人工内耳とは? | ||
[この「人工内耳とは?」の内容は、九州大学医学部耳鼻咽喉科の「人工内耳ホームページ」を引用させて頂いたものです。] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 難聴は大きく分けて二種類あります。 1.伝音性難聴 これは、外の音が内耳につたわりにくいために起こります。多くは、慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎などに合併するものです。また、中耳に液体がたまるしん出性中耳炎も小児に多く見られます。うまれつき音を伝える耳の小さな3つの骨のつながりがわるい奇形もあります。これらの多くが、治療の方法があるか、あるいは補聴器で聴力をおぎなうことができます。 2.感音性難聴 以前は神経性難聴とも呼ばれました。これは、音の振動を神経の電流活動に変換する内耳が傷害されているものです。今までは、いったん高度の感音性難聴になると治療が困難でした。最近の電子技術の進歩により、極めて高度な感音性難聴でも、音の振動を電気にかえて直接内耳を刺激する人工内耳という機械が開発されました。すべての人に有効なわけではありませんが、有力な治療手段になりつつあります。 人工内耳とは? Q1−01 人工内耳とはどういうものですか。 A1−01 内耳機能の障害で音が全く聞こえなくなった人に、聞こえを取り戻すための装置です。 Q1−02 どういう人に有効ですか。 A1−02 事故による外傷、髄膜炎、抗生物質などが原因で失聴された方で、次のような適応基準を満たしている人です。 1.両耳とも100dB以上の難聴で、言語習得後(少なくとも2−3才以後)に難聴となった人。 2.補聴器をつけても会話が出来ない人。 3.慢性中耳炎などの炎症が少なくとも片方の耳に無いこと。 4.重篤な合併症(糖尿病、高血圧、腫瘍、内分泌疾患など)がないこと。 Q1−03 人工内耳を使用するとどういうことが期待できますか。 A1−03 リハビリテーション(音を聞き分ける訓練)で回りの人との会話が可能になり、家族や友人とのコミュニケーションがうまく行くようになります。人工内耳を入れた人の中には、電話での会話も可能になった人がいます。 Q1−04 手術はどのようにするのですか。 A1−04 耳の後ろ(側頭部)に人工内耳のコクレアインプラントを埋め込む手術です。全身麻酔下の手術で、入院は約1ヶ月が必要です。 Q1−05 人工内耳を埋め込むとすぐに聞こえるようになるのですか。 A1−05 手術後約3週間くらいで音が聞こえます。しかし、人工内耳は補聴器ではありませんので、人の声などがそのまま以前聞こえていたように聞こえるものではありません。聴神経は数万本ありますが、これを刺激する人工内耳の電極は22個しかないので、人の話し声は人工の声(ロボット)の様にしか聞こえません。それで、これになれるために聞き分けの訓練(リハビリテーション)が是非必要です。リハビリテーションは人工内耳のスピーチプロセッサーを調節しながら週1回で約3ヶ月行います。 Q1−06 人工内耳を埋め込んでもスポーツなどは可能ですか。 A1−06 埋め込んだ部分をぶつけたりしないような注意は必要ですが、可能です。水泳も外部部品を外せば問題はありません。 Q1−07 人工内耳は具体的にどのような機器でなりたっていますか。 A1−07 次の3つの機器で成り立っています。 1.コクレアインプラント(手術により耳の後ろに埋め込む。スピーチプロセッサーから磁気で音の情報と刺激するためのエネルギーの供給を受け、内耳の神経を電気的に刺激する装置。) 2.スピーチプロセッサー(ヘッドセットにあるマイクから音を記録し、これをデジタル信号に変換してコクレアインプラントに磁気的に供給する。またコクレアインプラントを動作させるエネルギーも磁気的に供給する。) 3.ヘッドセット(マイクと、コクレアインプラントへ磁気的に情報とエネルギーを送る送信コイル)。 |
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