人工内耳友の会−東海−
念願の免許交付

平成13年7月17日(火)

【文字版】ニュース・アイ テレビ東京
【 念願の免許交付 〜薬剤師免許交付:聴覚障害乗り越え〜】

【皆さまへ。】
こんにちは。☆宮下あけみ☆と申します。

2001年7月17日(火)午後5:00〜、テレビ東京「TXNニュース・アイ」の中の、 午後7時15分頃〜7時22分頃に放送されました、【チェック : 念願の免許交付 〜 薬剤師免許交付:聴覚障害乗り越え 〜 】の、【文字版】を作成いたしましたので配信します。

「聞こえてくる限りのもの」を「文字化」させていただきましたので会話もそのままです。また、聞き取りにくい声や音は、自分に聞こえたまま、打たせていただきました。不明な点は「+++」、補足解説は< >で記しております。【制作・著作権】は【テレビ東京】様です。

聴覚障害者の方々がこの番組を視聴なさる時は、ご活用下さいませ。

この文字版は、【テレビ東京】様より、私、宮下が個人的に了解を得たものです。この【文字版】の個人、団体等への【インターネットを利用しての転送・転記、ホームページや会報への掲載、及び、FAX・プリントアウトしての配信・配布】等、「自由」です。

最後になりましたが、【文字版】として文字化する事に対して、快くご了承して下さり、また、短い時間で、多くのオープン・キャプションをつけて下さいました【テレビ東京】様に、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

尚、【文字版】に対するお問合せ、ご意見、ご感想がございましたなら、宮下まで、直接ご連絡下さいませ。

また、この【文字版】は、「Word」にて作成しております。プリントアウト、転送等のため、「Word」、又は「テキスト」での配信をご希望される方は、宮下までD.M.にて、ご連絡下さいませ。

今後とも、宜しくお願い申し上げます。

        <文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
              【E-mail】    akemizo@beige.ocn.ne.jp


平成13年7月17日
(映像:「ニュース アイ」Check)
【 念願の免許交付 〜薬剤師免許交付:聴覚障害乗り越え〜】

(映像:スタジオ内)
佐々木明子アナウンサー / 「アイ・チェック」です。皆さんは、「欠格条項(けっかく じょうこう)」と言う言葉を聞いた事があるでしょうか?
<フィリップ→「欠格条項」障害のある人は資格を取れないと定めた法令の規定>
えぇ、これは、一定の障害がある人は、国家資格が取れないと定めた、法令(ほうれい)の規定(きてい)の事です。医師や、看護婦などに、こうした規定があります。

斉藤一也アナウンサー / はい。この欠格条項のために、3年前、薬剤師の試験に合格した聴覚障害の女性は、資格を取れませんでした。しかし、今年の6月に、欠格条項が緩和(かんわ)されたため、今日、坂口厚生労働大臣から、「薬剤師の免許状」が手渡されました。

(映像:早瀬久美さん)
ナレーション(以下、「ナ」と記す。) / 早瀬久美(はやせ くみ)さん、26歳。(旧制、後藤さん)。 都内の製薬会社に勤める早瀬さんは、生まれた時から耳が聞こえない、聴覚障害者です。

(映像:早瀬さんのスナップ写真。子どもの頃や学生生活など、数枚。)
ナ / 子どもの頃から、算数や理科の授業が好きだった、早瀬さん。「耳が不自由でも、仕事の内容を考えればできるはずだ。」と、薬科大学に入学。 卒業した年の春、早瀬さんは薬剤師の国家試験に合格しました。しかし、その翌年、薬剤師免許を申請(しんせい)したところ、耳が聞こえない事を理由に、申請が却下(きゃっか)されたのです。

(映像:2000年2月 早瀬さん)
早瀬さん / やっぱり、「残念」という気持ちが強かったです。 ただ、日本では、そういう面で遅れているかなぁ…とわかって、悔しい気持ちがありました。

<文字 「薬剤師法 欠格条項」
「目が見えないもの 耳が聞こえないもの 口が利けないもの」には、免許を与えない。」>

ナ / 国民の生命にかかわるため、「目の見えないもの、耳が聞こえないもの、そして、口が利(き)けないものには、免許を与えない。」と、薬剤師法の欠格条項で決められていたからです。

(映像:2000年2月 早瀬さん)
早瀬さん / それがいつかは、変わってくれればいいなぁ…と、ちょっとした期待はあります。

ナ / 「耳が聞こえなくても、薬剤師の仕事はできるはず。」早瀬さんは、そう、思い続ける日々でした。現在は、製薬会社から出向(しゅっこう)した、「日本薬剤師会」で電子メールによる、薬の相談などを担当しています。そうした中、今年6月、「薬剤師法が改正」。欠格条項が見直され、聴覚障害者に対しても、薬剤師の免許が交付できるようになったのです。そして、今日…。

(映像:午前11時過ぎ 厚生労働省)
坂口厚生労働大臣 / 「薬剤師免許証 早瀬久美殿」<宮下→免許証授与>

ナ / 国家試験合格から3年あまり。 ようやく早瀬さんに、「薬剤師免許」が交付されました。

坂口厚生労働大臣 / おめでとうございます。

早瀬さん / ありがとうございます。

坂口厚生労働大臣 / 免許の交付がでませんでしたこと、大変、あのぉ、心苦しく思っておりました。

(映像:記者会見)
早瀬さん / 免許を改めてもらう事ができて、本当にうれしいと思っています。欠格条項がなくなった、と言う事、そのものも、これからの、聞こえない子どもとか、障害を持つ子どもたちにとって、いろんな専門の道を、切り開く事ができたと、本当に実感しています。

(映像:「聴覚障害を持つ、弁護士として」 山田弁護士の事務所)
ナ / 同じように、聴覚障害を持ちながらも、弁護士として活躍している、山田弁護士に、欠格条項の改正について、話を聞きました。

山田裕明(まやだ ひろあき)弁護士 / 今回の欠格条項の見直しは、当然の事ですけれども、障害者の完全な平等の実現に対する、一歩、前進です。障害者も、いろいろと、能力を補って(おぎな って)もらえれば、健常者と同等の働きをするという事ができる。それをまず、考えて欲しい。 そこが大事だと思います。

(映像:スタジオ)
佐々木アナウンサー / この、欠格条項をなくす活動をしている市民グループの調査によりますと、アメリカやイギリスなど、ま、こちら<フィリップ>ですね、日本以外の先進国には、障害者に対し、一律(いちりつ)に、資格取得の門戸(もんこ)を閉ざす欠格条項は、ないと言う事です。
<フィリップ:「欠格条項」日本以外の先進国にはみられない。>

斉藤アナウンサー / そうなんですねぇ。まぁ、今回、日本政府も、この薬剤師法も、法律を改正して、欠格条項の、「緩和(かんわ)」や「廃止(はいし)」に動き出しています。

<フィリップ:「欠格条項見直し」>
緩和 = 薬剤師、歯科医師など。
廃止 = 栄養士、調理師など。

斉藤アナウンサー / 例えばなんですが、薬剤師と同じように、歯科医師なども欠格条項が「緩和」されて。 或いは、栄養士、調理師などは、欠格条項が、そのものが「廃止」されたわけなんです。

佐々木アナウンサー / では、こうした「見直し」のあとに、何が必要になってくるのか?を、聞きました。

DPI障害者権利擁護センター 金(きむ) 政玉 所長 / 障害を持つ事によって、とにかく、できない、ダメなんだと言う決めつけがですね、非常にやっぱり、あの、差別や偏見を生み出してきた経過がありまして。 そう言った事の、差別や偏見を取り除いて行くためのですね、第一歩として、今度の「欠格条項の見直し」が、明確に、やっぱり、あのぉ、考えられて行くべきではないのかなぁ…というふうに思っています。諸外国、特にアメリカやヨーロッパの中で、そもそも、「欠格条項」という言葉が存在をしていないと言うのが普通だと思います。 本人が、どういう要件を満たせばですね、そういう仕事ができるのか、できないのか。 そういう事で判断されて行くべきだと。

(映像:スタジオ)
佐々木アナウンサー / 岡山さん。「できないからダメ」という事から、「どうしたらできるか?」という、一歩を踏み出したんですけれども。

岡山さん / はい。 まぁ、あの、勿論、そういう人たちが勤める職場などでもね、サポートのシステムを整える事は大事ですよねぇ。 で、専門職にはね、私、確かに、「適正(てきせい)」ってものはあると思うんですよ。 ただ、その「適正」というのは、ハンディキャップがあるからダメとか、そう言う事では全然ないと思うんですね。だから、欠格条項などは緩和する一方で、例えば、今、医学部の入試などでも、性格のいろいろ、あの、判断するような、「面接」を導入するとか、ただ、「勉強ができればお医者さんになれる。」とか言うのじゃなくて、もっと「人間性」を見るような入試を導入するとかね、そういう事も、もう一方で進めていく必要性はあるんじゃないですかね。

佐々木アナウンサー / 「システム作り」みたいなものですね。

岡山さん / そうですね。 はい。

平成13年7月17日(火)放送
【念願の免許交付 〜薬剤師免許交付:聴覚障害乗り越え〜】
制作・著作 : テレビ東京

        <文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
            【E-mail】     akemizo@beige.ocn.ne.jp


メールはこちらへ

各種情報メニューへ