人工内耳友の会−東海−
パソコン文字表示

平成14年12月8日

小さなお子様に親しんでいただくパソコン文字表示
「絵を入れる(カバー画)」「カラオケ風色変え機能」


記/☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp

 文字による情報保障、ことに「パソコン要約筆記」は、最近、いろいろな所で見かけるようになりました。 以前は、特別な聴覚障害者団体の行事でしか見る事ができませんでしたが、現在では、一般の講演会での「スクリーン表示」から、教育現場における「個人パソコンノートテイク」まで、様々です。

 そこで今回は、お子様の行事での情報保障をきっかけに、【小さなお子様にも親しんでいただけるパソコン文字表示】について、記させて頂きたいと思います。

 まず、下の図(↓四角の中)をご覧下さい。
これは【2002年12月 難聴児小学1〜6年生のクリスマス会】にて実際にスクリーン表示したものです。



 ここには、2つの機能が使われています。

【1/絵を入れる(カバー画)=左右下の「ベル」と「ツリー」】
●この会のメンバーのお子様に、事前にお願いして描いて送っていただき、それをパソコンに取り込み、「ワンポイント」として、左右に使用させていただきました。 この絵には「文字」はかぶりません。

●人数と部屋の広さが事前にわかっておりましたので、通常のスクリーン表示よりは、文字は小さめです。

●お子様にお願いした「絵の描き方」は、以下の通りです。
(保護者を通して、伝言していただきました。)
@マジックやクレヨン等で、ハッキリした色を使ってね。
A無地の真っ白な紙に描いてね。
B絵の背景は、何も色をつけないでね。
Cできれば「黒」で縁取りをしてください。(保護者へお願い。)
Dワンポイントとして使うので、あまり細かくない感じでお願いします。(保護者へお願い。)

●以上のお願いをしたところ、お子様が描いた「ベル」と「ツリー」を保護者が送ってくださいました。
それを私のパソコンに落とし、大きさを調整させていただきました。
(素晴らしく鮮やかで、嬉しくなってしまいました!!  (^o^)丿)


【2/カラオケ風色変え機能】
●事前に歌詞を、「改行」等を工夫しながらパソコンに取り込んでおきます。 それを、「歌の区切りの良い所」まで1枚のスクリーン上に先に出しておき、そして、歌にあわせて…と言うか、「カラオケ風色変え」ですので、「これから歌うところを少し早めに」、色を変えていきます。

●この図で言うと、「1行目=タイトル」で、「2行目〜=歌詞」で、今、「(歌詞♪)いつもみんなの」のあたりを歌っている事になります。 今回は、「黒→ピンク」に変えさせていただきました。 「色変え」は、普通のカラオケ同様、1文字づつ滑らかに変えていく事も、1行ごとにスパッ!!と変えていく事もできます。


【3/小さなお子様に親しんでいただくパソコン文字表示
●上記2つの機能は、「そんなに大事なもの?」と言われれば、それは考え方次第です。 しかし私は、「小さなお子様に文字情報保障をスムースに受け入れていただくには、親しみやすい機能」だと思っております。

●今回の「クリスマス会:難聴児:小学生」の場合、対象が1年生〜6年生ですから、「使用漢字=文字」としては、「学年別漢字配当表」の「2年生までに習う漢字」で対応する様、心がけていました。 勿論、「学年別で習う漢字に変換するソフト」も市販されていますが、担当入力者全員が、そのソフトを持っているわけではありませんので、「学年別漢字配当表」を事前に見て、“心がけて”いるものです。 この場合、「漢字か平仮名か?…」と、「迷ったら【ひらがな】!!」が“合言葉”です。(^_-)
【学年別漢字配当表】  http://www.kanabo.net/product/kanji.html 

●小学1年生や2年生のような小さいお子様には、「文字により情報を得る」前に、まず、「文字による情報保障を知ってもらう」、「見てもらう」と言うことが大切だと感じています。 補聴システムを使用している「小学生」のお子様にとって、聴覚活用をしつつ、手話や文字による情報保障に“慣れて”いただく事は、今後のお子様達の教育の場においても、役に立つ事ではないか?と思っております。

●以前はS.T.(言語聴覚士)の先生方も、補聴器や人工内耳を装用しているお子様には、「聞く事に集中すること」をメインにお話されていたようですが、今では、「補聴システムとともに聴覚活用をしつつ、情報保障(手話・文字)も、上手く使うように。」と言うお言葉に、かわってきました。

●今回の、「絵を入れる=カバー画」「カラオケ風色変え機能」は、本当に小さなお子様に、「スクリーン表示された文字」を、楽しみながら、違和感なく、スムースに受け入れていただく(見ていただく)ためにも有効だと感じています。 「絵」を描いてくれたお子様は、もっと興味深く、スクリーンを見てくださいます。 そのためにも、「楽しい行事」と言うのは、楽しい機能とともに楽しい情報保障ができ、違和感なくスクリーンを見るための、とっても良い機会・きっかけになる…と思っています。 今回は比較的、高学年のお子様に絵をお願いしましたが、次回は、もっと小さい、低学年のお子様にもご協力いただきたいと思っております。(ヨロシクね!!)

●また、このようなスクリーン表示の場合、難聴のお子様だけでなく、聞こえるお子様も違和感なく(少しはあるかもしれませんが…。)、文字表示を受け入れてくださっています。 実際、何回か、難聴児が通う「聞こえる小学校・中学校」で、パソコン要約筆記ソフトを使用し、「リアルタイム入力以外」のこれらの機能(絵や写真を入れる、色を変える等)を使って情報保障を行いましたが、「聞こえる児童・生徒・保護者・学校の先生」などからも、「良かった。」とコメントをいただいております。(勿論、面と向かって私達入力者に「イヤだった!!」とはおっしゃらないのですが…。)

●まずスクリーンを「見る事」を知り、「文字情報」と言うものを知っておく。 次に、「流れて(スクロールして)いく文字を見る事に慣れる」。 そして、ゆくゆくは、聞こえる学校の教育現場で、たった一人、自分だけが「パソコン・手書きノートテイク」を使う事になった時、違和感なく、他の聞こえる友達にもできるだけ気兼ねなく、堂々と「パソコン要約筆記」や「手書きノートテイク」、「手話」などによる情報保障を選択・利用できるようになれたらいいなぁ…と思っています。 

●そのためには、入力者も増えるといいですね。 そして、せめて教育現場では、児童・生徒への情報保障だけでなく、入力者への保障も、制度として確立されたらいいなぁ…と感じています。


【4/お礼】
●今回も素晴らしい機会を与えてくださいました、T病院「H会」のみなさま、ご兄弟の皆様、保護者の皆様、ボランティアの皆様、病院関係者の皆様、ありがとうございました。また、直前にC.D.を貸して下さったゲスト「Hっち」の皆様、本当にありがとうございました。 ホントに助かりました!!

●いつも、「こんな風にして欲しい。」「こう言う事はできないの?」と言うリクエストに応えて、ボランティアで「パソコン要約筆記ソフト」を作成・改良してくださっている、IPtalkのK田さん、tachのS寄さん。 本当にありがとうございます。 (いつも本当に感謝しています。)

●そして今回も、数々の「入力方法のお願い」にもかかわらず、素晴らしいリアルタイム入力をして下さいました、岡本さん、田辺さん、富沢さん、改めて御礼申し上げます。 皆様のお陰で、楽しく、かつ、正確な情報保障を行う事ができました。 本当にありがとうございました。
※本日ミヤシタは、全くリアルタイム入力はしていません。 「絵」と「カラオケ風色変え」の仕込みと実行だけです。(^_-)

◆保護者の皆様へ◆ 
いつも同じお願いで申し訳ございませんが、お子様達から感想を聞く機会がございましたら、お差し支えない範囲で結構ですのでご連絡いただけるとありがたいです。 そして、今後共、私達入力者をご指導・育てて下さいます様、宜しくお願い申し上げます。 本日も、ありがとうございました。

★ Merry Christmas!! ★ ☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp




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