人工内耳友の会−東海−
「着ぐるみ劇」での字幕・文字表示

2004.1


幼児〜小学校低学年向け
【「着ぐるみ劇」での字幕・文字表示】
●ノートパソコン表示●
『ヘンゼルとグレーテル』



記/☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp

みなさま、こんにちは。☆宮下あけみ☆です。
引き続き、こちらのページでは、「幼児〜小学校低学年向け」の【「着ぐるみ劇での」字幕・文字表示】、2つめの【ノートパソコン表示】について記させて頂きたいと思います。

小さなお子様も、お父様・お母様方も一緒に劇が楽しめたらいいナ…。
宜しければ、お目を通してみてくださいね。

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【「着ぐるみ劇」とは】

劇団の方々が「着ぐるみ」を着て(かぶって)、演技をおこなうものです。
対象年齢が、幼児〜小学校低学年という「お子様対象」のものですので、演技・身振りも大きく、ストーリーも、聴こえる者にとっては分かりやすく作られています。

しかし、「着ぐるみ」をかぶってしまいますので、例え一番前に座って舞台を見ても、難聴の聴覚活用をされているお子様にとっては、「口形」を見ることができず、「今、何て言ったのか」、正確に把握することはできません。
これは、「お面をかぶっての劇」や「人形劇」も、同じことが言えると思います。

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【2/ノートパソコン表示の例】
『ヘンゼルとグレーテル』ヽ(^o^)丿



主催/劇団
参加費/有料
座席/全席自由
難聴児の人数・ノートP.C.台数位置/難聴児8名・ノートP.C.4台
難聴児の位置/1階、上手側(舞台に向かって右側)、真ん中の通路のスグ後ろ。
入力者席/一番後ろ。数箇所ある「車椅子席」の1箇所に「机+イス」を置く。

表示方法/ノートP.C.表示
機材/表示用P.C.4台、入力用P.C.1台、予備P.C.1台、
LAN環境/アクセスポイント、無線LAN、ハブ、ケーブル、予備ケーブル20m2本。

<依頼者=保護者>

ノートP.C.表示やスクリーン表示での「パソコン字幕」の利用経験があるお子様の保護者のかたより、ご相談がありました。

|「3ヵ月後、1月に『子ども対象の着ぐるみ劇』があります。
| 毎年、楽しみに見に行っているのですが、やはり聞き取りには難しい面があり、
| 最近では、ただ、流れを楽しむだけではなく、
| 『何て言ってるの?』というセリフにも興味を持ち始めてきました。
| 地域には難聴児が何人もいます。
| もし、字幕を付けていただけるのであれば、地域の保護者の方々と相談して、
| 劇団に『お手紙』を書いて送り、ご了解をいただきたいと思っております。」

このご相談(ご依頼)を受けましたので、私からは、「『スクリーン字幕の例』『ノートP.C.表示の例』『それぞれの準備方法・機材・照明等の説明』」を保護者にお伝えしました。
そして、「劇団との話し合い」は、全て「保護者の方々」がしてくださることになりました。

<保護者の希望と、劇団の意見>

保護者としては、「行こう!」と思ってチケットを購入予定の難聴児が8人。
その兄弟がいて、保護者がいて…という、「難聴児関係者」だけでも、ある程度まとまった人数になり、席も「全席自由」ですので、「スクリーン表示」を希望し、劇団に申し入れました。
しかし、これは受入れられませんでした。

劇団の方が「OK」してくださったのは、以下の通りです。

<OK内容>
|(1)文字のサポートを付けること。
|(2)そのために、ボランティア(入力者)が入ること。
|(3)ボランティア2名のチケット代は、支払わなくて良い。
|(4)ノートパソコン表示で。座席は事前に確保して良い。

<配慮すること>
|(A)他のお客様のご迷惑にならないように。
|(B)安全には最善の注意を払うこと。
|(C)セッティングは事前におこない、「難聴児関係の席」は確保しておくが、
|   一般には「全席自由」になっているので、
|   「開場少し前」には、一旦、外に出て、「開場」と同時に席に着く様に。
|(D)事前に必要なセッティングは、保護者と入力者でおこなうこと。

<劇団からのあたたかいお言葉>

スクリーン表示は認められませんでしたが、劇団のかたより、とてもあたたかく、力強いお言葉をいただきました。

|「どんなにきちんとした理由があっても、クレームをつけるお客様はいます。
| 『車椅子席』だって、『どうして、全席自由なのに。』と、
| 劇団に連絡をしてくる人はいます。
| しかし、もし、今回、その場で皆さんに何か言ってきた人がいたら、
| 『私たちは、ここの部分において、劇団より了解を得ています。
|  恐れ入りますが、劇団に直接、連絡をして下さい。』
| と、ハッキリ言ってくださって結構です。
| 後日、私たちのところに、そのような連絡が来た場合にも、
| きちんとこちらで対処します。」

スクリーン表示であれば、「全席自由」の場合、難聴児関係者も他のお客様と同じように、好きな場所に座れるのですが、今回は「ノートP.C.表示」になりましたので、「座席の確保」が必要です。
保護者も、「今回ははじめてなので。」ということで、劇団のご了解の範囲で文字サポートをおこなうことで納得し、「次回へつないでいこう!」と、まず、「表示方法=ノートP.C.表示」が決定しました。

(事前準備へ/さぁ、ここまで決まったら、あとは実際の『事前準備』です!)

<台本の入力>

「台本」は、劇団のかたが事前に、「保護者代表」に送ってくださいました。
それを、今回の場合は、当日参加する保護者のうち、4人のママさんが手分けして「パソコンに入力」し、各自、送ってくださいました。
これは、とても助かることです。ありがとうございました。m(__)m

<座席(位置)を決める>
実際の会場への下見は、2度、おこないました。

1回目は、難聴児2名、保護者2名、ミヤシタ、そして、「そこの会場の人」です。
大ホールでしたので、お子様としてはやはり「一番前」を希望されますよね。(^_-)-☆
しかし、「ノートP.C.表示」ですので、「一番前」だと、かえって見にくい。
また、「表示用パソコンを置くための机」を置かなくてはなりませんので、「会場の関係」2箇所の中から選ぶことになりました。

|(候補:1)1階一番後ろにある『車椅子席=平らのスペース』の1箇所に
|      『机+イス』を置く。
|(却下理由)狭い…。難聴児だけで8人いる。

|(候補:2)1階席、真ん中の「会場を横切る通路」のスグ後ろの一列。
|(決定〜!)ホンノ少しだが座席が広めだったので、そこに「長机」を置く。
|      作り付けのイスでは低いので、各自「座布団」を持参する。
|(入力者席)1階席、一番後ろの「車椅子席」。
|      車椅子席は数箇所あったので、
|      その中の1箇所を利用させていただく。

2回目は、難聴児3名、保護者2名、「劇団」、会場の人、ミヤシタです。
実際に「表示用の机」を設置。
「表示用P.C.」を机の上に置き、一番後ろの「入力者席」から文字を無線LANで送り、「表示用P.C.」に文字を出して、難聴児を含む関係者の皆様に見ていただきました。

この、「実際の様子」を見ていただいたことにより、劇団の方にも会場のかたにも、「パソコン字幕」の方法・形態がハッキリ分かり、「このようになるのですね。分かりました。」と、改めてご了解をいただくことができました。

<本番当日>

『準備』
早い時刻から「会場入り」が認められましたので、保護者・入力者で準備へ。
8名の難聴児の保護者の方々は、「パソコン字幕手伝い係り」「セッティング係り」「子ども係り」…等など、お父様&お母様がたが「係り」を分担し、作業に取り掛かってくださいました。
そのお蔭で、「入力者数」は、2名だけでもスムースにおこなうことができました。

表示用P.C.は、「キーボードなどをお子様が触らないように」と、キーボード部分にカバーをして、固定。
コンセントからの延長コードは、“いつものように(^_-)”、古新聞で“のり巻き”のようにくるんで、それを、床や壁に固定。
他のお客様の歩行の妨げにならないよう、会場の方にチェックしていただきながらおこないました。

『本番中』
離れてはいましたが、入力者席からお子様たちの席、パソコン表示画面が見えましたので、確認しながら、字幕を出し続けました。
演劇前後の「会場アナウンス=影アナ」部分は、ある程度、「お子様に分かりやすい言葉づかい」にかえて、表出しました。

<聴こえる保護者の方々の声>

終了後、「速やかに撤収!」だったのですが、片付けがてら、「難聴児席」の後方に座っていらっしゃった保護者の方々に、
|「前にあったノートパソコンに字幕を出していたのですが、気になりましたか?」
|「聴こえないお子様のための字幕表示だったのですが、
| 邪魔じゃありませんでしたか?」
とお伺いしてみました。

全体的に、とても好意的なお答えをいただくことができました。(^o^)V
|「気になりませんでしたよ。」
|「あったんですか? 自分の子供のことと、劇に夢中で、気がつきませんでした。
|「聴こえないお子様も見たいでしょうから、いいんじゃないですか?」

<難聴児の保護者の声>

利用された難聴児の保護者の方々より、終了後、コメントをいただきました。

|「できあがった“りっぱな 要約筆記席”を見たときは、感動しました。
| ここ何年もの間、『少しでも内容がわかって楽しんでほしい…』と、
| パンフを事前に読んだり、
| 劇の間も小声で説明したり、紙に書いたしていたことを思うと、
| 夢のようでした。」

|「子どもの様子を見ていると、『よくわかっている』と思う場面がたくさんあり、
| 感動が倍増しました。
| 振り返って、私に説明することもあったほどです。」

|「魔女が『“むいて”と“ういて”』『“おしり”と“おわり”』を間違えて歌い、
| 会場の皆が笑っているときも、
|  『“ういて”と“むいて”を、間違えてるよ!』
| と、『笑いのツボ』を、説明してくれました。」

|「うちの子は、はじめてのパソコン字幕でしたが、
| 自宅でもテレビに字幕を表示して見ているので、違和感はないようでした。」

|「子供たちの感想は、
| 『聞き取りにくい声の時、字幕があって確認ができて良かった。
|  特に、魔女がヘンゼルやグレーテルたちと一緒に、おどけた歌を歌う場面で、
|  “パチパチパチ”が本当なのに、魔女は“バチバチバチ”と歌って、
|  “おしまいよー”を“おしりだよー”と間違えて面白かった。」
| と、当日の劇団のパンフレットにも載っていない、
| でも肝心な笑わせてくれる場面等が分かってとても良かったと感じました。」

|「最近からですが、自宅でも字幕を付けて見せるようになりました。
| しかし、『字幕が出る』ことが分かると、自分から『字、出る?』と聞いてきて、
| 自分でセットしています。
| ですから、今回も劇に『文字』が出ることを事前に伝えると、
| とても喜んでいました。」

|「帰宅してからも、兄弟で、『パチパチパチ!』と、劇の中の歌を歌って、
| 楽しそうに遊んでいるのを見て、『文字の力』は必要なんだと痛感しました。」

|「子どもがどの程度『字幕・文字』を利用でき、理解できていたのかは
| 分かりませんが、
| 『言っていることが分かると、楽しんだよ。』ということを分からせるために、
| どうすればよいかを、改めて考えるきっかけになりました。」

|「テレビ字幕をあまり利用していなかったのですが、
| これからは、見せてあげたいと思いました。」

<ミヤシタの反省点>

●今回は2回目の下見で「表示確認」をおこなったとき、『文字が少しでも残っているほうが、ゆっくり見ることもできるから。』というリクエストもあり、「スクロール方式」で表出しました。
これは、事前に「声の入手」ができなかったため、テンポが予測できなかったのと、台本は2ヶ月前のものでしたので、変更の可能性も考えられた、という面でもあります。

大人の場合であれば、「先に字幕を見て、劇を見る」人が多いのですが、お子様の場合は、「劇」を見ていて、『え? 今、何て言ったの?』と、「あとで」字幕を見る場合が多いようです。
そのため、今回は、『あとにも文字が残っているスクロール方式』にしました。

ただ、表示用P.C.の画面の大きさがマチマチでしたので、1行に載る文字の数が多少、マシーンによって異なり、4台のP.C.画面の文字にうつった「改行」にズレがありました。
同じように表示され、スクロールされていくので、全てのP.C.を、同じ設定にすべきだと思いました。

次回、もし、事前に『声テープ』や『劇団の練習場所に、リハーサルにお伺い』することができれば、『声の速さ、テンポ』等が確認できますので、映画字幕のような『切り替わり方式』にしても良いかな?と思いました。
ただ、台本は2ヶ月ぐらい前にいただけますが、当日までの間に変わることがあるので、そのあたりの細かい連絡は、より、必要になります。
(1つ目に紹介した『アンパンマン』は、映画字幕の様な『切り替わり方式』です。)

●今回の『表示用P.C.』の画面設定は、
【背景色:黒】【文字:白】【フォント:丸ゴシック太字】。

「セリフのない時」、「暗転」の場合などは、『表示用P.C.』の文字をあげて、画面上、『真っ暗』にしたのですが、マシーンによって、パソコンの液晶画面が、もともと明るいものがありました。
新しいパソコンであれば、あるほど、明るいです。

ずっと文字を見続けているわけではないのですが、やはり、暗転の時には、会場は本当に真っ暗になるので、「目に優しい明るさ」、「明るさのトーンを考えて」、パソコン液晶の明るさ自体を事前に設定しておく必要があると思いました。

●今回は、お子様の座席の前に机を設置、そこに表示用P.C.を置きましたが、できれば、この列の座席は「表示用P.C.列」としてつぶして、お子様が見る席は、その「後ろ」にしたほうが、『舞台と字幕が自然と視界に入る』バランスとして、良かったかもしれないと思いました。

ただ、そのためには、「有料の席を、一列、つぶすこと」になりますので、主催者様の、さらなるご理解が必要になります。
もし、“次回”があったら、一緒に作戦を練りましょうネ!(^_-)-☆

<最後に…>

今回は「表示用P.C.」を4台、用意しましたが、私が持参したのは3台(表示用2台、予備1台)で、あとの2台は、地域の「難聴児者を持つ親の会」と「保護者」から提供していただきました。

また、「事前の台本入力」も、保護者の方々が手分けして入力してくださいましたし、お子様たちも、事前の「下見」に来てくださり、座席の高さなど、アドバイスを下さいました。
本当に、皆様に助けられて、本番を迎えられたと思います。
ありがとうございました。m(__)m

この地域の保護者の方々は、自らも「パソコン要約筆記・パソコン字幕」のことを知りたいと努力されている方々ばかりでしたので、入力してくださった台本を「前ロール加工」したものを、お送りさせていただきました。
入力者として、「ママ&パパさんチーム」がデビューする日も、遠くないと思います。
|特にパパさんたちは、ソフトのシステムに興味をもたれている方、
|マシーンに詳しいかたが多いので、楽しみです。ネ!! (^_-)-☆

また、今回、現場をお手伝いくださった、T友さん。
朝早くからお越しいただき、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。m(__)m

「お菓子のおうち」…。
お屋根がチョコレートだと、暑いと溶けちゃうのかなぁ〜?(^_-)-☆

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【「イベント字幕」の共通点】

●場所の確保●

「消防法」「火災予防条例」などにより、そのホール・会場ごとに、通路に机などを設置してはいけない場所があります。これは守らなくてはなりません。
また、「車椅子使用者とその家族(付き添い)」の方々のための「平らなスペース」がありますが、そこは、そこしか利用できない方がスムースにご利用いただくために、あけておいたほうが良いと思います。

この「車椅子使用者とその家族(付き添い)」の方々のためのスペースを使わせていただく場合には、事前に主催者、会場関係者の方々と、よく、打合せをして下さい。

●座席をつぶす●

イベント等の場合、よく、「1階席中央より後ろ部分」の座席をつぶして、いろいろな機材をおいて、作業をしているスタッフを見かけることがあると思います。
主催者が自分の出し物のためにおこなっているのは予定の計画通りなのですが、イベント発表後に、こちらから「字幕を付けたいので…。付けてほしいので…。」とお願いする場合、チケットが「有料」であれば、それなりに興行主様もお気にされます。

そのためのきちんとした説明と、「聴覚障害のあるかたも、一緒に、このイベントを楽しみにしているんです。そのためには、情報保障が必要なのです。」ということをご理解いただけるよう、利用者の方々とともに、努めて行きたいと思っております。

●何処にでも自由に座れるように…●

「ノートP.C.表示」、もしくは、「磁気ループが決められた範囲でだけしか効果が得られない場合」は、それらを利用する人のための「指定席・優先席」が設けられることは、仕方がないと思います。

しかし、「会場全体に磁気ループが設置されている・準備がない」、
そして「スクリーン表示」の場合は、スクリーンの位置を決め、文字の大きさを調整する時点で、「できる限り、どこからでも文字が読めるように」セッティングしています。

今回、ここに記させていただきました2つの事例は、ともに、「小さなお子様向けの、着ぐるみ劇」でしたが、今後、もう少し大きくなったら、子供同士で、演劇や映画を見に行かれる日がくるでしょう。
そのときの友だちが、「聴こえる友だち」であれば、多少、自分が「聴こえにくい、不自由な思い」をしても、「聴こえる友だちと一緒の席」に座りたいと思うと思います。

スクリーン表示であれば、ある程度、何処に座っても文字が見えます。
また、無線LANが設定してあり、バッテリーがきいたノートP.C.を自分で持っていれば、自分の好きな場所に座ることができます。
(実際には「台」がないと、「ずぅ〜っと手で持っている」っていうのは、かなりキツイとは思いますが。)

勿論、主催者様や会場で「字幕」を準備し、アメリカの劇場や映画館のような、「座席の後ろに字幕を出す装置」を設置してくださるようになれば、こういう悩みもなくなると思うのですが、今は、そこに向かうまでの過渡期として、ボランティアとして「普通のパソコン」でもできる範囲で記させていただいております。

●文字表記●

事前に台本がいただける場合は、その「台本に沿った、文字使い、文字表記」をおこなっております。
ただし、対象となる年齢にあわせて、「ひらがな」にしたり、「ふりがな」を付けたりしております。

また、「読んで内容を把握する」ために、画面上、文字数を少し少なくするために、言葉・文字数を調節させていただく場合があります。

「ノート表示」の場合は、利用者との打合せだけで済むのですが、「スクリーン表示」の場合は、劇団の方にできるだけ事前に、確認していただくようにしております。
そのために、リハーサルやゲネプロ(本番同様の、衣装・お化粧・音・照明でおこなうリハーサル)があるときには必ずお伺いし、こちらも実際に表示して、チェックしていただいております。

●絵・写真など、画像の表示●

「お子様のイベント」だけでなく、「イベント」の場合、素人の私でも、いろいろなソフトを利用して、聴こえるお客様も一緒に楽しめる、共有できる表示をさせていただく場合が多いです。
勿論、素人のボランティアですからできる範囲は決まっていますし、プロの映像技師の方々には足元にも及びませんが、「楽しいね。」「おもしろいね。」「きれいだね。」と言う感じのものを表示することができます。

その時使用する、「絵・写真」などは、作っているこちらで考えて選び、表示するものですので、やはり、「リハーサル」等で実際に投影し、チェックしていただいております。
勿論、「照明」との兼ね合いも大切な事前確認です。

だいたい、こちらで作っていったものでOKが出るのですが、今まで、以下の4つでペンディングがかかり、作り直した経験があります。

|(1)軽い視覚障害者も来ると思うので、「色」は使用しないでほしい。
|   →全体を通して、「背景色:紺系統」、「文字:白or黄色」に統一。
|   →これは、「歌」も「リアルタイム字幕」も通しておこなう。
|   →リアルタイム=P.C.要約筆記ソフト、歌=パワーポーイント使用。

|(2)「歌」字幕。「フォント」のイメージが違うので、変えてほしい。
|   →その場で出演者に選んでいただき、変更。

|(3)この「ロゴ」は表示しないでほしい。
|   →その場で削除。

|(4)この「絵」は使わないでほしい。こっちならOK。
|   →速やかに変更。

●「照明」との兼ね合い●

いくら「情報保障のため」とは言えども、会場が「暗転」し、全く「会話・セリフ・発言」がない場合は、表示も暗くしたいものです。
パソコン画面を「黒一色」にすれば、スクリーンは、「黒」ではありますが、ノートP.C.表示の場合、液晶画面は薄ぼんやりと光っています。

「気になる・気にならない」は、個人の差がありますが、特に表示用がノートP.C.の場合、それを見る「利用者の目」にも優しい設定が必要になると感じました。

また、「会場の照明の明るさ」に負けて、スクリーン画面が見えにくくなってしまう場合があるので、事前に「字幕や画像」を作っていく場合には、リハーサルでの試写投影が大切だと思っています。

●安全第一●

いつでもそうですが、不特定多数の方々が行き来される会場では、歩行者の妨げにならないよう、「ケーブル類の固定」には、万全を期しています。
これは、学校でもホールでも、何処の会場でも言われることです。

会場で、「コードを隠すゴムマット・鉄板」を貸してくださるところもありますが、「個人依頼」の場合は、「会場には必要以上のお願いはしにくいので、こちらでおこないます。」と言うことで、いつもの、“新聞紙&布ガムテープ”で固定することが多いです。

その場合、ただ単に、「固定する」のではなく、「歩行の妨げにならないように」、できるだけ、「壁沿い」「会場に平行」「イスの下を通す」など、「直線距離」よりは長めになりますので、ケーブルや延長コードなども、長めのものを持参しています。

ある会場では、「美しく隠すように」と、リクエストされたこともありました。(^^ゞ

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いろんな字幕の表出・表示方法があると思います。
その時々のニーズに合わせて、利用者の希望が、できるだけ受入れられるように…。
聴こえる方にとっても、違和感なく受入れられ、楽しんでいただけるように…。

そして、「今、何て言ったのかな?」と思ったとき、「そこに文字があるんだ。」という安心感につながれば…と、思っております。

今後とも、皆様方のご指導、アドバイスなどをいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

♪ジョン君は“柿”も大好きなんだよ。ヽ(^o^)丿♪

☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp

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