人工内耳友の会−東海−
人工内耳Q&A

人工内耳Q&A集 2

2.機器について
 2−1.機器一般
 2−2.機器の寿命
 2−3.日常の手入れ
 2−4.AIS(オーディオ・インプット・セレクタ)
 2−5.ケーブル
 2−6.マイク
 2−7.電池
 2−8.研究開発

2.機器について
2−1.機器一般

Q21−01 補聴器とはどう違うのか?
A21−01 補聴器は音を増幅して中耳に伝えるのに対して、人工内耳は内耳に挿入された電極から直接聴神経に電気刺激をして音を伝えます。補聴器は主に伝音難聴に有効であるのに対して、人工内耳は補聴器が有効でない高度感音難聴の方に有効です。

Q21−02 埋め込まれるインプラントの重量はどのくらいあるか。
A21−02 インプラントの重さはわずか7.5gです。これによって重さを感じることはないでしょう。

Q21−03 (スペクトラがときどき起こる不調について)使用1年目は体調のためか機器のためか不明であったが2年目より代替機使用で、機器の方に原因があると理解した。修理に出しても代替機のようにはならない。時々3日程、非常に聞き辛くなる。何とかならないかと思うが。
A21−03 医学的な問題か、機器の問題かを含めて総合的に判断する必要があるため、まず病院の先生にご相談してください。機器に問題があることが判明した場合には、日本コクレア社で最善の対処をさせていただきます。

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2−2.機器の寿命

Q22−01 人工内耳の寿命は?
A22−01 体内に埋め込まれるインプラントは、機器を作動させるための電源供給をスピーチプロセッサから行ないますので、故障がないかぎり埋め換えの必要はありません。インプラントは、半永久的に使用できるように設計されています。また、体外に装着するスピーチプロセッサの寿命は、箱形補聴器と同様扱い方により違ってきます。一般に機器の寿命はその構成部品の寿命に依存します。スピーチプロセッサの場合、スイッチ類やコネクタや電池のスプリングなどは寿命に関係しますが、内部のICやコンデンサなどは、ほとんど関係しません。

Q22−02 機器の保証期間は?
A22−02 使用開始日からそれぞれ、インプラント5年、スピーチプロセッサ3年、ヘッドセット(ケーブル除外)1年の保証期間となっています。[注:インプラントは現在10年の保証期間になっています。]

Q22−03 スピーチプロセッサの耐用年数は。寿命による再購入価格はどの位ですか。
A22−03 スピーチプロセッサの耐用年数は、使用程度により大幅に違ってくると思いますが平均で4〜5年というところてはないでしょうか。現段階では、寿命による再購入の価格は定価どおりとなります。但し余程のことがない限り、修理で対応できると思います。また新製品が発売されるときは、基本的には下取り制度で割引価格が適用されると思います。[注:寿命や事故でスピーチプロセッサが完全に壊れてしまった場合、現在では医療保険でカバーされます。]

Q22−04 スピーチプロセッサの寿命はどの位ですか。
A22−04 寿命は使用状態より大幅に差があるので一慨には言えませんが、平均4〜5年というところではないでしょうか。

Q22−05 寿命が4〜5年というのはあまりにも短すぎませんか。
A22−05 寿命が4〜5年と言うのは、スピーチプロセッサに使用している部品一個のことで、スピーチプロセッサ全体と言うことではありません。従って、ほとんどの場合は部品交換などの修理で再使用可能という事です。

Q22−06 使い方で違うと思いますが、今までの経験で「何年位でどの部品」が駄目になったのか教えて下さい。その方がもうそろそろ寿命かと納得できるので。
A22−06 スピーチプロセッサしか正確なデータがありませんが、おおざっぱに言って世界中で使用されている台数の3%が毎月修理としてオーストラリア本社に送られて戻ってきます。言い換えますと、平均して33カ月(約3年)に1回、スピーチプロセッサが故障し、それを修理するという事になります。ただし、これには、ベルトクリップやバッテリカバーなどの交換は含まれていません。

Q22−07 スピーチプロセッサの寿命は何年ですか?
A22−07 基本的には故障しても修理をすればいつまでも使用できます。ただし、技術の進歩に伴ってモデルチェンジを行い性能がどんどん向上していきます。その結果、従来のタイプのスピーチプロセッサの使用者が少なくなると、部品のコストが高くなり従来どおりの部品供給サービスの維持が困難になることがあります。

Q22−08 スペクトラのバックアップ電池(内蔵)の寿命はどのくらいですか?
A22−08 スピーチプロセッサの中には、RAM(揮発性メモリ)上にマップのデータが保存されていますが、電源を供給し続けないとデータは消えてしまいます。そのため、スピーチプロセッサには別個にバックアップ用の電池を内蔵しています。これはリチウム電池を使用しており、寿命は約10年です。

Q22−09 スピーチプロセッサおよび送信コイルの寿命はどれくらいですか。
A22−09 寿命については使用条件によって大きく変わってきますので、申し上げるのは難しいのですが、おおよそ6〜7年を目途に設計を行っています。ただし、特に機械的な部品を交換することで、製品寿命は伸びますし、電気部品の寿命はほとんど半永久的です。なおコクレア杜としては最低保証期間としてスピーチプロセッサは3年、送信コイルは1年間の製品保証を行っています。この期間は万一故障が起きても無償で修理を行います。

Q22−10 スピーチプロセッサの寿命について
A22−10 一般に器械の寿命は、その構成部品の寿命に依存します。電気製品の中にもモーターを使用するものがあったり、ブラウン管を使用するものがあったりします。製品の設計者はこれらの寿命を通常の使用状態を想定して、○○年というふうに見積っているはずです。モーターにはブラシやシャフトの磨耗が考えられるし、ブラウン管には蛍光塗料の経時変化があるように、明らかに使用時間に応じた寿命があるからです。さて一方、スピーチプロセッサはどうかと言うと例えばスイッチ類は磨耗やほこりの混入による接触不良が考えられますし、コネクタや電池のスプリングはへたったり、錆びて性能が落ちたりします。しかし寿命に関係するのはそれ位です。その他のICやトランジスタや抵抗やコンデンサなどは寿命がないと言ってよいでしょう。ですから構成部品の中で寿命に関係するような部分の保守をしっかりすることが、機器を長持ちさせるコツではないでしょうか。またこれらの部品はオーバーホールの時に交換したり修繕することによって、機器が甦ることも可能です。いずれにしても通常の使い方をしているかぎり、機器そのものの寿命についてはそれほど心配しなくてもよい と思います。

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2−3.日常の手入れ

Q23−01 日常の手入れと保守点接は?
A23−01 スピーチプロセッサとヘッドセットの外部装着機器は常に清潔に乾燥させておくことが機器を長持ちさせる上でも大切です。毎晩、乾燥薬剤の入った密閉容器にいれて保管してください。使い方にもよりますがケーブルはおおよそ6ヶ月くらいで交換が必要になるでしょう。常に予備を持参し、断線の時はすぐ交換できるように備えてください。また万一の機器損傷に対しては、任意加入の損害保障保険が準備されています。

Q23−02 汗と雨対策に、スピーチプロセッサに防水カバーが欲しいのですが。
A23−02 雨を防ぐ程度の材質で作られたウエストポーチに入れたらどうでしょう(登山用品店などで市販されています)。また米国のコクレア社で、スポンジのような緩衝材を入れて防水(雨を防ぐ程度)と保護を兼ねたポーチを開発中です。

Q23−03 機器の保守(手入れの仕方)が分かりません。どの様にしたらいいでしょうか。
A23−03 一般的な方法だけ挙げておきます。
@なるへくゴミ、水等が中に入らないようにする。
A電池用端子を定期的に掃除する。
Bぶつけたり落としたりしないようにする。
Cこわれた部品等は設計向上の役に立つので捨てずにコクレア社に送る。

Q23−04 スピーチプロセッサの上部にゴミが溜り易いので、カバーを考えて欲しい。
A23−04 ゴミ防止を雨の防止と同様に考え、雨を防ぐ程度の材質で作られたウエストポーチに入れたらどうでしょう(登山用品店などで市販されています)。

Q23−05 汗をかいたり頭部が濡れている時は、聞こえないのですが何故でしょうか。
A23−05 大きく分けて2つの原因が考えられます。
@マイクの前後のポート(音のはいる穴)が汗でふさがれると、昔が小さくなったり音が聞こえなくなります。これは拭き取ることにより直ります。
Aマイクとコイルにあるコネクタに汗がつくと電気的にショート状態になり、音が全く聞こえなくなってしまいます。これは簡単には直らず、完全に乾燥しなければなりません。

Q23−06 機器の手入れの方法を教えてほしい。
A23−06 スピーチプロセッサやマイクは湿気に弱いので、就寝前に乾燥剤を入れた容器に入れて朝まで密閉しましょう。・スピーチプロセッサの電池接触部分は、アルコールを含ませた綿棒で少なくとも月1回は清掃してください。

Q23−07 先天性の子供の場合故障等の注意点など知りたい。
A23−07 子供の場合は、運動量が大人に比べて多いので、ケーブルの断線等についてご注意ください。万一に備えて、予備ケーブルの常備をお勧めします。また、スピーチプロセッサに砂などが入ると故障の原因となりますので、ご注意ください。

Q23−08 人工内耳の電極を少しでも保護する方法がありましたら教えてください。(音の聴き方とかスイッチの入れ方等、例えば雑音のはげしい所(電車内等)ではスイッチは「切」にした方が良いのでしょうか。)頻繁にスイッチを入・切しても良いものでしょうか。
A23−08 人工内耳の電極の保護とのことですが、ご質問のようにスイッチの調節を行うことにより保護する方法はありませんし、その必要もありません。ただし、物理的にぶつけないようにして保護するということは必要でしょう。

Q23−09 子供(3歳女児)が装用者ですが、大人または中途失聴の方と違い、機械等の不都合が分かりにくい。(電池、線の接触不良は一度分かった様子。)
A23−09 スピーチプロセッサのMランプを利用して、ケーブル類のチェックを行うことができます。Cランプを利用すると、送信コイルからの信号が正常に出ているかどうかを確認できます。機器を装着したままでこのようなチェックができる、コイルチェッカーと呼ばれる部品もあります。

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2−4.AIS(オーディオ・インプット・セレクタ)

Q24−01 AISを買いましたが、先生によく教えていただきましたが、全然使えません。よく聞こえません。私の使用方法が悪いのかなともおもいますが、良い方法を教えてください。
A24−01 使用方法につきましては取扱説明書にも書かれていますが、よくお分かりにならない場合には、日本コクレア杜までFAX等でお問い合わせください。また、各病院で行われております合同リハビリなどに、私どもがおじゃまして、機器の使い方などについてのご説明をさせていただいております。

Q24−02 オーディオ機器の音声を他人に迷惑がかからぬよう、周囲の環境音がはいらないよう、スピーチプロセッサの入力用ソケットと機器のイヤホンジャックをつなぐコードがあれば教えてください。もちろんモノラルでAISは使わない前提でお願いします。
A24−02 減衰器付きのケーブル(「抵抗入り」という名称の接続ケーブル)を使えば可能ですが、以下の理由でAISをお使いになる事をお勧めします。@オーディオ機器の出力レベルがこの様な減衰器つきのケーブルを使用しても、スピーチプロセッサの入力レベルに合致しない場合があります。一方AISは、0.1V〜10Vという広い範囲のレベルをカバーしています。Aオーディオ機器など家電製品は、一般的な用途という事で人体に対する安全性が、あまり考慮されずに製造されています。一方スピーチプロセッサやAISは、医療機器としての安全性の基準に合わせて製造されています。従って家電製品側に故障が起きて危険な電流が流れた場合でも、AISを使用していれば安全性は確保されます。

Q24−03 TVやラジオを聞くとき、AISと接続コードを使っているが、聞こえないのです。しかし、AISを使わず接続コードだけで聞くとTVの音量は最低でいい。AISの使い方がおかしいのでしょうか?
A24−03 TV接続コードの規格が間違っている可能性があります。「抵抗入り」を使用するとこの様な現象が発生します。「抵抗なし」のコードを使用して下さい。接続コードを直接スピーチプロセッサに接続した場合には、入力電圧が大きすぎて音が割れたり、最悪の場合にはTVの故障で過大電流が流れるとスピーチプロセッサが故障する恐れもあります。

Q24−04 AISのマイク出力が弱い。また、オーディオ機器利用中のバランスも悪い。
A24−04 まずスピーチプロセッサの感度調整つまみを、AISのマイクからの音をよく拾えるように調整します。次にオーディオ機器のボリュームと、AISのオーディオ入力調整ツマミによってオーディオ機器からの音量を調節し、マイクとのバランスをとってください。また、AISのマイクは耳かけマイクとは感度や指向性が異なるために聞こえ方が異なるのが普通です。ただし、あまりにも出力が弱い場合には、マイクの感度が低下していることも考えられますので、コクレア杜にご相談してください。マイクは湿気に弱いため、AISをご利用にならない時には、乾燥剤を入れた密閉式の容器か、湿気の少ないところに保管してください。

Q24−05 AISなしで磁気ループを利用できるスピーチプロセッサ(一般の補聴器のように)を開発してほしい。何度かテストしたが、磁気ループを使って聞く時以外AISの効用が認められない。テレビなどの音声はAISを使うと逆に聞き取りにくくなってしまう。
A24−05 スピーチプロセッサの中には、インプラントに送るための高周波信号が充満しているため、コイルを内蔵するとそればかり拾ってしまいとても使い物にならなくなってしまいます。現状で、スピーチプロセッサにテレビをライン入力する場合には安全性確保の為にも、AISのご使用をお勧め致します。AISとテレビを接続する場合には、抵抗なしのケーブルをご使用ください。テレビの音声をよりよく聞くためにはAISを使用してテレビの音声出力端子から直接ライン入力します。

Q24−06 手術して2年。会議等をもっとよく聞きたいと思いAISを購入した。どんな磁気ループでもよく聞こえるだろうと思ったが、大きな間違いで、音質が堅く、高く頭痛のするループの多いこと。補聴器使用の難聴者には何ともないようであるが人工内耳使用の私には耐えられません。今年の2月の徳島での「補聴学」ではきれいに聞こえ音質も柔らかく長時間使用しても頭痛はなく疲れませんでした。なぜこんなに大きな違いがあるのか今後のためにもよきアドバイスを!
A24−06 磁気ループは、機種や調整の仕方で音質が大きく変わります。また、受信する場所によって感度にムラがあったり、音質があまり良くないことがあります。あまりにも耐えられない場合には会場の責任者の方にご相談してください。この様な磁気ループの欠点を補う機器として、FM補聴システムがあります。試聴も可能ですので弊社までお問い合わせください。

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2−5.ケーブル

Q25−01 スピーチプロセッサが小さくなるのは好ましいのですが、ケーブルも細く丈夫にして下さい。
A25−01 ケーブルを細くするということについては精力的に取り組んでいます。世界中のケーブルメーカを探して試作をしており、1〜2年後をめどに販売できるように開発中です。しかし耐久性の方は特別高価な材質が必要となり、今のところ開発計画はありません。

Q25−02 今年7月実施のラペルマイクのアンケート時に、「HS7のケーブルを使用すれば耳掛けマイクの代用できる」とありましたが、「HS7」とはどのようものか、懇談会にサンプルを持参していただけませんか。また、機能向上のためいろいろ研究開発をしていると思いますが、機器、部品を新たに発売した場合、前述のように「HS7」だけでは良く分からないので、もっと使用者にも詳しく情報提供をして下さい。
A25−02 HS7というケーブルは、スピーチプロセッサと送信コイルを直接つなぐためのものです。この場合、耳掛け式のマイクロホンは使用しないで、別のマイクロホンが必要です。
・市販のマイクロホン、ラペルマイクロホン:スピーチプロセッサに直接入力。
・AIS(オーディオインプットセレクタ)を使用。

Q25−03 1年半で接続ケーブルを「3本」換えました、寿命はこんなものなのでしょうか。
A25−03 消耗品であります接続ケーブルは、構造上、耐久性を持たせるための工夫はしておりますが、残念ながらある一定期間で寿命がきます。使用方法、環境なと様々な要因があり、一概に何ケ月と明記することは出来ませんが、3ケ月でダメになる人もいれば、1年経っても問題ない人がいます。しかし、長く使用すると特性が変わることもありますので、なるべく早目の交換を心がけてください。なお、米国で行なったアンケートによると接続ケーブルの平均寿命は半年でした。

Q25−04 2年経ちまして、コイル接続ケーブルが駄目になったようで取り替えました。マイクもだいぶ古くなっているようなのですが、予備を求めておいた方がよいでしょうか。急に悪くなるのでしょうか。ご体験がありましたら、教えてください。
A25−04 接続ケーブルやコイル接続ケーブルの断線、および、マイクロホンの汗などによる感度低下が、いちばん多い故障の原因です。ケーブル類の断線については突然発生し、マイクロホンの感度低下も突然起きることもありますが、徐々に進行することもあります。万一に備えて、経済的負担の少ないケーブル類については必ず予備をお持ちいただきますようお願いを申しあげます。マイクロホンにつきましては、ラペルマイクなどでも一時的には代用できますが、可能であれば予備をお持ちいただけるとありがたく存じます。

Q25−05 ケーブル(特にプロセッサ接続用)が半年〜1年で硬化し、コードに癖がつき首付近(露出部)で大きく外にはみ出したりマイク本体が浮き上がり、はずれたりする。コードに癖のつきにくい被膜の材質に変更されたらどうか。末変更なら、改善の予定があるかどうか確認したい。
A25−05 ケーブルは耐久性と生体適合性の優れた材料を使用して製造されております。最近更に改良されました。もし問題が生じた場合には実際に問題が発生した品物を御返送ください。調査・検討のうえご回答させていただきます。

Q25−06 接続ケーブルを買いましたが本体につないでみると全然音が入りません。ケーブルに問題があるのでしょうか。
A25−06 ケーブルとマイクをつなぐ時にマイクの差し込み口の黒点とケーブルの差し込みの黒点が同じ方を向く様に入れてください。(反対にいれると音は入りません。)それでも入らない時はケーブルを調べる必要があります。

Q25−07 マイク、スペクトラ等のコードの使用感が悪い。改良の余地はないのでしょうか?
A25−07 スピーチプロセッサとマイク間の接続コード、および送信コイルの接続コードの材質については、生体適合性(長時間肌に触れていても問題がない)の優れたものが要求されるので、市販のコードに比べ選択性が限られています。しかし現在、従来のものよりも肌触りが良く品質のばらつきが少ないものに改良をすすめており、近い将来に皆様にお使いいただくことが出来ると思います。今後とも、皆様のご要望を基に研究開発を進めてまいります。

Q25−08 ラペルマイクのプラグとコードに改良の余地はないでしょうか?プラグはL型、コードはもっとソフトにしてほしい。私はステレオインサイドホーンのコードを使い、ラペルマイクと半田付けして使っています。
A25−08 プラグ形状に関しては、L型プラグを使用することが可能です。市販のコードの使用は、見かけは同じでもインピーダンス等の仕様が異なっているとマイクの性能が十分に発揮できない場合等があります。

Q25−09 黒色のHS7コイル接続ケーブルを作ってほしい。
A25−09 この件に関しましては、皆様から多数のご要望をお寄せいただいております。現在、オーストラリアのコクレア本社に要望を出し検討しているところです。

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2−6.マイク

Q26−01 付属のラぺルマイク、ヘッドセット共に6カ月使用で不具合が出ている為、市販のラペルマイク(TVレポータ等が使っているもの)を代用したいのですがどうでしょうか。代用可能の場合、社名、品名等を教えて下さい。
A26−01 市販マイクロホンは、基本的にはどれでも使用することが可能てす。ただし、それぞれ特性と感度が異なっていますのて、ラペルマイクと同じ特性が得られるとは限りません。

Q26−02 マイクは汗ですぐ駄目になり、また作業中に落ちやすいのでオーディオインプットセレクタを使うのですが、こちらも長時間だと雑音が多くなり使用できず、今はハンドマイクを使っています。しかしハンドマイクは、コードが長くポケットに入れると邪魔なので、コード無して直接スピーチプロセッサに差し込む事は出きませんか。
A26−02 以下は、オーストラリア本社からの回答です。「マイクロホンが汗に弱く、落ちやすいという問題については、マイクロホンに薄いゴムのジャケットを被せる方法を考えました。完全というわけには行きませんが、かなり効果は、上がると思われます。一部の方に試作品が届いたかも知れませんが、実際の製品は試作品に比べて厚みが薄くなり装着感が向上すると思います。」また、ハンドマイクは残念ながら、直接スピーチプロセッサに入力する事はできません。

Q26−03 補聴器には雨の時に濡れないようなカバーがあるようですが、スピーチプロセッサにはありませんか。
A26−03 マイクの滑り止め用ゴムカバーも利用できると思います。
◎ 雨の時は帽子をかぶります。
◎ 一番手っとり早い方法は、雨の時は手でマイクをふさぐ事です。

Q26−04 夏、汗でマイクを付けている所が「かぶれ」て困ります。何か良い材質の物は出来ないでしょうか。
A26−04 マイクやケーブルなど長期間皮膚に接する部分には、一般的に皮膚への影響がない様な材質を使用しています。従ってプラスチックに対して過敏な反応を起こす非常にまれなケースを除いて、「かぶれ」は材質が原因ではなく、汗が乾かないためのいわゆる「汗も」ではないかと思われます。従って、時々汗を拭いて皮膚が乾くようにするとか、ヘッドセットと皮膚の間にガーゼをはさむというような「汗も」にならないための対策が必要です。米国の患者さんには、マイクをヘッドバンドの中に入れて汗防止と、脱落防止を兼ねてスポーツをする人がいます。

Q26−05 日本は湿度の高い国です。防水対策は使用者個人まかせでは困ります。日常生活防水位はメーカーとして考えて欲しい。汗の季節には、髪の毛からマイクに汗が入り困っています。
A26−05 マイクの場合には音を拾うための穴やケーブルを接続するための穴から汗などの湿気が浸入する訳ですが、これらを完全に塞いでしまうことはできないため、防湿対策が非常に難しくなっていると言えます。私どもでは過去の経験から、マイクに被せて使用することで湿気を入りにくくする「マイクカバー」という部品を開発しました。皆様にお使い頂いた結果では、概ね良好とのご感想をいただいておりますが、残念ながら完全な防湿対策とは言えません。また、最近では補聴器に防水型のものも市販されておりますが、マイクの穴を覆っている膜(小さな穴がたくさん空いている)の上に水がかかると音の聞こえが悪くなってしまうなど、本質的には問題は解決されていません。私どもでは、今後とも引き続きこの方面の研究を続けてまいります。

Q26−06 会議などを分かり易くする為、マイクをタコ足配線で4個使っています。スピーチプロセッサに悪影響はありませんか。
A26−06 スピーチプロセッサには影響はありませんが、逆にマイクの方が影響を受ける恐れがあります。何本ものマイクで同時に音を拾いたい場合、正式にはマイクミキサーをご使用ください。

Q26−07 汗をかくと聞こえなくなる。防汗対策を教えてください。また、防汗(防水)マイクを開発してほしい。
A26−07 マイクには湿気が大敵です。毎晩、就寝前にシリカゲル(乾燥剤)を入れた容器にマイクを入れ、朝まで密閉してください。また、以前に会報のビラでお知らせしたように、軍手の指を切って作った防汗カバーを使用するのも効果的かと思います。防水マイクについては、今後の研究課題とさせていただきます。

Q26−08 マイクロホンと同様、電話アダプターも感度が落ちますか?
A26−08 電話アダプターについては感度低下の心配はありません。

Q26−09 人工内耳のマイクのフックがはずれやすいので個人にあわせてつくれないでしょうか?
A26−09 補聴器用のイヤフックにはいろいろな大きさのものがありますので、それをご利用ください。マイクロックやイヤモールドの活用も考えられます。

Q26−10 耳かけの部分とれてしまい、今はセロテープでとめて使用しています。
A26−10 イヤフックの台座(ネジの部分)やケースの破損であれば、ケース部品を交換する必要があります。病院の先生または、弊社にご相談ください。

Q26−11 耳かけマイクがはずれやすいので、送信コイル一体型のマイクはないでしょうか?
A26−11 マイクロックやイヤモールドの活用により、耳掛けマイクがはずれるのを防止することができます。

Q26−12 2年前に手術をして、スペクトラを使っています。子供の学校のPTAがある時「エレクトリックコンデンサーマイクロホン」というのを人工内耳につないで聞いてますがあまり効果がありません。テレビは何とか聞こえます。PTAなどでもっとよく聞こえるようにできないでしょうか?
A26−12 指向性の強いマイクロホンをご使用いただき、正確に話者の方向に向けることによってより良く聞くことができます。他にはFM補聴システムなどの活用が考えられます。これらの機器は試聴できますので弊社までお問い合わせ下さい。

Q26−13 ラペルマイクの形状が悪い。またプラグの形状も横型が欲しい。
A26−13 同様の要望は多くの方からいただいております。本社に要望を出しており、近い将来に改善される方向で進んでおります。

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2−7.電池

Q27−01 スピーチプロセッサの電池を、充電用電池とアルカリ電池を交互に使用した場合、アルカリより充電用の方が「音が悪い」ように感じますが、スピーチプロセッサに問題があるのでしょうか。
A27−01 スピーチプロセッサにはアルカリでも充電用でも問題はありません。ただアルカリの方が長時間使用できます。アルカリ電池は1・5ボルト、充電用は1・2ボルトで、使い始めの電圧が違いますが、スピーチプロセッサの内部では電圧を一定にして使用しているので差があるとは思えません。

Q27−02 補聴器の電池には福祉制度を利用できますが、[ACITA]の会員の中で、スピーチプロセッサ用の電池に福祉制度の助成を受けている方おりますか。
A27−02 今回の懇談会に出席された40数名の会員の中には、助成を受けている方はおりません。自治体で制度が違いますので、問い合わせしてみては。

Q27−03 ニッカド電池を放電させるため、就寝時、スピーチプロセッサのスイッチを入れたままにしますが、スピーチプロセッサは大丈夫なのでしょうか?
A27−03 大丈夫です。ただし、最近発売されたニッケル水素電池を使用すれば、ニッカド電池のようにメモリ効果がないため、このようにわずらわしい放電を行う必要はなくなりました。

Q27−04 ニッカド電池とニッケル水素電池の違いを教えてほしい。
A27−04 ニッケル水素電池の特長は、従来のニッカド電池と比較して次のとおりです。
@持続時間が長い :電力を消費するスペクトラに向いています
Aメモリ効果がない:わずらわしい放電を行う必要がありません
B充電時間が短い :一本に付き80分で充電が完了します
ただし、ニッケル水素電池は過充電を行うと危険なため、充電に際しては、必ず専用の充電器を使用する必要があります。ご注意下さい。

Q27−05 充電器はいつもさしっばなしにしてあるのですが、よろしいですか。電池を入れてない時は抜いていた方がよいのかな?
A27−05 充電器に異物が入ったりすると危険ですので、充電時以外は充電器をコンセントから抜いてください。

Q27−06 電池多数出回っておりますが、メーカーの知れていない電池をディスカウントで買い、使用してもプロセッサには全く影響ないでしょうか。
A27−06 スピーチプロセッサに使用する電池は、電圧が1.2〜1.5Vの単3型であれば、メーカはどこのものでも構いません。しかし電池の種類としては、使い捨て電池であれば「アルカリ電池」、充電式電池であれば「ニッケル水素電池」がお勧めです。

Q27−07 ニッケル水素電池の使用時間が短いときがある。
A27−07 [ACITA]第33号の日本コクレア掲示板(13)を、お読みください。使い初めや、消耗し過ぎると使用時間が短くなることがあります。

Q27−08 新しい充電器(東芝社のニッケル水素充電池)の電気代とアルカリ乾電池との比較
A27−08 アルカリ電池の単価を一本あたり約80円とします。新しいニッケル水素電池二本1000円+充電器5500円=6500円。電池は一本約500回使えますので、6500÷1000(2本が500回使える)=6.5円となります。この充電器はお近くの電気屋さんでもお求めになれます。

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2−8.研究開発

Q28−01 人工内耳の性能は今後どのようなるのでしょうか。技術的な考え方でなく、オーストラリア・コクレア社での現在の開発状況、今後の開発計画などが分かりましたら教えてください。
A28−01 将来の製品の方向ですが、大きく分けて二つあります。一つは勿論もっと聞こえを向上する事です。これには、より複雑な製品が必要になります。もう一つの方向はやはり小型化です。体外部品を今よりもわずらわしくなく、目立たないものにする計画です。

Q28−02 技術革新のめざましい今日ですが、人工内耳のスピーチプロセッサの改善により、より良い聞こえとか、情報を流してほしい。
A28−02 技術革新に伴い、WSP→スピーチプロセッサ→スペクトラと三世代のスピーチプロセッサが開発され、性能的にも、たとえばオープンセットでの文の聞き取り検査の成績は30%→58%→78%と飛躍的に向上してきました。ただし、新方式が開発されても、その臨床成績がデータとして承認されるまでに時間がかかってしまうことはご承知おきください。

Q28−03 スペクトラ以上に肉声に近い人工内耳の開発を切に望む。コクレア社一社では困難ではと考えます。日本のメーカー(松下・日立・ソニー等)ともタイアップが必要では。
A28−03 より肉声に近い人工内耳の開発は、オーストラリアばかりでなく全世界で行われております。また現在でもコクレア社の人工内耳には、日本製の部品もたくさん使われております。またアメリカやヨーロッパの部品も使われています。良い製品の開発には国境はありません。

Q28−04 今、人工内耳は外国のものですが、国産品の製造の目途があるのかどうか?あるとすると何年後なのか?
A28−04 外国の方と人工内耳の話をすると、なぜソニーや松下は人工内耳を作らないのか、ソニーならもっと性能の良い機種がつくれるのに、と冗談で聞かれます。残念ながら現時点では国産のめどは立っていません。医療機器はいろいろな制約があるため、国産の機種がでてくるのにはまだまだ時間がかかると思います。

Q28−05 ワイヤレス化への研究開発の取り組み状況を教えて下さい。
A28−05 開発の重点は、強力で極小の電池の入手と信号処理回路をとれだけ低消費、高集積化できるかにかかっており、実現には数年はかかるのではないでしょうか。
[注:1999年には、耳掛型スピーチプロセッサが市場に出てくると思われます。]

Q28−06 もっと肉声に近くなる様な研究開発はしているでしょうか。
A28−06 今年秋に発売された「スペクトラ22」では、今までのスピーチプロセッサに比べてより肉声音に近づき、多くの方々において会話だけではなく環境音・TV・音楽などに関してもよりよい聞き取りが可能となりました。「スペクトラ」では、入力した音情報をスピーチプロセッサが解析して情報を抽出する「コード化法」と呼ばれる部分に改良が加えられました。電極数など体内に植え込む部分には変更を加えずに体外装置だけを改良することによって、既に人工内耳をお使いの皆様にもスピーチプロセッサの改造だけで研究開発の成果を享受していただくことが可能となっております。

Q28−07 人工内耳の研究開発は現在はどの様な目標でしょうか。将来はどの様になると考えますか。
A28−07 現在、次の二点を重点目標として研究開発を進めております。
@会話聞き取りの向上
A小型軽量化
世の中の集積回路等の技術の発展にはめざましいものがあり、将来は、現在皆様がご不満を抱いておられる様々な点を改良していくことも可能になると思われます。

Q28−08 将来的にバイオテクノロジーで蝸牛、及び神経がよみがえる可能性があるのでしょうか?
A28−08 理論的には可能性は十分にあります。聴覚を研究している科学者や医師はこの点に注目して研究を進めているところです。ただ、動物実験で可能となっても、それが人へ応用されるまでには、技術的な面だけでなく倫理的な問題点を解決しなくてはならず、最低でも十年以上はかかると思います。

Q28−09 新製品について教えてほしい。
A28−09 現在日本で使用されているコクレア社(オーストラリア)の商品については、4種類のマップを保存することができ、状況に応じて装用者が選択できるプロセッサや、耳掛け型のプロセッサ、マイクを両耳に装用し、雑音を軽減する効果のある外部装置などが開発されています。また、体内部についても、MRIが必要なときに磁石を簡単な手術で取り外しができるものも開発されています。新しいプロセッサについては、オーストラリアでは昨年暮れあたりから導入され、アメリカでは治験がスタートしたばかりです。このほか、マルチチャンネル型人工内耳では、世界的に普及している物としてアドバンスド・バイオニクス社(アメリカ)、メドエル社(オーストリア)の2つの人工内耳が使用されています。前者は日本でも東京医科大学で2人が手術を受け、現在装用しています。体内部の材質はセラミックです。電極は8チャンネルですが、音の処理方法(コード化法)がコクレア社のものとは異なるため、少ない電極数で効果が得られているようです。3種類のマップを保存でき、電池はリチウム電池(充電式)を使用します。マイクはコイルと一体化しています。また、マッピングそ の他をウィンドウズ上で行います。後者は日本ではまだ装用者はいません。体内部の材質はセラミックで、電極は2本あり、片方が不関電極として作動します。電極数は8または12で、音の処理方法はアドバンスド・バイオニクス社のものと同じです。2社の製品とも、日本での販売代理店が決まっていますので、将来日本でも3つの人工内耳を選んで使用することになりそうです。

Q28−10 次の機種ではもう少し広い音域が入るか、または複数のマップを記憶できるようになることを希望していますが?
A28−10 音域に関しては現在でも十分な範囲をカバーしています。次の機種で大きく広げる予定はありません。しかしマップに関しては、いろいろな環境で最善の聞こえが確保できるように、複数マップが呼び出せるようになります。

Q28−11 将来的な展望で人工内耳のより良い聞こえは可能か?オーストラリアのコクレア本社でどのような開発を進めているのか現状を知りたい。/今研究中のものは何を目指しているか?例えば電話が聞き取りやすいとか音楽も聞き取れるとかetc。見通しだけでよい。教えて欲しい。またそれらは何年後位に我々装用者がそれを使えるようになるのか併せて聞きたい。
A28−11 今後の人工内耳システムが目指す方向は、
1.機器が小さくて目立たないものに
2.装用者にとって使いやすくて便利なものに
1. 高性能なものに
に集約できますが、たとえば次製品に関しては耳掛け式プロセッサやスピーチプロセッサに複数マップが記憶可能などが挙げられます。次製品に関しては98年の春頃には日本に紹介される予定です。[注:新製品の導入は、もう少し遅れて1999年になりそうです。]

Q28−12 大津日赤の医師の話によれば「人工内耳の性能は益々技術開発が進み、数年後には現在使用の箱型スピーチプロセッサも耳かけ式に変わるだろう」とのことですが、平成何年くらいに実現されるのでしょうか?
A28−12 平成10年ぐらい??

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