人工内耳友の会−東海−
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人工内耳友の会−東海−懇談会 平成11年1月31日

人工内耳の最新情報
(株)日本コクレア
甘佐格司

日本コクレアの甘佐でございます。
人工内耳友の会−東海−が設立2年目を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。会員の皆様、また運営委員の皆様のご努力の賜物ではないでしょうか。これからますますご発展されることと存じます。
さて、弊社には毎日皆様から多くのお問い合わせをいただきます。本日はその中からいくつかをご紹介をさせていただきます。
_ 人工内耳のご装用の方は、何人?
_ 耳掛け式のスピーチプロセッサはいつ?
_ 人工内耳部品がコクレア以外で購入できるの?
_ スピーチプロセッサ総合保険に入るべきか?
_ 予備のマイクロホンは持つべきか?
_ 公費助成について教えて欲しい
_ 携帯電話は大丈夫ですか?
_ 静電気は大丈夫?
_ 体脂肪計は大丈夫?
_ 今後の課題

_ 人工内耳のご装用の方は、何人?
昨年1年ではお陰様を持ちまして、250名の方が人工内耳手術をお受けになられまして、聞こえを回復されていらっしゃいます。現在までに皆様のお仲間は小児の方から成人の方まで、1200名を越えております。
その年代別はと申しますと、一番多いのが60才代(全体の25%)、次に50才代(全体の23%)、70才代(全体の13%)、40才代(全体の12%)、そして10才以下の年代(全体の10%)と続きます。ご参考までにですが、全体の1.2%は80才代の方でございます。

_ 耳掛け式のスピーチプロセッサはいつ?
皆様の最大の関心事はやはり、22チャンネル人工内耳に対応する耳掛け式のスピーチプロセッサの実用化の件ではないでしょうか。開発は進んでおりますが、具体的な市場導入の時期は残念ながらまだ申し上げられる段階にはきておりません。来年のこの懇談会では、形のあるお話ができればと考えてはおりますが………。

_ 人工内耳部品がコクレア以外で購入できるの?
ケーブル等の部品を、例えば皆様のお近くで購入できないだろうかというご要望も多くございます。ACITA の会報No.43、34ページにご紹介させていただきましたが、比較的ご注文の多い13品目を選びまして、大阪市、福岡市、高松市にございます、弊社販売代理店(株)ダナジャパンの3営業所で人工内耳部品の販売を試験的に実施しております。残念ながら、東海地区の皆様にはご利用いただけませんが、今後状況をみて、次の段階に進みたいと考えております。

ご参考までに、昨年一年間にいただきました、コイル接続ケーブル(短いケーブル)、接続ケーブル(長いケーブル)はそれぞれ各1000本でございます。

_ スピーチプロセッサ総合保険に入るべきか?
スペクトラは3年間、ヘッドセットは1年間の無償保証期間があります。正常な使用状態で生じた故障(電気的・機械的事故)は保証期間内であればコクレア社が無償で修理させていただきますが、スペクトラを誤って水の中に落として(マイクロホンをポケットに入れたまま洗濯してしまった)て修理が必要になった場合は、保証期間内であっても、正常な使用状態ではないので、修理は有料(約4万円)になります。また保証期間を過ぎた修理は全て有料となります。
このような偶発的な事故によって修理費用が生じた場合に、スピーチプロセッサ総合保険が有効となります。(年間保険料:スペクトラ---19,720円、MSP---27,600円、免責金額は5,000円です)
最初の3年間は、正常使用する限りは保証の範囲ですので、3年たったら保険に入るとおっしゃる方もいます。偶発的な事故はいつ起こるかわからないので万が一のことは考えておくべきだとおっしゃる方もいます。皆様、それぞれのお考えがあるようです。
この保険はあくまで任意の加入でございますので、皆様でご判断ください。この保険は平成6年10月からスタートして、昨年12月現在、375名の方がご加入されています。
尚、この保険はジャーディン インシュアランス エージェンシー 株式会社が窓口で取扱をしております。詳細はジャーディン宛にお問い合わせください。
TEL.03-3592-0601
FAX.03-3592-0605

_ 予備のマイクロホンは持つべきか?
マイクロホンに湿気(汗など)が入った場合には、聞こえが悪くなります。湿気がなくなれば聞こえるようになりますが、汗を多くかかれる体質の方は、予備を持っておかれることをお薦めします。
さてこのマイクロホンですが、音入れから、ずーと同じマイクをご使用になられている方もいらっしゃると思いますが、こういうお話もありましたのでご紹介させていただきます。
「近頃、聞こえが悪くなってきたような気がする。ケーブルを交換してもあまり変わらない。聞こえないわけではないので、そのうちに慣れるかもしれない。少し様子を見よう」というようことで、何年も様子を見られた方がいらっしゃいました。いろいろな原因が考えられると思いますが、この時はマイクが原因でした。
マイクロホンも時間がたてば感度が悪くなってまいります。このような症状の方がいらしたら、是非、別のマイク(例えばラペルマイク)でまず聞こえをチェックしてください。よく聞こえるということでしたら、マイクロホンの修理(平均的には修理代は2万円ぐらいです)が必要です。

_ 公費助成について教えて欲しい
残念ながら、成人での例はありませんが、小児では例がございます。児童福祉法による補装具の給付において、「真にやむを得ない事情」があれば、告示された補装具の種目(福祉法補聴器)以外のものの給付を受けることができます。これが「基準外交付」と言われているもです。
FM補聴システムというものがあります。主に小児が学校で使用することを想定したシステムで、話者のマイクロホン(送信機)から、音声をFM電波にのせてスピーチプロセッサが接続された受信機に送ります。騒音下での聞き取りが向上します。
このFM補聴システムが、基準外交付でいくつかの市町村で認められています。
平成8年8月に初めて認められました。これが前例となり全国的に広がってきました。平成9年には7市町村、昨年は20の市町村で申請が行われています。
東海地方では3市町村で認められています。
また、昨年は、オーディオインプットセレクタの基準外交付が1例認められております。

_ 携帯電話は大丈夫ですか?
デジタル式携帯電話によって、動作に障害を受ける可能性があります。周囲1〜4メートルの範囲に携帯電話を使用している人がいると、雑音が聞こえる可能性があります。そのような場合には、スピーチプロセッサの電源を切るか、携帯電話から十分な距離を取るなどの対策を行ってください。また、デジタル式携帯電話を使用する際には、人工内耳システムと干渉を起こさないことを十分に調査してください。

_ 静電気は大丈夫?
静電気によって、植え込まれた装置の電子部品が壊れたりスピーチプロセッサの中のプログラムが消えてしまう可能性があります。静電気が帯電している場合(例えば衣服を頭から着脱したり、乗り物から降りる時)には、スピーチプロセッサやヘッドセットが物体や人に触れる前に、導電性の物質(例えば金属性のドアの取っ手)に触れて、静電気を逃がしてください。またプラスチック製の滑り台での遊びのように静電気が大量に帯電するような場合には、予めスピーチプロセッサとヘッドセットを外し、直接植え込み部には触れないことなどの対策を行ってください。
(詳しくはACITA No.43、58ページから61ページをご参照ください。)

_ 体脂肪計は大丈夫?
電流を体内に流して体脂肪を測定する方式の体脂肪計は避けて下さい。ただし、赤外線を使用して測定する方式のものは問題ありません。

_ 今後の課題
メーカーとして製品のレベルを向上させること、問題解決に迅速に対応できる十分なサービス体制を整えていくことなど弊社に課せられた課題は今後ますます大きく、且つ重要になってまいります。今まで以上に皆様との連携を深めつつ、努力する所存でございますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

以上でございます。




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