人工内耳友の会−東海−
新現代病[突発性難聴]

平成13年6月7日(木)
【文字版制作&配信】 ☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp

※このメールは、転送・転記、FAXでの送信等、自由です。

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【文字版】NHK総合 首都圏ネットワーク
「新世紀21 シリーズ:新現代病  【 突 発 性 難 聴 】」

【皆さまへ。】
こんにちは。☆宮下あけみ☆と申します。

2001年6月7日(木)午後6時21分〜6時31分に放送されました、NHK総合「首都圏ネットワーク」の中の、『新世紀21:シリーズ新現代病【突発性難聴(とっぱつせい なんちょう)】』の、【文字版】を作成いたしましたので配信します。

この番組は、一都六県、「東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・群馬・栃木」にて、放送されました。

「聞こえてくる限りのもの」を「文字化」させていただきましたので、会話もそのままです。また、聞き取りにくい声や音は、自分に聞こえたまま打たせていただきました。 不明な点は、「+++」と記しております。

【制作・著作権】は、【NHK】様です。聴覚障害者の方々がこの番組を視聴なさる時は、ご活用下さいませ。

この文字版は、私、宮下が個人的に作成し、配信するものです。

【文字版】の個人、団体等への【インターネットを利用しての転送・転記、ホームページや会報への掲載、及び、FAX・プリントアウトしての配信・配布】等は「自由」です。

最後になりましたが、【文字版】として文字化し、配信する事に対し、ご相談に応じてくださった方々に、心から御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

尚、【文字版】に対するお問合せ、ご意見、ご感想がございましたなら、宮下まで、直接ご連絡下さいませ。

また、この【文字版】は、「Word」にて作成しております。プリントアウト等のため、「Word」、又は「テキスト」のままでの配信をご希望される方は、宮下までD.M.にて、ご連絡下さいませ。

今後とも、宜しくお願い申し上げます。

     <文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
          【E-mail】     akemizo@beige.ocn.ne.jp



平成13年6月7日
6:21p.m.【タイトル映像:
「新世紀21 シリーズ 新現代病」

(映像:スタジオ)
スタジオアナウンサー / 今週お伝えしている、「新世紀21:シリーズ新現代病(しん げんだい びょう)」です。最近、広がりを見せている現代の病気ですとか、あまり知られていなかった深刻(しんこく)な病気について、リポートしています。
3回目の今日は、それまで普通に聞こえていた耳が、ある時、突然(とつぜん)、聞こえなくなってしまうという、この「突発性難聴(とっぱつせい なんちょう)」についてお伝えします。
この病気ですが、何の前ぶれもなく、音が聞こえなくなります。それだけではなくて、同時に強い「耳鳴り(みみ なり)」もはじまりまして、やむ事もなく続く耳鳴りにも、悩まされるという事になります。
これは難病(なんびょう)にも指定されていまして、研究は続けられているのですが、まだ、その原因はわかっていません。
その「突発性難聴」の実態(じったい)を今日はご覧(ご らん)いただきます。

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【タイトル:
突発性難聴

女性 / 家族と夕食を取り始めた時に、テレビのアナウンサーの声が聞きにくくなっているのに、はじめて気が付きました。それが間もなく、「ガーガー」という、雑音(ざつおん)のような音に変わり、一緒に食事をしている家族の声も聞き取りにくくなってきた所で、自分でも、「何か異常(いじょう)な事がおこっているな…。」という感じがしました。
全く聞こえなくなるまで、約1時間くらいだったと思います。

男性 / 踏み切りの遮断機(ふみきり しゃだんき)の、「キンコンキンコン!!キンコンキンコン!!」っていう音。それに、えぇ、モーター音、「ブー」。あとそれに、「しびれ」かなぁ…。

男性インタビュアー / それが?

男性 / ずーっと、一日中、鳴りっぱなしだった。

(映像:耳鼻咽喉科=慶應義塾大学病院 東京都新宿区)
ナレーション(以下、「ナ」と記す。) / 東京都内にある、総合病院(そうごうびょういん)です。ここ数年、「片方の耳が突然聞こえなくなり、耳鳴りがするようになった。」と訴え(うった え)、耳鼻科(じびか)を訪れる人が増えています。
検査をしても、難聴に結びつく病気にかかっていたり、大きな音を、聞き続けたりしたこともありません。原因がわからず、突然、耳が聞こえなくなる、「突発性難聴(とっぱつせい なんちょう)」と呼ばれる病気です。
都内の貿易(ぼうえき)会社に勤める、八木一男(やぎ かずお)さんも、先月はじめ、「突発性難聴」にかかりました。朝、起きて、シャワーを浴(あ)びていた時に、耳の異変(いへん)に気付きました。

八木一男さん(52歳) / シャワーを浴びてですね、スグですね。右の耳が、突然、ふさがった感じと、耳鳴りと。えぇー、それから自分の声が「こもる」って言うんですかね。そんな感じになったわけですけれども。

(映像:棒グラフ「突発性難聴の発症者数(推定)」)
1972年→ 4,000人
1978年→17,000人
1993年→24,000人
(宮下→実際は、棒グラフ。)

ナ / 「突発性難聴」について、国は研究班を作って、治療方法(ちりょうほうほう)の研究を続けています。30年程前、全国で4,000人だった発症者(はっしょう しゃ)は、8年前には6倍に増えました。40代から60代の「働き盛り(はたらき ざかり)」に多い事もわかりました。
研究班の代表を務(つと)めていた、神崎(かんざき)医師です。この病気、はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレスが引き金になる可能性があると見ています。

(映像:診察室にて)
神崎医師 / 「日曜日?何時頃?」

男性 / 「朝の10時ごろです…。」

慶応義塾大学病院 神崎 仁 医師 / 忙しい人、ストレスの多い人、要するに生活が不規則(ふきそく)になる、なりやすい人。そういう人が、必ずじゃありませんけれども、そういう(ふうに)なる…かたが多いですね。
ですから、そういう意味では、「ストレス病」とまでは言いませんけれども、まぁ、それに近い、「現代病(げんだい びょう)」と言えるんじゃないでしょうか。

(映像:診察を受ける、八木さん)
ナ / 八木さんも、「突発性難聴」になるまで、毎月の海外出張(かいがいしゅっちょう)や、深夜までの仕事が続いていたと言います。

八木一男さん / 30年間、働きづめで来ましたんで。やはり、あのぉ、体の芯(しん)、自分では感じないですけれども、まぁ、ストレスなり、疲れがたまってたのかなぁ…と。

6:25(映像:フィリップ「考えられる原因」)
ナ / 「突発性難聴」の原因は、まだはっきりしませんが、強いストレスで、耳の血液の循環(じゅんかん)が悪くなり、音をつかさどる、「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれるきかんなどに障害が起きて、発症(はっしょう)するという見方が
あります。
このため、治療(ちりょう)には、血液の流れを良くする薬を点滴(てんてき)したり、こうした薬の効果(こうか)を高めるビタミン剤を服用(ふくよう)したりします。
この病気は、早く治療を開始すると、回復率(かいふく りつ)が高く、八木さんも、発症した直後(ちょくご)に入院し、1週間ほどで聴力が回復しました。しかし、治療効果があるのは発症してから3週間ほどで、働き盛りの忙しい人が、時間がたってから病院に行き、手遅れになっているケースも、後をたたないと言います。

慶應義塾大学病院 神崎 仁 医師 / 「そのうち、治るだろう。」というふうに考えて、しばらく様子を見ちゃう…というのがあると思うんですね。まぁ、「お忙しい」というのもあると思いますけれども。そういうふうに考えないで。また、「たかが“耳”だから、そのうちに暇(ひま)ができたら、行けば治るだろう。」と思うかもしれないので、そのへんが、えぇ、ま、よくわかっていただきたい。
この病気は、ようするに、治すのは、なってから(宮下→「聞こえなくなってから」の意。)、だいたい、3週間以内というふうに、限られちゃう。その時じゃないと、治せない。あと、一月(ひとつき)過ぎますと、もう、ほとんど固定(こてい)してしまいまして、そっから(それから)治療はじめても、回復しないんですよ。

ナ / この病気は、まれに「両耳」に難聴が発生して、回復しないケースがあります。東京、国立(くにたち)市に住む、松岡昭雄さんは、46歳の時、会社の会議中に、突然、両耳が聞こえなくなりました。「突発性難聴」と診断(しんだん)され、治療をしましたが、聴力は回復しませんでした。家庭での会話は、筆談(ひつだん)が中心です。

(写真:発病直後の、松岡さん)
ナ / (松岡さんは)「突発性難聴」に襲(おそ)われる直前、仕事で大きなトラブルを抱(かか)えていました。ストレスを感じながら対応を話し合っていた時に、音が聞こえなくなったのです。

(映像:大学ノート)
大学ノートの文字 / (宮下→多くが書かれているが、画面に映し出されるのは以下の部分のみ。声、なし。)「耳鳴りは、相変わらず、発狂しそう。」「電車がホームに入ってくると、何度も飛び込もうと思ったが、」

ナ / 当時の思いをつづったノートです。突然、強い耳鳴りにも悩まされた上、これまでの仕事もできなくなり、生きる希望を失ったと言います。

松岡昭雄(まつおか あきお)さん / 急に聞こえなくなって、今までコミュニケーションできたが、全くコミュニケーションができなくなる。家族とも話しが通じないし、会社でも、この仕事は、もう、できなくなる。管理職(かんり しょく)なんて当然、できません。ですから、あのぉ、「突発性難聴」になった人は、他の友達に聞いても、誰もが言うことは、「死ぬ事ばかり考えていた。」という事です。

(映像:東京都障害者福祉会館 東京 港区)
ナ / 松岡さんの支えになったのは、同じ障害を抱えた仲間でした。聴力を失った人たちの会合(かいごう)に参加し、励(はげ)ましあう中で、少しづつ、気持ちが前向きになり、「生きる希望がわいてきた。」と言います。
突然聴力を失った人たちに、「心のケアー」が行われるようになる事。そして、「突発性難聴」の原因が一日も早く解明(かいめい)され、より、効果的(こうか てき)な治療方法が見つかる事を、松岡さんは望んでいます。

松岡昭雄さん / 医学はどんどん、こう、進歩しておるんですけれども、「突発性難聴」は、どういう道理(どうり)で、こう、発生するか?という、原因の解明がとても遅れていると思うんですね。もう少し、研究してね、早く、いい対策(たいさく)をとって欲しいと思ってます。

(報告:吉沢大介 首都圏センター)

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(映像:スタジオ)
スタジオアナウンサー /まぁ、この「突発性難聴」。えぇ、当事者(とうじしゃ)にとっては、非常にショックの大きい病気だと思います。えぇ、さきほども言いましたけれども、その原因は、まだ、はっきりしていません。ただ、ストレスの他にですねぇ、「特殊(とくしゅ)なウィルス」が原因になっているという説(せつ)もあるんです。
で、この症状が出た人のうち、聴力が元どおりになる人と言うのは、患者(かんじゃ)全体の、3分の1(1/3)だという事なんですね。そのほか、難聴が残る人が、3分の1。そして、残りの3分の1の人が、聴力を失ってしまうと言われています。
では、この、「突発性難聴」の症状ですが、こちらにまとめてありますので、改めてご説明しましょう。

 (映像:【突発性難聴の症状】)
   ・ 音が急に聞こえなくなる
   ・ 耳鳴りが発生する
   ・ めまいや、吐き気

えぇ、まずはですねぇ、音が急に聞こえなくなったり、あるいは聞こえにくくなったりする、という事です。そして、えぇ、難聴と同時に、耳鳴りが発生します。そして、さらに、めまいや吐(は)き気を伴(ものな)う事がある、という症状がありまして、えぇ、治療の開始が遅れるほど、回復する可能性(かのうせい)は低くなって、発症してから3週間たちますと、それ以上の回復は難しくなる…という事が言われています。
で、この「突発性難聴」の症状が出たときの対処(たいしょ)方法なんですが、えぇ、改めてご説明しましょう。こちらです。

 (映像:【突発性難聴の症状が出た場合】)
   ・ 安静にして体を休める
   ・ ストレスの原因を取り除く
   ・ 一日も早く耳鼻科で治療

まずですね、安静にして体を休める、という事が大事(だいじ)です。そして、えぇ、ストレスの原因を取り除(のぞ)きまして、そして、何よりも、一日も早く、耳鼻科(じびか)で治療を受ける事が大切になります。
また、えぇ、聴力を失ってしまった時なんですけれども、こちら、ご覧いただきましょう。

(テロップ:全国難聴者・中途失聴者団体連合会の連絡先)
 【全日本難聴者・中途失聴者団体連合会】
   電話 03−3225−5600
   FAX 03−3354−0046

「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」という所があります。ここはですねぇ、病気に関する相談はできないんですけれども、手話の講習ですとか、障害を持った人たちとの交流会などを紹介(しょうかい)しているという事です。
えぇ、電話の場合は、「03−3225−5600」。そして、FAXの場合は、「03−3354−0046」で、お問合せいただきたいと思います。以上、えぇ、今日は、えぇ、「突発性難聴」について、お伝えしました。

この「シリーズ:新現代病」。明日は、拒食症(きょしょく しょう)や、過食症(かしょく しょう)と言った、「摂食(せっしょく)障害について、リポートをします。
以上、「新世紀21」でした。

平成13年6月7日(木)放送
「新世紀21 シリーズ 新現代病 【突発性難聴】」
   制作・著作 : NHK

      <文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
           【E-mail】     akemizo@beige.ocn.ne.jp


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