで、税関の通過には他の品目より多少時間がかかるという事があります。しかし今後はご使用の方々のご不便を最小限にする様、努力致しますと共に、本社修理部門担当者に対する指示を明確にし、又、催促を重ねる等により修理期間の短縮に努力を致します。

Q32−11 故障やトラブルの内容を公表して、取り扱い手引書などを作成してはどうか。
A32−11 是非実行したいと思います。できたらACITAに載せていただけたらと思います。

Q32−12 人工内耳を使用して一定期間後、聞こえなくなった人があると聞きます。考えられる原因、予防等について教えてほしい。
A32−12 機械の損傷、電極のスリップアウト等々が考えられます。

Q32−13 「スピーチプロセッサ総合保険」の加入者数を教えて下さい。
A32−13 現在250名の方が加入されているそうです。また、加入者数の増加によって、この秋から保険料も安くなりました。まだご利用いただいていない皆様も、この機会にご検討ください。[注:1997年9月における回答。]

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