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人工内耳友の会−東海−懇談会 平成11年1月31日
人工内耳リハビリテーションについて 大津赤十字病院 耳鼻咽喉科 中竹美津子 最近手術を行った小児の場合について話します。会報にも書きましたが、5才の男の子で,内耳の形が普通でなく,人工内耳で果たして普通の子どものように,音感が得られるか,また,言葉が分かるようになるのか難しい面のある子供でした。 音入れ後四ケ月たちました。生まれた時から聞こえませんでしたので,初めて音を聞いてから,まだまだ,日が浅いわけです。最初の2ケ月は,どんな音が分かるか,小さい音が入っているか,どんな音に気が付くかを中心にみていました。 2ケ月過ぎるころ楽器の5種顆の音が区別できていました。3ケ月過ぎごろかちマップが比較的安定してきましたし,だいぶ、音にも慣れてきました。聾学校の先生と話をして,ことばの勉強の時間に,母音の聞き取りの練習を行うことになりました。どのような方法かと,申しますと,同じ音を何回か繰り返して違う音になった時分かったら教えるようにというものです。また,家族の万には,音を意識させるように話をしました。開始して1ケ月半ぐらいになりました。母音の聞き取りが34%だったのが,84%とアップしました。また,同じ2つの音節のうち,例えば「くろ,しろ」「あか,あお」「みどり,きいろ」「りんご,みかん」など良く似た音の違いが分かってきました。女の子(お姉さんで小学生)の叫ぶ声に,うるさいよと言うようなこともでてきました。身近な人の声は何となく分かり区別ができるようです。また,聞こえたいろんな音を教えるようになりました。 聾学校,家族の方の話ですと,とにかく良く笑うようになった,言ってることが早く分かるようになった。行動が早くなったと言うことです。これは,非常に反応の良い小児の例ではないかと思われます。四月から普通小学校の難聴学級に入学が決まりました。今後もひき続き聾学校の先生方とも協力し合いながら,聞えがよく伸びる方法を考えながら,また全体の発達のバランスを考えながら見守っていきたいと思います。 大人の方のリハビリのことを付け加えますと,良い音をなるだけ沢山,聞いていただきたいと思います。また,音楽は,いろいろな楽器が混じっているよりも,1つか2つの楽器のものを聞く方が楽しめると思います。 |
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