人工内耳友の会−東海−
小学生・中学生難聴児への情報保障

2003.12.20

 三田パソコン要約筆記サークル「三田フレンズ」12月勉強会

【小学生・中学生難聴児への情報保障】


記/☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp


♪今回は“クリスマス直前”、しかも、「これから冬休みぃ〜!ヽ(^o^)丿」という、12月20日(土)だったにもかかわらず、多くの方々にお越しいただき、誠にありがとうございました。♪

日 時 / 平成15年12月20日(土)
場 所 / 東京都障害者福祉会館内 
情報保障/ パソコン要約筆記(スクリーン表示)
ソフト / IPtalk
表示用P.C.(スクリーン)画面設定/「デスクトップを画でカバー」

「画(絵)」を描いてくれたお友達/Mくん
(作品)「クリスマスベル&クリスマスブーツ」

進めかた/
|(第一部)小学生難聴児への情報保障について、保護者の協力
|(第二部)中学校の難聴学級と、
|     中学生同士の「手話&パソコン要約筆記の試み」
|(第三部)お子様字幕を、体験してみよう!(入力体験)
|     「すべて ひらがな にゅうしょく!」

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≪第一部≫ 小学生難聴児への情報保障について、「保護者の協力」
|現在小学生の難聴のお子様を持つ、4名の保護者の方々に
|お話をしていただきました。


【1/Mさん(お子様:Sちゃん 小学5年生)】

(1)難聴児クリスマス会にパソコン要約筆記をつけようと思ったきっかけ

|・子どもたちに知ってもらいたい。
|・次に、保護者の方にも知ってもらいたいと思った。
|・「保護者の手書き要約筆記」の内容で、「情報保障」としての
| 筆記ができているかどうか、疑問の声。
|  ↓
|※よって、「情報保障としての重要性」を考えた。

●子ども達の反応●

3年前(P.C.要約筆記を取り入れた当時)
|低学年=見慣れないということもあり、
|    スクリーンの方をあまり見ていない様子。
|高学年=比較的、文字をよく見る習慣がついている子どもいるので、
|情報保障としてはかなり良かったと思う。
|※現在は、クリスマス会以外にもパソコン要約筆記を取り入れている。

聴力の違いによる、スクリーンの見方
|聴力の重い子ども=スクリーンをずっと見つめている感じ。
|聴力の軽い子ども=司会者の声を耳で聞きながら、聞き逃したところを
|         確認するような感じで、スクリーンを見る。


(2)自分の子どもの学校のパソコン要約筆記の取り入れについて

<Sちゃん 小学5年生 聞える学校に難聴児は1名>

●一番初め=ボランティアによる文字通訳●

・子どもの授業にパソコン要約筆記を是非取り入れてみたいと思ったのは、私(母親)。
・子どもは、子供会や成人難聴者の集まりでもパソコン要約筆記を見る機会はあったので、「パソコン要約筆記」のことは知っていた。
・「自分のためによく分かる授業を見てもらいたい」と私が思い、学校の先生と交渉。担任の先生の配慮で授業にサポートに入る許可をいただく。
・1回目=小学生4年生のとき。教室での授業を1時間、体育館でのクラブ発表会の授業に2時間。

♪この時の子どもの感想
|教室内授業=担任の先生がFMマイクをつけているので、ノートP.C.の画面を
|      補助的に見て授業を終えた。

|体育館行事=マイクの声がほとんど聞こえないので、文字による情報保障が
|      あって、内容がとてもよくわかったと、とても喜んでいた。
|      普段の体育館での集会や、大勢での集まりの時、音は聴こえるが
|      話している言葉の内容がほとんどわからない。
|       (なんとなく分かる程度。)
|      しかしP.C.の文字を通じて内容をみんなと同じように共感でき、
|      嬉しかった。

●2回目以降=母親による文字通訳●

・5年生になり、「学級会」がとても増えた。
子どもより、「話し合いの時間に、友達の発言が聞こえない。」と訴え。
学級担任に相談をし、何回か私が授業の中に入り、サポートをしてみる。

♪この時の子ども感想
|一番最初にサポートに来たボランティアと全然能力が違うことに不満。(^^ゞ

今後は、子どもの要求に応じて、パソコン要約筆記を続けて行きたいと思っているが、本人が、「学校での特別な扱い」ということにとても、敏感になっている。
その辺を子どもと相談し、学校側の協力をお願いしつつ、考えていきたいと思っている。


|宮下/ありがとうございました。
|   Mさんのお宅では、ご自宅のパソコンにもIPtalkをインストールして
|   下さっています。
|   それは他ならぬ、“パパの力”だと伺っております。
|   では、パパさんから、ママが頑張っている姿を見ての感想等を
|   お願いします。

|Mパパ/家では特別のことはしないようにしていますが、女房が
|    「子どものために…」と一生懸命やってますので、
|    私は出来る範囲だけ手伝っています。

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【2/Oさん(お子様:Yくん 小学2年生)】

(1)体育館行事「演劇鑑賞会」、ノートパソコン表示

●きっかけ●

小さいときから演劇を見るのが大好き。
小学校に入り、一般の演劇を見に行った時に子どもからの、「なんて言ったの?」「書いて。」等の要望に、私からこたえきれず、困り、メーリングリストで相談。
「パソコン要約筆記」という提案を受けた。

●つけるにあたり●

子どもはパソコン要約筆記は見たことがあった。
当日の入力者(M下)のことも知っていたので、「M下さんが学校に来て、パソコンに文字を出してくれるというので、それで劇を見るのはどうか?」と聞いたところ、すごく喜んだので、試してたほうが良いと思った。

●学校・劇団への説明●

すごく不安だったが、入力者と相談後、演劇鑑賞会まで10日期間しかなかった。
学校側は協力を受け入れてもらえるか、神経を遣った。入力者より「他校での経験」を聞き、学校に伝え、了解を得た。

●校内の難聴児は、息子一人●

公立の小学校で難聴児が一人なので、どこからどのように話を進めていけばよいのか不安だった。
たまたま夏休み後に担任にも、「劇を見に行った時、息子から要望が出て、演劇鑑賞会が心配だ。」と相談したところ、機械に強い先生でしたので、すぐに対応していただけることになった。

●劇団への説明●

学校のほうはスムーズに受け入れらたが、劇団側は、想像以上に難しく、事前に説明することはできなかった。
学校側としても、「劇団には当日、説明を。」という事で、朝、設営時間に入力者と共に劇団に話したが、理解を得られなかった。
私も、「どうしようか…。」と思っていたところ、入力者より、改めて機材や方法などの補足説明があり、最終的に劇団側からもOKを得られた。

劇団側からの条件は2点。
|「暗転がある。パソコン画面が明るすぎて目立たないように。」
|「入力者が目立たないように、児童と同じ、床に座るように。」

●親の気持ち●

1年だったので、「ひらがな」は読めるが、漢字も少しおぼえ始めた状態で、実際に「文字」をどのように使えるか不安だった。
しかし、入力者より、「見たい時に見て、少しでも内容がわかり、劇が楽しめればいい。見ていなくてもいいんですよ。見ない自由もあるから。」と言われ、自分の子どもがどこまで文字を利用できるかわからなかったが、肩の力が抜けた気がした。

「見てなくて、学校からの印象が悪くても、親の判断が早過ぎたと思って、時期がきたら、またお願いすれば良いよいのだ。」と思えた。
当日も不安はあったが、「息子にとって、少しでも良ければ…。」と願いながら、自分も演劇を鑑賞した。

●パソコン要約筆記をつけて、「良かった」と思う点●

息子は、「体育館」という場所では人工内耳は使いこなしているが、「ことばを聞き取る」という事は難しかった。
しかし、終了後、「劇の内容」について、たくさん話ができたことが、それまでとは大きな違いだった。

また驚いたことは、演劇の中で、スピーカーから「飛行機の音」が聞えたシーンがあった時のこと。
「作った音」だからか、息子には、飛行機の音にはまったく聴こえなかったようで、
 「なぜ『ひこうきが とぶ おと』という字幕が出ていたのか?」
と問いかけがあった。
「生の音」とは違い、わからなかった、と。

あとで、「あれは、そういう場面で、それが『飛行機の音』だったのだ。」と本人のなかで整理ができたようで、そういう事も良かったと思っている。

●学校のその後…●

この時の「演劇鑑賞会」が上手くいったので、その次の学芸会もパソコン要約筆記をつけた。(ノートP.C.表示)
学校への最初の印象が良く、「学級にいる時より、集中して見ているので、本当につけて良かったですね。」と、担任の先生や校長からも話があった。
その後の「学芸会」は、すんなりまたつけることができた。

●全体の感想●

一番最初に、「どうしたら良いでしょうか?」とM.L.に投稿したことがきっかけで、子どもにパソコン要約筆記をつけ、文字を見せることができた。
M.L.のお蔭で自分と息子にとって良い体験ができたので、他の人に聞かれたときには、恥ずかしながら、自分たちが学校に説明した内容や様子などをお伝えしている。

「演劇鑑賞会」「学芸会」という特別な行事ではあるが、パソコン要約筆記を付けることができて良かったと思っている。
また、学校や劇団に対して説明をするとき、「他の場所での経験がある」ということは、大切なことだと感じた。

これからもできる限り、事前入力の手伝いや、要約筆記を探している保護者の方々にパソコン要約筆記のことをお知らせしたいと、思っている。
子どもを育てながら、そちらでがんばろうと思っている。
(入力の勉強も、少ししています。)
入力者の皆様にはご協力いただくことばかりですが、これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。


|宮下/ありがとうございました。少し、Y君にお話してもらおうかな。Y君!

|Y君/はい!ヽ(^o^)丿

|宮下/学校にパソコンを持って行ったり、この前もホールにパソコンを持って行って、
|   みんなで見たでしょう。 パソコン、おもしろいとおもう?

|Y君/おもしろいです。

|宮下/ママやパパと一緒に、パソコンで遊んだりするの? 

|Y君/します。

|宮下/どういうことにパソコンを使いますか?
| 
|Y君/ゲームをしたり、絵を描いたりします。

|宮下/今日のクリスマスの絵もお友だちが描いてくれたので、今度、Y君、書いてね。
|   どうもありがとうございました。m(__)m

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【3/Fさん(お子様:Mちゃん 小学2年生)】

(1)校内に数名の難聴児がいる学校に入学して

皆、学年は違うが、校内に4名の難聴児が通っている。(「難聴学級」は、ない。)
娘が入学するとき、「先輩(難聴児)がいる。」いうことで、親としての緊張はなかったように思う。

娘(人工内耳を装用)は、もし、学校のお友だちに、「それ、何?」と言われたとしても、「人工内耳そのもの」の説明もできないまま入学してしまった。
しかし、「難聴のお友だち」がいるので、そのあたりは、わりとリラックスして、入学させることができた。

先生も、「補聴器・人工内耳を着けている。」という説明でも、「○○ちゃんと一緒ですね。」と緊張もなく、リラックスしてお互い、話しができたかと思う。
そういう点では、恵まれていると思った。


(2)体育館行事「演劇鑑賞会」、ノートパソコン表示:2台

●その“前”のパソコン要約筆記「卒業式」●

この「演劇鑑賞会」前に「卒業式」で、「送り出す側の5年生」に難聴児がいたため、その子に、「ノートP.C.表示」で、パソコン要約筆記を付けた。
これが、うちの学校で、「はじめてのパソコン要約筆記」になる。

勿論、うちの娘も他の学年のお子さんも出席することはなかったが、
 「これから自分たちの子どもたちも、行事でパソコン要約筆記を付けたいな。」
と考えていたので、まず、高学年のお子さんの要約筆記を実現させようと、他のお母様方と学校側に交渉。
「卒業式」という内容で、事前に作成する原稿がかなり多く、また、話の内容を聞かせたいという希望で、学校は快く承諾してくれた。

●「演劇鑑賞会」へ、字幕を…。●

その次が、この、「演劇鑑賞会」だった。
しかし行事が「卒業式」とは違い、「演劇に文字が必要か?」というところで、先生方の意見もわかれたようである。
学校への交渉は、私ともう1名のMさんでおこなった。

まずそれぞれの担任に話しをした。
うちの担任はどちらかというと、「演劇に文字が必要かどうか?」という疑問を持っていた。

そこで、先程のOさんの「演劇鑑賞会」の様子が掲載されているホームページをプリントアウトして、「ここでは、このような、形でおこなわれたそうです。」と担任の先生に手渡し。
「ちょっと見て下さい。」という形で、そのときは私の意見もあまり述べず、「こいういう機会を持って頂けたら…。」と言ってお渡した。

それから、1週間位して、「読みました。」ということで、またお話。
それでも、「演劇に文字は必要かな?」という感じだったが、「“そこに文字がある”という安心感があるだけでいい。」というところを全面に打ち出し、担任の了承を得ることができた。

先生にしてみれば子どもの普段の様子を知っているので、「そんなに、文字が出てきても…。」と、とても素朴な疑問があったのだ思う。
しかし、自宅では、テレビの字幕も、5歳くらいからつけて見せていて、理解しているのかどうか、最初はわからなかったが、いつの頃からか、「字幕」を必要としだすようになってきていた。
最近はもう字幕がないと、「字幕がない!」と、怒るくらいになっていたので、「文字」が何かしらの情報源になっていると思う。

担任との交渉を終え、Mさんと2人で校長先生にお願いに行ったところ、校校長先生は、「卒業式のあれですね。」という感じで、快く、その場でOK。すぐ劇団に電話をしてくださった。
劇団もその場で返事をくださり、台本を郵送してくださったので、その後、私とMさんの2人で「台本」を入力。
入力をしたのは私も初めてで、よくわからず、このときは「メール本文に入力」し、そのまま宮下さんに送った。

●当日●

学校からは、「ノートパソコン表示」「1ヶ所に集まって」ということで、OKが出ていた。
うちの学校には難聴児が数名、在籍している。
各自のクラスの席でも「ノートP.C.表示」で見ることができるのであるが、学校から「パソコンを利用する難聴児は1ヶ所に集まって。」と言われていたので、その旨、難聴児の保護者に伝え、お子様に聞いてもらった。

その結果、2名の難聴児が「パソコンの文字が見たい。」と言うことになり、学校が指定した場所に席を設けた。
入力者は「離れたところ」を予定していたが、劇団の人が劇の最中に、会場を走り回るのと、「特別な舞台作り」をしていたので、体育館が狭くなっていたため、難聴児2名、入力者1名の合計3名が並んで座ることになった。

●終わってみて…。〜子どもの感想・先生のことば〜●

「子どもの感想」…とまではいかないが、主人公の名前がわかったり、出てくるいろんな役名の名前がわかっていたようで、いつもよりは、家で「劇についての話」もできたかと思う。

担任の先生は、「どのくらい見ているのかしら?」という厳しい目で見ていたのか、「あまり、見てはいなかったようですね。」というコメントだった。
私は、
|「まだ娘は2年生なので、私も全てを見てほしいとは思っていませんでした。
| ただ『今のは何だったのかな?』というときに見るくらいで構わないと。
| それが1つ、2つの単語であっても、『目の前にパソコンがあってよかった。』と
| 思える瞬間があったら、それで良いんです。」
とだけ、お伝えした。

「卒業式」に続き、「演劇鑑賞会」は、このようにすすめられた。
その後、「学芸会」にも付けさせて頂いた。
このときは、もう、学校側も、「あれですね。」という感じで、何のトラブルなく付けさせていただけた。
また、「要約筆記」という言葉だけでも多くの人に知ってほしいと思い、「広報」にも掲載していただいた。
他の学校でも、広がると良いと思う。

これからも、ここの学校に入ってくる難聴のお子さんもいらっしゃると思う。
また、私の娘も高学年に上がっていき、いろいろな会を経験すると思う。

「これからも、何事もなく要約筆記がつけられるように…。OKがいただけるように…。」と、学校に説明していくのが、今の親の役目だと思う。
難聴の子どもたちには、他の多くの聞える友だちと同じように、学校生活を楽しく送ってもらいたいと思っています。
以上です。ありがとうございました。

|宮下/ありがとうございました。
|   「最初に学校にパソコンを持ち込むまで」が、ものすごく大切。
|   以前は私が説明にいきましたが、今ではお母様がたが学校に説明をし、
|   準備をしてくださっています。(私は事前に学校には行ってません。)
|   また、今では、「紙媒体で届いた劇の台本」等は、お母様方が手分けして
|   パソコンに、入力してから、こちらに送ってくださるようになりました。
|   本当に助かり、感謝しております。

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【4/Mさん(お子様:Rちゃん 小学4年生)】

(1)平成15年7月「子ども向けのパソコン要約筆記体験と親の会」

●地域の状況●

日本に20数箇所しかない「難聴幼児通園施設」が区内にあり、設立35年を経過しているため、通常の人口比より難聴者の人口が多い。
また、かつての「難聴児」も成長し、「難聴者」と呼ぶにふさわしい年齢になってきたので、「難聴児を持つ親の会」ではなく、「難聴児・者を持つ親の会」と言う名称に改称した。

「親の会」は区から認定された正式な障害者団体であり、毎年「補助金」が出ている。
以前はその補助金を「娯楽関係」の企画に使うことが多かったが、昨今の経済情勢で、補助金は削減傾向になり、その使い道も厳しく審査されるようになったので、「今後は勉強のために使おう。」ということになった。

●平成14年、要約筆記元年:勉強会・講演会シリーズ開催●

ちょうどその頃、別の地域の親の会のH田さんの「M市のサポートシステム」についての講演を聞きに行き感激。自分たちの区でもこれをやりたいものだと強く思う。
また、今の会長自身が難聴で、苦労されて勉強してきたこともあり、「自分の子には要約筆記をつけてあげたい。」と、親の会の中で話してくれた。

「文字のサポートがつくようにしよう。」しかし、どうすればいいのか分からない。勉強会シリーズ第一弾に、先進的な取り組みをしているS区の難聴学級の先生をお招きし、講演していただいた。
その先生がおっしゃるには、
|「なぜサポートが必要か。
| 難聴児は分からなくても、「うんうん」うなづいている。
| 自分で考え、自分で選んでいない。そういう生活を続けていると、
| 子どもの人格形成にも支障をきたす。
と。
それを聞いて、自分の子どもの将来に悲観的になってしまった。

私も以前は、子どもにとても厳しかった。
子どもが「難聴児」ということが常に頭にあり、「聞かせて、言わせて、教えて」育ててきた。
そこに子どもの選択の余地はなかった。有無を言わせぬ迫力があったらしい。
子どもも、きっと、「ママはこわい…。」と思っていたに違いない。
しかし、そう思わせておいて「教え込んできた」歴史がある。

ただ、いつまでも「ねえママ、いい〜?」とチラチラと親の顔をうかがい、自分では何も決められないままでは困る。
親の指示や判断がなければ前に進めない大人になってしまったら、どうしよう…と。
やはり少しでも自分の子どもには、“自分で”「聞いて、考えて、えらんでほしい」と思った。

「親の会」の会長と、今現在、難聴児を持つ母親の気持ちが1つになり、昨年(平成14年)、「○区要約筆記元年」として勉強会を沢山おこなった。(難聴学級の先生の講演、難聴の大学生の講演、手書き要約筆記を実際に体験してみようという親の体験講座、などなど)

●「要約筆記」勉強会について告知したときの、“親”“難聴児・者”の様子●

|・ある程度(思春期以降)の年齢の難聴者、その親
|  =「ふ〜ん…」。「いまさらね…。うちは、もういいわ。」
|・今現在「難聴児(就学前〜小学校低学年)」の親
|  =真剣。昨今の情報に敏感で、とても関心が高かった。
|   まだまだ文字のサポートは必要ないだろうと思われるような
|   「難聴の赤ちゃん」をおんぶしたお母さんまでも、
|   泣いてくずる赤ちゃんを気にもかけず後ろの方で講演を聴いている。

その後、この年の秋(平成14年)、ある小学校の演劇鑑賞会で、「パソコン字幕」を付けることができた。
それを皮切りに、2つの学校の学芸会で「パソコン字幕」をつけることができた。
普及活動の効果がゼロではなかったとみんなで喜んだ。

●自らの「体験勉強会」へ●

1年間、「座学の勉強会」だけだったので、「体験を通した勉強会」をすることに。
「要約筆記」といっても、子どもには何のことか分からない。
「見たこともない子が殆どだったので、どんなものか経験をしてもらおう」と言うことになった。

そこでM下さんに「要約筆記体験」ということで、「子ども対象の文字表示」を依頼。
保護者と難聴児に見てもらった。
話者が話していること(リアルタイム)を、
|スクリーン/小学2年生までに習う漢字を使用。
|ノートP.C.3台/すべて ひらがな
この2種類で入力→表示してもらう。
子どもは好きなほうを見てよい。

今回の「体験の勉強会」は、「見て、知ってもらうこと」が目的。
今後、何かの時に、「あのときのアレね。」と思い出せれば、それでよい。
それぐらいの気持ちだった。
そして、平成15年の実績は?
今のところ、演劇鑑賞会でのパソコン字幕が3校、学芸会が2校。
回りの実績をもとに、学校へ切り込んで行っている。

●今後…●

私たちの区には、幸運にも仲間がいっぱいいて、皆、自分たちで、パソコンを買ったり、もらったり…。
そしてIPtalkをインストールするなどして、勉強会も始めた。
まだまだ授業レベルでの情報保障などはできないが、学校行事とか、社会見学などでサポートできれば…と思っている。

親同士は近所(区内)に住んでおり交流も深い。
また、私たちは“難聴児の親”として、「難聴児の特性」を知っている。
これらの経験や知識をいかしたサポートができたら…と、分かりやすいフォローの仕方を研究し、いつか、親同士でやってみたいと思っている。

|宮下/ありがとうございました。
|   Mさんの区の「難聴児・者を持つ親の会」では、既に会としてP.C.を購入。
|   ボランティアで来て下さる入力者の方々の荷物を少しでも減らせれば…と、
|   「表示用P.C.」は用意して下さっています。
|   全国には、100校近い聾学校があります。
|   しかし、難聴のお子様の多くは、「聴こえる学校」に通学しています。
|   聴こえる学校に在籍している難聴の児童・生徒は、通常1〜数名ですので、
|   「難聴児が在籍する学校の数」というのは、かなりの数になると思います。

|   さて、ここでRちゃん。

|Rちゃん/はい!

|宮下/Rちゃん。Rちゃんが小さいとき、ママ、こわかった?

|Rちゃん/こわかった!(笑)
|     私が保育園とかに通っているとときから、世界一こわかったです。

|会場/(笑い)

|宮下/じゃ、やさしいときは、どんなとき?

|Rちゃん/やさしいときは、にこにこしているとき。(^_^)

|宮下/Rちゃんの学校には、人工内耳や補聴器をつけているお友達いるよね。
|   みんなで、どんな、お話とか、遊びとかするの?

|Rちゃん/最近、「なわとび」か「おにごっこ」とかが、はやってます。

|宮下/Rちゃんは、自分の人工内耳の電池が切れちゃったら、どうしてる?

|Rちゃん/ママにやってもらったり、自分でやったりするよ。

|宮下/はじめて自分で電池を取り替えたのは、いつ?

|Rちゃん/覚えてないんだけど、3年生のときからだと思う。

|宮下/すごいね! はい。どうもありがとう!

★親より:人工内耳の電池の交換はかなり小さいときからやっています。
     質問されると緊張しちゃってうまく答えられないんですね。

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【ここまでの質問】

会場K/2番のOさん(Y君)から、「入力者の座る場所も用意させてもらえなかった。」と発表がありましたが、どのようにしたのか状況を教えて下さい。

宮下/床に座り、「あぐら」をかいて、その足(あぐら)の上にパソコンを置き、入力しました。
劇団より、「イスに座ると目立つので、床に座るように。」と言われたので、その通りにしました。

|〜平成14年9月 観劇鑑賞会(体育館での行事)
|◆小学1年生への「パソコン ノートテイク」◆
|http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/new_sub/akemi204.htm

●「聴こえる学校」では難聴児の数が少ない(1〜数名)のと、学校との話し合いは、保護者の方にお任せしているので、「学校のご了解が得られた範囲」でおこなっている。
するとたいていは、その子だけに文字を送る、「ノートP.C.表示」になる。

小学校の体育館での「演劇鑑賞会」。
(演劇鑑賞会=プロの劇団が学校に来て、児童・生徒に演劇を見せる、)
プロの劇団の方が舞台セッティングをする。
その「舞台&座席設定」は、劇団により、本当にいろいろな形がある。

<舞台設置例>
|Yくんの学校 /舞台=「ひな壇」のような「階段状」。
|        客席=床。

|Mちゃんの学校/舞台=床に丸い平坦な舞台。
|        客席=段差をつけ「すり鉢状=円形ホール」のような形。

|Aちゃんの学校/舞台=床。
|        客席=イス。
|       (1学年1クラスごとにわかれて演劇鑑賞。)
|       (あえて少ない子どもに、近くで見せるように作っていた)


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≪第二部≫ 「難聴学級」のある、聴こえる中学校
|「難聴学級」の存在とは?
|「生徒間同士での、パソコン要約筆記、手話通訳」

【ゲスト/江戸川区立鹿本中学校「難聴学級」教諭:Y口先生】

Y口先生は、現在、「難聴学級のある、区立中学」の先生。難聴の生徒さんへ、“英語”を教えている。。
聴こえる学校→聾学校→聴こえる学校→(自ら希望を出し)→難聴学級のある聴こえる学校→難聴学級のある聴こえる学校。現在に至る。聾学校での経験は11年以上。

中学校の難聴学級は、現在、東京には“中学”で12校。
小学校と違って、校内通級がほとんど。現在の鹿本(しかもと)中学校の場合、難聴のお子さんは通常学級に籍があり、そこから「英・数・国」の時間だけ難聴学級に通っている。
しかし、「発語指導」などを、小学校・中学校の時代に受けても、中学を卒業したあと、高校には「難聴学級」がない。全国で唯一、京都にのみ、難聴学級がある。

中学時代に、きちんと学力をつけないと、その先への進路・進学に影響が出る。鹿本中では難聴の生徒は、「英・数・国」を難聴学級で受けている。
そこで、「発語指導」や「聴能訓練」などもおこなっている。

今、私は「英語」を持っているが、その生徒の成績は、通知表で、「4と5」だけ。
それだけ学力も付けられるということ。

下谷(したや)中学は、日本で初めて「中学校で難聴学級がつくられた学校」。
(※現在の『柏葉(はくよう)中学校』)

当初は、3人の先生がいっせいに授業をやるという状態だった。
授業は「教室の角」にわれておこない、先生たちも難聴の生徒も、お互いがそれぞれに大きな声を出す。

しかし、「静かなところ」でおこなうのが「難聴の教育の原則」。
先ほど保護者の方々が、「学校に情報保障に対する理解を求めるため」に苦労をされていると話されたが、私は最初、下谷中学校に入ったとき、「教員への理解」を求めるのに苦労した。

当時の難聴の生徒は、「通常学級」では“借りてきた猫”のようにおとなしい。しゃべらないで、うつむいている。
しかし、「難聴学級」に来ると人が変わったように暴れ回る…という、「本来の自分」に戻るので、「なんかへんだな…」と感じていた。

聴力的には、結構重い、100dBを超えている子もいた。
私は、ろう学校にいたので、手話をつかい、「手話を覚えたほうが便利だ。」と言い続けた。
しかし、難聴の生徒本人は、「自分の聞こえている範囲」でしか聞いてないので、「聞こえている、聞こえてない」の認識もない。
「何故、難聴学級にいるのか?」ということからはじめ、私が手話を使い、生徒にも覚えさせ、学校行事でも私が一人で「手話通訳」をしていた。

その年の卒業式では、派遣協会に「手書きの要約筆記」を依頼。来て頂いたが、その時も職員会議で反対が多かった。
理由は、「厳正な式に、そのようなものがあると、目障りである。」と。

このように、差別意識はかなり教員の中に普遍的に蔓延していた。
日本の中学は、同じでなくければならないとか、横並びの保守的なところがあり、職員会議でもそこを闘わなければならない状態だった。
そのときには「心障学級」の先生が、「それは差別だろう!」と怒ってくれたが、それ以来、差別と闘いながら、情報保障を付けた。

しかし、“1回”情報保障を付けると、「去年もありました。」と言うことで、スムースに進む。2回目からは全く問題がなくなった。

そうしているうちに、難聴の生徒がいろいろな地域から通ってくるようになり、1996年には、「1つの学年に12名の難聴のお子さん」が一気に入った。
「1つの学年に12名の難聴の生徒」というのは、すごい!
そのときに一学年で100人だったので、難聴児の割合が、10%をこえる。中学校の中に、ろう学校が1校、できたような感じになる。

既に学校内では「手話」が「もう1つの公用語」としてはやっていて、廊下でも生徒同士で手話で話をしている。
それを見て、周りの子も指文字を覚える。
2年生になったときには、まわりの聴こえる生徒が「手話通訳」ができるようになった。

その後、足立聾学校小学部を卒業した生徒が入学。その子は「手話」は知らず、「指文字」のみを物凄い速さの指文字を使っていた。
私には速すぎて読み取れなかったが、「指文字」を覚えるのは簡単なので、生徒のほとんどは「指文字」で会話をしはじめた。
子どもは覚えるのが早い!

「聴こえる生徒も、聴こえない生徒も『指文字』で話す…」という光景。(笑)
通常学級の先生は指文字を覚えていないので、「教室で、悪口言われたら困る。」など言われたが、「それは私のせいではない。」と答えた。(笑)

学校自体が大きく変わっていった。「聴こえないことが当たり前だ」と。
難聴の生徒のほうが、いばっている状況も生まれた。
その子たちは運動能力もあり、そのうちのひとりが、ブラジルにサッカー留学に行っている。
運動神経もよく、学校の中では何不自由なく暮らすことができた。

しかし、その中で問題が“逆の面”で生じた。
「軽い難聴のお子さん」が、あまりうまくいかなかったことである。

「手話・指文字が、生徒間での公用語」ということで広がったが、「ある程度聴こえる子」は、自分で覚えようとしないので、手話をつかうことが偏見があるらしい。
親からも、「手話を使わせないで欲しい。」言われたこともあった。

しかし、そういう子ども達が、「自分が何者か」わからなくなって、不適応ぎみに…。
周りの子が見る見方も、“ある程度、聴こえる子”は、本当は聴こえていないのに適当な受け答えをするので、聴こえる生徒からは、「自分のことを無視した。」と思われるようになる。

“うんと聴こえないお子さん”は、周りの子は指文字手話をつかってくれるので、コミュニケーションが取れ、逆に“軽い難聴のお子さん”は、人間関係が上手くない子もいた。

それから昨年、異動で、現在の「鹿本(しかもと)中学」に赴任。
下谷中学で、「難聴の市民権を作る」という事を経験したが、軽いお子さんのため、また、「学力の保障」が、手話だけではきつい…という気がした。
できれば文字による情報をつけたい。

自分自身はパソコン入力は速くないし、手で書くと字がヘタで、誰も読めなくて役に立たなかった。必要性は感じたが、できなかった。(現在、パソコン入力を勉強中。)

資料として配らせていただいたのは、「難聴学級通信」の第1号。
現在、鹿本中学校の中にいる難聴の生徒は7名。重い難聴のお子さんもいる。
以前は軽い難聴の生徒が多かったが、今は、110dB〜85dBの生徒が増えてきた。

鹿本中学校内でも、やっと、「手話」が使える子が増えてきた。そういうのを見ていると、周りのお子さんも変わってくる。
「手話を使かおうかな…」と。

私が赴任してくる前に、別の中学で「ノートテイク」の経験がある先生がいて、その先生が「手書きのノートテイク」をおこなっていた。
さらに、その前から、「手話部」があり、その中で、「事前に書く、手書きの要約筆記」もやっていたようだった。

そこで、昨年より、私が「手話部」の子にパソコン要約筆記を教えている。
中学生の能力はあなどりがたく、素早く吸収する。1分間に230字、打つ子もいる。
生徒の「要約の力」、「タイピングの力」も伸びてきている。


『難聴の子の中での問題』について。
学力…。中学校は特に大変。情報保障が不可欠だと思う。
そして恐ろしいのは、孤独…。どこの難聴学級でも不適応をおこしている問題は、通常学級の生徒と上手く行っていない、誤解、無視などにより、「いじめの対象」になっている。

これは、お互いに理解できないからである。
新入生のところに行って「聴こえないとは、こういうことなんだ。」という話をしている。
同僚の先生がシュミレーションをして、「聴こえの状況」説明。
「みんなは補聴器をつけると『聴こえる』と思っているかもしれないけど、本当は違うんだよ。』と、「指文字表」を渡し、障害理解教育をおこなっている。

すると、難聴の子どものまわりに、「守ってやる」「対等」という感じで子どもが集まってくる。
下谷の時も、そうだったが、「やってやる」という気持ちの子は少ない。
ただ困るのは、通訳している“意識”がないこと。
壇上で目立っているだけの通訳や、口話をつけない通訳をしてしまう子もいる。
「なんのための手話、手話通訳か。」をきちんと分からせなければいけないのだが。

不登校の児童・生徒は、全国で12万人位いると言われている。生徒たち自身が、「何のために生きているのか?」というアイデンティティーを見失いやすい世の中。
そのなかで自分自身が問題を抱えている子どもが「手話部」に入ってくることがある。

そいう意味では、「自分のために」手話を覚える。そして、そういう中で、自然にその子たちが難聴のお子さんとつき合えるようになる。
チャットをして、他愛のない話をしあう。
健聴、難聴の子も、チャットを通じて自由に話ができる。コミュニケーション上の何の支障もなく、つきあいができる。
「サポーター」をつくることが、難聴学級ではすごく重要なことだと思う。

『授業』の様子。
通常教育(聴こえる学校での、聴こえる生徒への授業)の経験は4年位ではあるが、聴こえる子供達は1クラス何十人もの生徒が一様に教えられ、授業が進められていくので、個々の生徒があまり大切にされていないような気がした。
しかし、難聴の子は、いろいろ手厚くサポートされているので、全然違う。
難聴学級は一つのオアシスのような状態だろうか。

聾学校と難聴学級を比べると、それぞれのメリット、デメリットがあると思う。
ろうあ連盟が以前、アンケートを取った中に、「インテグレートした感想・意見」を載せたものがあった。
その中で、聴覚障害のお子さんが、一番つらかったのは『中学校』だと。「ものすごく、辛い思いをした。」と…。
そして、聾学校に戻ったお子さんは、「心が安定した。戻って良かった。」と言うお子さんもいた。

『聴覚障害児・者の国語』として、「手話」を大切にしている人たちは沢山いる。
やはり、「手話」は聾者の母語であり、自然な会話が楽しめる。それに比べ、口話は、訓練に非常に時間がかかる。
私自身も「手話」は大切に思うし、難聴学級でも取り入れてきた。そして、聴こえる生徒にも手話を教え、皆が自然に手話をつけて話をする環境を作ってきた。

「サラマンカ宣言」では、「全ての子どもを、普通の学校へ」と発表したが、「聴覚障害の子だけはろう学校へ。その中では、手話をつかうべきだ」と述べている。
このような背景から、学校教育の中で「手話」が広がってきたが、聾学校の先生で、「バイリンガルの方法」について研究をしている人は少ないと思う。

難聴学級は『書記言語』、書き言葉が中心で生活をしている。
通常、書き言葉は必然的に覚えていくものである。大きな集団の中にいると、書き言葉がしっかりしてくると分析している。
書記言語をきちんと獲得するためには、インクルージョンが必要だと思う。
そしてその中で「要約筆記」が、やはり役に立つ。書記言語がのばせるからである。
以上。


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宮下/ありがとうございました。

●今年の秋、鹿本中学校での文化祭。
Y口先生と、「生徒さんと一緒にパソコン要約筆記を。」と話を進めている中、縁あって、お伺いする機会ができました。
「文化祭=イベント」ですから、歌あり、踊りあり、お芝居あり…。
絵を入れたり、写真を組み込んだりしながら、楽しく「パソコン字幕」をスクリーン表示させていただきました。

生徒さんと一緒にパソコン字幕をおこなうために、1週間ぐらい前に学校にお伺いし、生徒さんたちと打合せをしました。
事前の「台本入力」を生徒さんにお願い。「セリフとしての加工」は、こちらでおこなったのですが、本番では、「セリフ出し」を生徒さんにやっていただきました。

学校にもよりますが、たいていの場合、「学校のパソコンにインストールしてある、要約筆記ソフトの状態」は、デフォルトのままです。
ですから、生徒さんとおこなうときには、私たちが通常おこなっている設定方法をお教えすることもありますが、できるだけ、普段、生徒さんが使っているものがそのまま使えるよう、こちらで考えています。

文化祭当日は、“オトナの入力者”として、T友さんとO川さん、そして私の3人がお伺いさせていただきました。
“生徒さん情報保障者”として、6名(2人1組、3ペアー)の生徒さんに、「お芝居のセリフ出し」をしていただきました。

●鹿本中学の「難聴学級」の様子ですが、部屋は防音設備が整っており、そこで、発語や聴覚の訓練もできるようになっています。
カーペットが敷いてあり、入るときには足音が響かないように、靴(上履き)を脱ぎます。

部屋がいくつかに分かれているのですが、その一部屋にパソコンが、デスクトップが5〜6台、ノートパソコンが3台ほど、置いてありました。
生徒さん達は楽しそうにチャットをされたり、インターネットを見たりしています。入力が速い生徒さんも多いです。

先生もお話してくださいましたが、チャットであれば、聴こえる・聴こえないに関わらず、何の障害もなく、通訳も不要で話ができます。
勿論、背を向けたままでも、離れていても大丈夫。皆さん、とても楽しんでいらっしゃいました。

●また「聾学校」についてですが、聾の子供達のコミュニティーを作り、アイデンティティーを形成するためにも「聾学校」は必要で、その学校内の「聾・難聴児の人数」が多いほうが良いと言われています。
しかし、1校の全体の生徒数は多くても、自宅から遠かったり、親とはなれて寄宿舎や寮に入るのは…と思うと、「分校」のような形でも良いから、「聾学校1校あたりの生徒数は減るが、小学校低学年でも自宅から通えるように、聾学校の数を増やしてほしい。」という意見もあると伺っています。


●ところで…。
Y口先生もそうですが、一つの学校のなかに、一人でも見方になってくれる先生がいると、学校の雰囲気は変わります。

会場に、今日も来てくださっているT大学のO田さん。
O田さんの大学では、難聴教育にとても熱心な先生がいらっしゃっり、自ら、「情報保障」について、考えてくださっています。

その先生の応援もあって、数年前よりO田さんが中心となって、「生徒間での通訳のボランティア、サポートシステム」を作り上げ、実行されています。
少ししか時間がありませんが、O田さんにも、コメントお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。


【T大学 O田さん(難聴)】

パソコンでの要約筆記(文字通訳)ができるようになるまでは個人差もありますが、かなり時間がかかります。
最初は、「もともと、パソコンに使い慣れている人」を中心に、入力をお願いしていました。
私たちの学部は文系で、パソコンが得意な人は育たないという状況があるため、今も「手書き要約筆記」のほうが多いです。

要約筆記としても「外へのボランティア活動」は、学校の近くの小学校に演劇の時に限り、3〜4回、ぼくたち大学生からお願いして、やっと入りました。
その時、お子さんたちは、物凄く楽しそうに見てくれてました。
僕も、昔、授業で要約筆記があったら、もっと楽しい生活が送れたと思います。


宮下/今日は本当にありがとうございました。
   今後とも、よろしくお願い申し上げます。

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≪第三部≫【すべて ひらがな にゅうりょく」の れんしゅう】

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≪おしまいに...≫
【会場の皆様からの感想(当日の会場からの意見を抜粋)】

●難聴児の保護者●

1)自分の子どもも難聴児ですので、今日の勉強会はとてもタイムリーな企画だと思い参加。良かった。
2)いろいろな本、インターネットを探しても、「ろう教育」に関するものは多いが、「難聴関係の情報」が少ないので、今日の話はとても勉強になった。
3)知人に誘われて参加。来年、娘が小学1年生になる。自分はインテグレートした経験はないが、今の状況と、昔の状況と変わっているので、今の状況がどういうものか知りたくて参加した。生の声が聞けて良かった。
4)夫婦で参加。皆さんの話の他に、実際の「パソコンによる情報保障の様子(スクリーン表示)」も見る事が出来て、良かった。
5)息子が19歳、難聴、人工内耳を装用。小中学校、高校も普通学校。サポートを何もせずやってきたので、今日のお話を聞き、「もう少し、前にしっていれば、息子もいろんなことが経験できたのに…。」と、残念に思いました。
6)息子が「手書きノートテイク」のサポートを受けるようになったのは高校2年生から。現在、予備校に通っている。M下さんとの勉強会をきっかけに、息子への「パソコン」でのサポートを依頼。多くの入力者の方々とともに、来ていただいた経験あり。そのとき、情報量の多さに驚いた。今日は多くの方々の話を聞きたいと思って参加。良かった。
7)小学6年の娘が難聴。難聴学級の先生の話、実際に聞える小学校に難聴児を通わせている保護者の方々の話が聞けて良かった。
8)自分の子供も難聴で、「ことばの教室」に通っているが、他の難聴児の保護者の話を聞いて、笑ったり涙したりした。
9)今日初めて参加。子どもが難聴。軽いほうなので、面と向かって話をすれば、聞えているのだが、授業や友だちとの他愛のない会話が聞えにくい。その点で悩んでいたので、今日の話はとても勉強になった。
10)今日のこの 会のことはネットサーフィンで見つけ参加。小学4年の娘が難聴。自校通級「聞こえの学級」に通っている。他のお母さんがたの話を聞き、「同じ学年に難聴児がいることは、心強いんだな。うちは恵まれた環境にいるんだな。」と思った。

●ご本人が難聴者・聾者●

1)知人に誘われて参加。来年、娘が小学1年生になる。自分はインテグレートした経験はないが、今の状況と、昔の状況と変わっているので、今の状況がどういうものか知りたくて参加した。生の声が聞けて良かった。
2)今日初めて参加。大学の中で、「大学生同士」でパソコン要約筆記をやっていることを聞き、すごくビックリした。
3)僕が昔学生だったころは、「手書きノートテイク」と「手話通訳」の2つだけだった。今はパソコンでの文字通訳もできるようになって、良かったと思う。
4)現在、人工内耳を装用。自分自身は成人になってから聞えなくなった(中途失聴)ので、「難聴児の様子・気持ち」というのはわからなかったが、今日の話を聞いて、とても勉強になったと思う。
5)自分自身が難聴、補聴器を装用。ほとんど口の動きを読み取っている。私が小学校のころはパソコン自体もなかったし、普通の学校だったが、席も「一番前の決まった席」という、その程度の配慮だった。


●聴者・情報保障者・勉強中のかた●

1)はじめて参加。初めて聞く話ばかりで驚いた。また参加させていただきたいと思う。
2)保護者の方々や、難聴学級の先生のお話を直接聞くことができ、とても勉強になった。
3)身近に「聞える学校に通っている難聴児」がいなく、接したことがなかったので、リアルな話をきけて良かった。
4)今日はいろいろなはなしを聞いて、とても参考になった。今後も多くの情報を得ていきたいと思う。
5)現在のパソコンによる文字情報は、とてもスムーズになってきていると思う。5〜6年前は大変だった。
6)難聴学級のお母様方のお話。初めて聞くことが多く、とても参考になった。
7)お子さんたちは確実に心も体も成長する。教室にあって、「自分が特別扱いされたり目立ったりすることを、とても気にする年頃にかかる」ということを伺い、私たち情報保障をする側も、それを、踏まえてしていかなければならないと感た。
8)中学校に情報保障にいく予定があり、今日は、「中学校での様子とは、どういうものか?」と思い、参加。皆さんの話を聞き、「東京は進んでいるな…。」と思った。機会があったら、自分の地元の人の話も聞きたいと思った。
9)今日は、実際のことに関わっている人の話を聞けて、興味深く感じた。
10)「難聴学級での授業」の話を聞き、逆に、「聴こえない人より、ある人のほうが環境が悪い事もある」と、「少人数制での授業」、これが有効なのではと考えさせられた。
11)手書きの要約筆記の講習会に参加した事があり。パソコン要約筆記と比較し、手書きだとスピードがついて行かず、1/5くらいになる。そうすると授業中の、「ちょっとした事」、「なぜ笑っているのか?」などを伝えきれないもどかしさがあった。
しかし、パソコンは、たくさんの情報を伝えられる反面、「子どもが長時間にわたり、これだけの文字を読み続ける大変さ」という負担もあると思う。長所、短所があるなと思った。
12)パソコン要約筆記と手話を勉強中。聞こえない方との交流も、今までは「大人の方との交流」が主だったので、聞こえない子供たちの現状や情報保障の現場もほとんど知らない状態でしたので、今日は、すべてのことが勉強になった。

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≪代表より...≫ (〆っ!!)

個人の感想と代表からの感想を。
勉強会のはじめに、「パソコン要約筆記は聴覚に障害をがある人の社会参加を支援するために、音声を文字化する」、と言いました。
しかし、ややもすると、社会参加支援のためへの活動ではありますが、「どのようにしたら意味が通じるか?」「話しに追いつくためにどうするか?」というような技術に走りがちです。

今日の皆様からの話を伺い、社会参加支援を実現するためには、技術だけでない、「多くのこと」が必要だと、私自身、勉強させていただきました。

学校の情報の関係で保護者が周囲にどう、はたらきかけるか?
どのように協力を求めていくか。どのように交渉するか?
鹿本中学校のY口先生の話では、学校の立場で、「周りの先生の理解」を、どう、求めるか。

私もこの活動を5年くらいしていますが、平日は現場にでられませんので、今日は本当に初めて聞く話が多くて勉強になりました。
感謝の気持ちを表したいと思います。ありがとうございました。

発表してくださったMさん、Mさん、Oさん、Fさん、Y口先生、ありがとうございました。
情報保障を担当してくださった、T崎さん、T澤さん、T友さん、T中さん、ありがとうございました。

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【 ☆「12月」を担当した反省と、感想。☆ 】

♪今回も、このテーマで行うにあたり、本当に多くの方々のご協力をいただきました。
「一人の話をじっくり聞く、体験談講演会」というのは、いろいろな開かれているのですが、実際には「ケース」と言うのは、「難聴のお子様、一人一人の数」だけあり、みな、「形・環境・性格・様子」等が違います。
ですから、短い時間であることはわかっておりましたが、「できるだけ多くのケース」を知っていただきたいと思い、このような形を取らせていただきました。
もっと細かく聞きたかった皆様、ごめんなさい。m(__)m

♪お子様への文字サポート(通訳)の場合、「そのお子様が求めている通訳内容、適した通訳の形」というのは、様々です。
|1)無音で「口形」のみで言い直す。
|2)隣に座って「手書き」で要点のみを筆記。
|  大事なところは“○”で囲んだり、“アンダーライン”を引くなどの
|  「直接的なサポート」。
|3)「キュード」や「簡単な手話」での通訳。
|4)ノートP.C.のみ、その子の席に置き、入力者は離れたところで入力。
|5)入力者も隣に座って、入力。
|6)ノートP.C.表示。
|7)スクリーン表示。

また、「生徒同士での通訳」も、それを受ける「難聴の生徒さん」の気持ちは様々で、同じ生徒でありながら、「おこなう側」「受ける側」とわかれてしまうことに抵抗を感じるお子様や学生さんもいらっしゃいます。
と同時に、「おこなう側」の生徒さんが、「自分が通訳すること」にのみ集中してしまい、「これは、通訳・情報保障なんだ。」ということを忘れてしまう場合がある…という話を聞いたこともあります。

いろいろな「場面、環境、気持ち」を考えた上で、「お子様・保護者・学校の先生方」と協力しないながら進めていくことが大切だと、常日頃、感じております。

♪「企画」の場合は、「ゲストの方々のお話を聞く」だけではなく、参加してくださった皆様の「感想・意見・質問」等をお伺いする事により、より深く、広く、その日のテーマについて、皆で考え直す場にしていきたいと思っております。
そのために、いつも、【質疑応答】【会場の方からの感想】などの時間を設けております。

また「実際の経験・体験」というのは、その人本人にしか出来ませんが、「ゲストの皆様・協力者の皆様に発表していただくこと」で、皆で「情報・体験」を少しでも共有し、考え、「新鮮な意見・新たな角度からのご意見」等をいただきながら、次へのステップに進めたら…と思っております。

♪年が明ければ、すぐに「卒業式シーズン」の準備ですね!
4月は「入学式」がメインですが、3月は、「祝う会・修了式・卒業式…」と、いろいろな形での「卒業関係」の行事があります。
どのお子様も、ほかの児童・生徒さんと同じように楽しみ、感動し、巣立っていくことが出来るよう、私達も感動を分け与えていただきながら、お伺いさせていただきたいと思っております。

♪最後になりましたが、ご協力いただきました、ゲストの皆様、Sちゃん、Mちゃん、Yくん、Rちゃん、「絵」を描いてくれたMくん。
文字通訳として情報保障(スクリーン表示)を担当してくださった、T崎さん、T澤さん、T友さん、T中さん。
本当にありがとうございました。ヽ(^o^)丿
今後とも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。m(__)m

(クリスマスカラーは“赤&緑”だよん。(^_-)-☆)

☆みやしたあけみ☆§^。^§☆ 【E-mail】 akemizo@beige.ocn.ne.jp




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