人工内耳友の会−東海−
日本映画が見たい・・・忘れられた「聞こえない人達」の存在

2008年2月

【文字版】2008.1.31(木)NONFIX【ドキュメンタリー】

【文字版】 制作&配信 ☆宮下あけみ☆
【協 力】 人工内耳友の会 [ACITA(アシタ)]


■皆さまへ■

2008.1.31(木)NONFIX【ドキュメンタリー】日本映画が見たい…〜忘れられた「聞こえない人達」の存在〜(フジテレビ系)の【文字版】を作成いたしました。

この番組には全編字幕スーパーが入っておりましたので、今回の【文字版】は、この字幕スーパーを元に作成させていただきました。
(字幕スーパー通りではありません)

聴覚障害者の方々がこの番組を視聴なさる時は、ご活用下さいませ。

この文字版は、私、宮下が個人的に作成し、掲載していただいているものです。

最後になりましたが、【文字版】として文字化する事に対し、ご相談に応じてくださった多くの方々に、心から御礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

尚、【文字版】に対するお問合せ、ご意見、ご感想がございましたなら、宮下まで、直接ご連絡下さいませ。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。


<文字版制作&配信> ☆宮下あけみ☆
【E-mail】 akemizo@beige.ocn.ne.jp




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NONFIX【ドキュメンタリー】日本映画が見たい… 
〜忘れられた「聞こえない人達」の存在〜(フジテレビ系)
http://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/index.html
|  ↑
|上記URLの「過去放送した番組」をクリック。
|「NONFIX 2008年オンエア作品」の中にあります。

 2008年1月31日(木) 02:38〜03:38 放送
(=2008年1月30日(水)26:38〜27:38 放送)
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※全編字幕スーパーが入っています。


(画面:バベルの映画シーン)

「バン!」(銃声)

テロップ:「一発の銃声が波紋を広げた」


ナレーション/
2006年、世界中で大ヒットした映画「バベル」。
舞台となった日本でも話題となった。

しかし一方で、日本が舞台となっている部分を理解することができない
日本人がいたことを、知っていますか?

|手話ユーザー(女性)/
|字幕がなくて、日本人だけ何を話しているのかわかならなくて、
|「バベル」のストーリーを全部目で追うことができなかった。

|手話ユーザー(女性)/
|「字幕がない!字幕がない!」ってスタッフの人に言ったら、
|「無理(間に合わない)」って言われた…。


ナレーション/
聴覚障害を持つ、ろうの者の役が登場するこの映画では、
エキストラにも本当のろう者を起用した。
なのに…、なぜ?
なぜ字幕がついていなかったのだろう?

|南 瑠霞(みなみ・るるか)/
|今、ちょっとだけ通訳つけてみても
|他のところ見れるわけじゃないから。
|「僕は最初から通訳見なかった」
|って言われたのがショックだった。

|男性/字幕がない映画自体がストレスになる。

ナレーション/
これが、ろう者にとっての現実…。

|手話ユーザー(女性)/
|「なんで字幕つけなかったのか」って友達と話してた。

ナレーション/
この映画に参加したろう者の一人、高橋愛さん。
彼女は映画が大好きだという。
しかし彼女が見られる映画は、字幕がついているものに限られる。


(画面:高橋さん自宅)

|高橋/ただいま

ナレーション/
字幕さえついていれば、
それは家族と共に楽しめる娯楽となるのだ。

それでも、生まれながらに耳が聞こえない彼女には
分かち合えない部分がある。
彼女は家族と一緒に笑えない…。

困難に立ち向かっているのは彼女だけではない。

|高橋/日本の映画はほとんどが字幕がないんです。

|母・高橋美砂子さん (隣:父・眞映さん)/
|お正月は「寅さん」なんかよく見に行ったの。
|家族で行ったんですけれども、
|「寅さん」にはもちろん字幕はないので、
|小さいころはしょうがないから一緒に行って…
|本人はしょうがないから一緒に見てた。
|途中で私も横で説明してあげたりするんですけど
|私もよく見られないし、彼女もイライラして
|ということが多かったですね。

ナレーション/
彼らの願いは本当に単純なこと…
みんなと一緒に映画が見たい
映画の声を… 映画の音を… 
みんなと一緒に分かちたい…


*****************************
日本映画が見たい… 
〜忘れられた「聞こえない人達」の存在〜
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ナレーション/
あなたの声が聞こえない…
私に何を伝えているの?
目を閉じても聞こえてくるべき音が聞こえない

我々にとってごく当たり前のコミュニケーション手段である「音」。
それを当たり前に使えない人々がいる。

聴覚障害を持つ人の数は、日本だけでも約35万人。
潜在的な数を入れると100万人以上存在するとも言われている。


(画面:東京世田谷区)
(株式会社手話あいらんど 代表:南瑠霞さん)

ナレーション/
都内に手話の事務所を構える南瑠霞(みなみ・るるか)さんは、
長年、聴覚障害を持つろう者と接してきた。
手話通訳や、メディアでの手話コーディネイトを行っている。

彼女に、ハリウッドのメジャー作品から声がかかったのは
2005年のこと。
それがブラッド・ピッド主演の「バベル」だった。

ろう者が重要な役割を担う重要なシーンで
コーディネイトを担当することになった。

|南/私がバベルをお引き受けした理由は
|「ろうの役をろう者にやって欲しい」っていうふうに
|一番最初にプロデューサーが言ってくれたから。

|やっぱり、ろうの役は
|ろう(者)にしか演じられないところがたくさんあって
|それは本当にネイティブの言葉で
|しゃべって欲しいっていうオーダーだったので、
|とても感動して…。

ナレーション/
本当のろう者を400人集めて撮影が行われた。
そして映画は完成。
製作関係者の上映会が開かれた。
出演したろう者たちも、心躍(おど)らせて赴(おもむ)いた。

そこで彼らは衝撃(しょうげき)を受けた。

外国語の台詞(せりふ)には当たり前についている字幕が
日本語の台詞にだけ、ついていなかったのである。

|塩野谷富彦さん/
|アメリカとメキシコと日本とモロッコの4カ国、
|6つのパターンで作られていると僕は思ってるんだけれども、
|最後に日本語音声の会話がバーっと増えるんだけれども、
|そこが…
|決め手になる、そこがわからない。

|物井明子さん/
|最後の大事なところでわかんなくて
|「なに?」
|最後のシーン、すごい知りたかったの。
|ろうの人が出てるっていう、
|しかも内容も「コミュニケーションが難しい」っていう内容で
|(字幕が)無いっていうのは、ちょっと変?
|やっぱりちょっと我々の… なんていうのかな
|存在っていうのが見えてないっていうか

ナレーション/
ろう者を扱った映画なのに…。
完成を楽しみにしていた高橋さんもショックを隠せなかった。

|高橋/
|本当は感動!するはずなのに、すごい疲れちゃって。
|何があったのかわからなかったという状態になり、
|「何で字幕なかったんだろう?」って友達と話しました。
|(試写会が)終わった後で食事に行った時のことです。
|だから「字幕つけてほしいな」って思いました。
|そこで字幕の署名(活動)があると聞いて
|ちょうどいいきっかけだと思って…
|(自分たちも関わりました)

ナレーション/
「日本語音声にも字幕を」
多くのろう者が立ち上がり、署名を呼びかけた。
ごく当然の願いをかなえてもらうために…。

『私たちにも映画が分かるように見せてほしい』

|南/「うれしい・ありがとう」っていうことと
|やっぱり全国で最低でも都道府県で1本ずつないと
|ろうの人達は自分の地元で見られない。
|だから50本っていう数字は出せてもらいたいなと思ってる。

|あともうひとつは、4月の劇場公開の時に
|監督の舞台挨拶があるでしょ。
|1回だけでいいから、東京で
|聞こえない人向けの舞台挨拶が欲しい。

|吉田/ああ、いいね。

|南/
|「字幕つきの上映をして欲しい」って言ってみれば
|どうかなと思うんだけど、どうかな? いいよね。
|そしたら聞こえない人、喜んで行くよね。

ナレーション/
出演したろう者全員が署名したとしても400人。
他にどれほどの人々がこの問題に目を向けてくれるのだろうか。
またどれくらいの署名が集まれば
私たちの願いは叶(かな)えてもらえるのだろう。

全てが手探りのスタート。
まずは人づてに、そしてインターネットでこの運動を広めた。

すると、南さん本人たちも驚くほどの反響(はんきょう)があった。
全国各地から続々と集まる署名。
その1枚1枚に、字幕への想いが宿っている。

|吉田伸一さん/
|じゃあ、発表します。
|4万388(人)。 (拍手)
|それから聞こえない人は、4,338(人)。
|聞こえる人は、3万5,868(人)。
|不明が、182(人)。 (拍手)

ナレーション/
期待以上の結果。
そして何より、聞こえない人よりも
多くの聞こえる人が賛同(さんどう)してくれたという事実。

|南/出して、一回みんなで写真撮ろうよ


ナレーション/
しかし、配給会社の対応はこうだった。

|南/そもそも、署名はお受取り頂いても
|こちらでご説明申し上げる内容がその時点では何もないので、
|受取るだけでいいということであれば
|郵送でかまわない、とおっしゃったんですよ。

|ディレクター/郵送?

|南/うん。
|でも郵送というのは私たちも…
|3万8千、その時点で3万5千人くらいかな、
|3万5千人くらいの署名をお預かりしている立場なので、
|「じゃあ、集まったよ。よろしく」って送りつけるわけには
|気持ちの中でいかなかったので…。
|それで、とにかく会って
|「受け渡しだけでもかまわないのでお伺いさせてください」
|とお願いしたら、ようやく
|「3月14日で会いましょう」と…。

|(署名を段ボール箱に詰めながら)
|南/大事な大事な4万人の名前を預かっている…。
|闘(たたか)うとかじゃなくて、この気持ちを届けよう。
|ね。
|よろしくお願いします。

|全員/おつかれさまでした。


ナレーション/
南さんが手話の世界を知ったのは大学生のとき。
きっかけはとても単純だった。

|南/多分、英語しゃべってる人が
|かっこいいと思うのと同じように、
|手話ってかっこいいと思って。
|それで走って聞こえない人のところに行って
|「教えて教えて!」って言って、
|毎日毎日1日8時間とか10時間とか
|その人達についてまわって、
|朝から晩まで手話して暮らしているうちに覚えていっちゃった。

ナレーション/
南さんにとって ろう者は
当たり前に傍(そば)に居る身近な存在である。
その友人たちが悲しむ姿を彼女は人一倍多く見てきた。

だからこそ彼女は健聴者とろう者を結ぶ架け橋(かけはし)として
活動を続けている。


(画面:東京 渋谷区)

ナレーション/
手話で行うライブ、ミュージカルなど、
ろう者自身もエンターテイメントを
発信・体験できる場所を作り上げている

|(役者1)「夕立ちだ 夕立ち〜」
|(役者1)「夕立ち」
|(役者全員)「夕立ち〜」
|(役者1)「おばけ」
|(役者全員)「おばけ〜」

|(舞台上)♪『魚が泳いで さしすせそ〜』

ナレーション/
彼女はこの活動を、NPOや福祉活動として行わないと言う。
それは、ろう者と手話の完全なる自立を目指すためである。
ろう者も健聴者と同じ条件で同じ事をする。
それでこそバリアフリーなのだと、彼女は語る。

|南/聞こえる人も聞こえない人も
|手話で仕事としてやっていける場所があってこそ
|一人前というか普通というか、
|最もフラットな状態なんじゃないかなと思っていて。
|それでちょっとチャレンジだったけど、
|みんなで頑張(がんば)ってやってみようかということで
|株式会社にしました。

|手話ってボランティアとか福祉色とかすごく強くて。
|私たちがステージをやるのに、夜で不健康な時間帯で
|お酒があってタバコがある所でこそ
|手話のライブやろうって思ったの。

|それが若者の普通なのに、
|手話だけクリーンなステージで
|子ども向けや教育のステージでやるというのだったら、
|いつまでたってもバリアフリーは超えられないというか、
|普通じゃないじゃないですか。

|ミュージシャンがライブハウスでやってて、
|みんなお酒飲んでタバコ吸ってるんだったら、
|「そこで私たちもやろうよ」って言って
|(ライブを)やれたのが、とても喜びだった。

|(役者)「では、さようなら〜」


ナレーション/
「当たり前のこと」が難しい。
その中で懸命(けんめい)に当たり前を実現しようとしている。

今回の字幕運動は、いくつかのメディアから取材を受けた。
彼らはこれまでの人生でぶつかってきた様々な困難を訴えた。

(画面:取材…朝日新聞社 社会部記者・井上恵一郎さん)

|橋本陽子さん/
|初めて見たのはアニメで「ドラえもん」だった。
|去年の3月に初めて字幕つきの「ドラえもん」を見て、
|初めて「歌もついてるんだ」ってわかった。
|私は聞こえないから字幕を見て、初めて知った。
|今まで「ドラえもん」は見たかったけど、
|字幕がないからあきらめていた。
|アニメが動いているのだけ見ても、字幕がないとつまらない。
|「本当についているの?」って親に電話して確認をしてもらって、
|それで見て、歌にも歌詞があるんだとか、
|そういうのも全部わかって、初めてそういうことを知った。

|吉田伸一さん/
|「アルプスの少女ハイジ」または「フランダースの犬」。
|何を言っているのかわからない。
|最後のシーンでフランダースの犬が死んだ。
|ネロが死んだ。 なんで?
|話がわからないから、とりあえずマンガ、たくさん買いました。
|それは親は困ってます。
|マンガは情報のために読むでしょ。
|耳の代わりの目で読むでしょ。
|だからマンガにお金を払っているとは思ってない。
|読みたいから、見たいから。
|テレビなんてわからないから。
|見たいから買ったんです。
|お母さんはすごく困ってました。

|塩野谷富彦さん/
|ろうの場合は聴覚障害だけど、
|コミュニケーションの障害でもあるというふうに言えると思う。
|もうひとつ、情報障害でもあると思う。


(画面:鹿島建設→自宅)

ナレーション/
そう語る塩野谷さんは、都内の建設会社に勤めるろう者で、
生まれながら聴覚・視覚障害を背負ってきた。

彼にとって最大の娯楽(ごらく)は映画。
台詞(せりふ)や音楽を聴くことができない彼は、
音を振動(しんどう)で感じて鑑賞(かんしょう)する。
彼なりの“音”である。

彼が映画に魅(み)せられている理由、
それは何なのか?

|塩野谷さん/
|映画の魅力(みりょく)は何かというと、
|普通の人は映画を音楽などで耳からも楽しんでいるけれど
|僕はろう者という立場で
|耳の代わりに目でたくさんのものを見ています。
|映像をこの目で見られること、それが映画の魅力です。
|だから音楽のかわりに映画をいっぱい見ることで
|人生を楽しんできました。
|世界や日本のいろんな映像から
|目で感じる世界を見ることができて、素晴らしい。
|それが映画の魅力です。
|小さな頃から本当にたくさんのものを見続けています。

ナレーション/
これまでに見た映画の数は、6,000本以上に及(およ)ぶ。
しかし彼が見た映画の大半は洋画。
日本語音声に字幕がついている日本映画は、ごく限られているから。

もし、全部に字幕がついていたら
彼が見たい日本映画は何なのだろうか?

|塩野谷さん/
|日本の映画に字幕がついたら、必ず見に行きます。
|必ずです。
|つまらなくても面白くても、全部、駆(か)けつけます。
|同じ日本人なんですから、みんなと同じように楽しみたい。
|外国映画より日本の映画に字幕がついてほしいです。

ナレーション/
日本の映画だから、日本語の字幕がない。
日本映画にこそ、言葉の壁がある。
日本人なのに、日本の映画が見られない…。

《--CM--》

(画面:2007年3月15日)

ナレーション/
「バベル」の配給会社へ署名を届けに行く日が来た。

|南/みんなの4万人の署名を届けてきたいと思います。
|祈っててください。

ナレーション/
これまでの運動に参加した人々も駆(か)けつけてきた。
約4万人の想いを手に、
配給会社ギャガ・コミュニケーションズへ。

(画面:社内)

|南/今、私どもがお話しさせていただいた内容がこちらです。

|株式会社ギャガ・コミュニケーションズ
|取締役副社長 上級執行役員兼営業本部長 丸茂日穂氏/
|なるほど。はい。

ナレーション/
「バベル」の手話コーディネイターとして
ろう者の友人として、南さんには伝えたい想いがあった。

|株式会社手話あいらんど代表 南瑠霞(みなみるるか)さん/
|すごい本当に悔(くや)しいっていう想いが、いっぱいいっぱいあって。
|もちろん「バベル」の字幕の時には
|まず私が手話コーディネイトしたのに
|400人もろうのみんながやってきてエキストラで出演したのに
|その先頭に立ってた私の仕事で字幕がつかないっていうことは、
|私の仕事として、プライドとして
|あってはならないことだなって思ったことが、
|一番がんばった理由のひとつなんだけれど。

|その中で自分の一番身近な存在である
|聞こえない人の立場に立った時に
|ものすごい悔しい、とにかく悔しい。

|こんだけいろんな人が「字幕が欲しい 欲しい」って言っているのに
|なかなかつかないっていう、その想いが、一番私の中で強い。


ナレーション/
多様化社会と言われる現代。
その中でコミュニケーションのツールは飛躍的(ひやくてき)に発達している。

しかし一方で、社会の少数派となっている人たちの存在を
半(なか)ば、無視した現実もある。

音だけで、非常事態の放送を流していないか?
突然途切れる点字ブロックに、困惑(こんわく)する人はいないのか?
点字表示ができないタッチパネルは、万人(ばんにん)にとって便利なのか?

自らが少数派になる可能性は、いつも傍(そば)にある。
しかし、「大多数」でいるうちは、その気持ちや状況に
気づくことさえできない。
それが現実…。


(2007年3月22日)

配給会社から回答が返ってきた。
上映予定の全劇場、計327本すべてのフィルムに字幕をつける
という発表。
ろう者の存在を認めてくれた答えだった。

|南/みんなが考えてくれたっていうことと、
|ギャガも考えてくれたっていうことだと思うんですね。
|一人ひとりが… 関わったみんなが考えた結果、
|こういう形になったと思う。

|だから決して私たちがギャガに勝ったとかそういうことじゃなくて
|本当にみんなが一つの問題に取り組んだんだな、
|というふうに思っています。

|南/本当に今回の「バベル」を通じて
|いろいろ取材してくださった方々が、
|「今までどうしてこういう発言はなかったんですか?」
|っていうふうに質問がすごくきて。
|本当はここ10年来、毎年、
|全日本聾唖連盟とか、中途失聴者難聴者協会が
|政府なり文化庁に必ず
|「DVDとか映画に字幕がないととても不便なので
| 一緒に考えてください」
|って申し入れをしたんだけれども、
|それが一般の方の耳に届くことがなかった。

|記者/ないですよね。

|南/ということを伝えたら、
|「私たちもはじめて知りました」っていうふうに言ってくれて、
|「今回のようなことがないと、これからもずっと
| 知らなかったかもしれません」
|と仰(おっしゃ)ってたので、
|ひとつの、みんなで一緒に考えてもらえるきっかけにもなった。


(2007年4月28日)

ナレーション/
「バベル」のプレミア試写会を迎えた。
この日が初の、全編字幕つき上映となった。

日本語にも字幕がつくことになったことを受けて、
アレハンドロ監督は、こう語った。

|アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督/
|日本の聴覚障害者達のために字幕をつけたギャガは
|素晴らしいと思います。
|それはこの映画の重要なテーマのひとつでもあるからです。
|日本の聴覚障害者達と我々の要求を受け入れてくれたことに
|感謝します。

ナレーション/
やっと自分たちの作品に出逢える…。
映画に出演したろう者たちも、再び足を運んだ。

(開始チャイム)
(拍手)

ナレーション/
ステージには南さんの姿があった。

|司会者/改めてご紹介させていただきます。

ナレーション/
この日の舞台挨拶全てを、漏(も)れることなく ろう者に届けたい。
そんな配給会社の配慮から、南さんが手話通訳をすることになった。

気づけば変わる… 心が届いた


|【画面:映画『バベル』日本語字幕付き】

|受付/綿谷(わたや)さん。
|   そちらの刑事さんがずっと捜(さが)していらっしゃいまして。

|真宮/こんばんは。警視庁の真宮(まみや)と申します。

|綿谷/どうも。何か?

|真宮/ある事件のことで、ちょっと。


三浦早苗さん/
今日初めて字幕が全編ついたのを全編見てストーリーが分かったので
自分が参加した『バベル』っていうことについて…
自分が出演した『バベル』のストーリーが全部納得して理解できたので
良かったと思いました。

岡本かおりさん/
日本のシーンになって、普通になんか見て、話もわかって、
「ふ〜ん、あぁ、これは難しいテーマだなぁ」って思ってたら、
「あ! 字幕があるじゃん!、そうだ、不自然じゃない!」
ちゃんと自然に字幕があるのを気づかないように自然についてて
ずーっと全部ストーリーを通して見ることができて
すっごく嬉(うれ)しくて。

4万人のみんなの協力のおかげで字幕がついたっていうふうに
感じています。
非情にうれしい。
始めから最後まで自分の目で見て。

映画のストーリーは
「難しいな、考えさせられるな」っていうふうに思ったけれども
字幕がなければ絶対にわからなかった。

村田裕子さん/
ろう者は「字幕が必要なんだ」っていうことを
理解していただけたんじゃないかなと思います。
ありがとうございます。


ナレーション/
署名活動を行った仲間たちと打ち上げをすることになった。

|全員/おめでとう!
|全員/おつかれさまでした

|南/ギャガの人達もそうだったけど、
|そんなに聞こえない人達が字幕がついているのを
|喜んで今まで見てたことを知らない。
|だからごく普通に洋画であっても
|「字幕があって ありがとう」って
|まず言うことも大切なのかなって思った。

|近藤富貴絵さん/
|私は日本人なのに、日本のことは実は全く分からない。
|日本の文化って何か? そんなことも映画を通して知ることもなく
|日本の役者さんのこともわからない。
|外国の有名な女優さんのことは詳しいのに、
|でも、日本の舞台のこと、映画のことはわからない。
|自分だけでがんばるんじゃなくて、
|みんなで一緒にがんばるっていうことが
|すごく人生の中で一番大きな経験となった。

|児玉千恵さん/
|手伝ってきてよかったと思います。
|ありがとうございます。


ナレーション/
字幕というものは彼らにとって、単なる情報を得る手段なだけではない。

|南/字幕で見るのが楽しいっていうのもそうなんだけど、
|それ以上に一緒に行った隣の健聴(者)に、
|「ねぇ、何言ってるの?」って聞かなくていいっていうのは
|本当にうれしいことで、自分が相手の重荷になってない、
|って思うじゃない?
|ね!
|だからそれは聞こえない人にとって、誇(ほこ)り。
|今まで見ることが出来ていた、その事に対する
|誇りを取り戻したってすごく思ったので、
|ホントにみんなが一緒にやって多くの人が考えてくれて、
|ギャガが私たちから見たら、
|「もう絶対無理、間に合わないって」思ったことを
|全部ひっくり返してくれたっていうのは、
|すごいうれしいことだなって思った。

|「DVD出たから一緒に見ようね」って言って、家族で一緒に見られる。
|1人… ろうが1人でDVD見たとしても
|もう誰にも、「通訳して」って言わなくても
|堂々と自分が借りて、買って、自分でポンってつけたら
|そこに字幕があって見られる…っていうのは…
|すごく、そんな日がきたら、すごくうれしいよね。

|『バベル』の手話コーディネートの仕事終わった。

|(拍手・握手・ハイタッチ)

ナレーション/
自らの仕事にとことん責任を持った、南さん。
当然のことを主張(しゅちょう)した、ろう者たち。
そして、この問題に興味を示し、署名をしてくれた大勢の人々。
多くの人々の意思、そして共に試行錯誤(しこうさくご)を重ねた配給会社の努力。
その全てが今回の結果を生んだ。

しかし、これはあくまでも今回だけのこと。
すべてのろう者が、今後バベルと同じように
日本語字幕つきで日本映画を見られるようになったわけではない。
南さんたちには自然と次に取り組むべき展開が見えていた。

|南/ひとまずはね。
|これで終わりにしたら全然…。
|みんなの… みんなに知ってもらえるということではよかったけど。
|次、今度はDVDの字幕を法律で全部つけてもらえるようにすること。

《--CM--》

ナレーション/
「バベル」の字幕運動の後、南さんたちは
字幕の法制化に向けて再び動き出した。
映画の字幕については法律でも、企業規定としても定められておらず、
もちろん、助成金(じょせいきん)もないのが現状。
この現状をなんとかしたい。そのために何をすべきか。

|南/もちろん国会議員がやってくれるべきと思うけど、
|私たちも今は狙(ねら)って動かないといけないなと思う。

|吉田/だって民主党の前のマニフェストには
|「日本語字幕つけます」って掲げてあったのに

|/(同意)

|吉田/な!
|それが民主党が負けちゃった。
|自民党の小泉が勝って。
|2007年の(民主党)のマニフェストには「字幕をつけます」が載ってない。

|南/そうなの?

|吉田/変だよ。前は「やります」って…。
|高速道路無料も、2007年は「高速道路無料します」って言ったけど、
|「字幕」はない。
|分厚い民主党のマニフェストの中にそれが載ってない。


(2007年6月20日 東京都議会)

ナレーション/
映画に字幕を付けることが義務付けられていない理由。
それは、映画が
「エンターテイメント」としか捉(とら)えられていないからだ。

テレビのような公共性・情報性のあるものと違い
映画は単なる娯楽(ごらく)の一つと考えられている。
では一体、ろう者にとっての文化とは何なのだろうか。

南さんたちは足がかりに東京都議会議員へ相談を持ちかけた。
そして2007年6月20日、都議会でこの問題が議論された。

|公明党・高倉良生都議会議員/
|テレビでは字幕放送が進んでいますが、
|映画では一部、劇場上映で日本語音声に字幕をつける作品はあるものの、
|DVDを含め、ほとんどが対応されていないのが現状であります。

|東京都・石原慎太郎知事/
|映画を楽しむためのバリアの解消でありますが、
|映画と言う文化に触れることを通して人は様々な刺激を受け、
|心も豊かになり、生活にも潤(うるお)いがもたらされるわけでありまして。
|こうした感動は障害の有無に関わらず、誰もが求めるものであると思います。
|全ての人が映画文化に触れる機会が享受(きょうじゅ)できるようになれば、
|すばらしいことだと思っております。

ナレーション/
都知事から国に、要請書が送られた。
字幕法制化への、確実な第一歩。

|南/映画の業界は今までほとんど動いてなくて。
|テレビと映画っていうのはほとんど同時発信だったはずなのに、
|映画の方だけ、やっぱり、
|テレビの方が公共性が高いっていうことで優先されてくる中で
|ずっと映画はとりこぼされてきているので、
|ここらへんで私たち市民としては
|そういうことがちゃんと今まで何度も伝えてきたのに
|答えてくれないのは何故だろうっていうことで、
|もう1回全国に発信してみようということで動き始め…。

|久保香菜子さん/
|やっぱり、趣味の合う・合わないもあるから
|向こうから選ぶんじゃなくて
|私たちが選べるように字幕はつけてほしいなって思います。

|小林澄枝さん/
|ろうのためじゃなくて普通に字幕がある、
|それが普通なんだ…みたいな考え方に変わってくれるといいね。

ナレーション/
しかし、法制化の壁は高い。
何をどうすれば進展するのか、見当(けんとう)もつかない。

|社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
|理事長 高岡正さん/
|曖昧(あいまい)な大きな枠(わく)のまま要望を出しても
|受取るのは全部受取るわけだから、
|「わかりました。がんばります」だけで終わりかねない。

|国会議員に「これだから」って要望するだけでは、やっぱり
|政府・メーカー・映画の製作会社は、
|「じゃどうすればいいのか」っていうのがわからない。

|南/(私たちは)すごいただの人…
|一般人だから、技術も法律も何にも分からないし
|これまでの流れも法律の作り方もわからない。
|だから私たちは逆に、一番、一般市民として不便なのは何かを
|訴えるのが役割だと思ってるの。うん。

|高岡理事長/
|映画に字幕がついているのが当たり前な状況になれば、
|義務付けの申請(しんせい)を行う意義はあるけれど
|そんな状況でないところで申請をするのは
|敷居が高い、(日本の社会では)なかなか難しいと僕は思うよ。

|南/それは、もし(映画に)字幕がなければ、一生、ろう(者)にとっては
|無いのと同じ。無いのと同じ。(その映画は存在しないのに等しい)
|そんな状況を黙って見ているわけには絶対にいかない。
|だから法律は変わって欲しいし、
|本当にみんなに普通の人に(この状況を)知って欲しい。

ナレーション/
「字幕がなかったらその映画は無いのと同じ」
南さんは、これまでの経験からそのことを知っている。

|南/私たちの本当の願いは隣に住んでる「聞こえない友達」が
|近所のレンタルビデオ屋に行った時に
|私がビデオを借りたのと同じ条件で借りられれば
|それでいいわけですよね。
|その時に「聞こえない友達」は字幕がないと
|私が見たい邦画(ほうが)を、彼女なり彼は見られないわけだから、
|そこに字幕が存在してればいいいわけで。

|それについて法律がなくたってもちろん、全部の会社が
|「そうだよね」って言ってくれてつけてくれれば
|それは全然私たちとしてはOK。


(2007年7月6日 経済産業省)

ナレーション/
2007年7月、日本の映画産業に関する政策のお膝元(ひざもと)、
経済産業省へ出向いた。
一市民として、訴えられること全て伝えるために…。

|南/『バベル』については問題が解決したかもしれない。
|でも本当はこれが終わりじゃなくて始まりなんだという風に感じました。
|聞こえない人にとって「映像に字幕がある」、
|「映画に行って字幕がついている」っていのは
|あなたもリラックスして私もリラックスして
|隣に堂々と座って見られますよっていう自由と喜びを得られるもの。
|で、それはもう本当に便利さを超えた
|とてもステキなものとして字幕ってあるんだなっていうのを、
|今回『バベル』を通して、より私は実感しました。

|社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
|副理事長 川井節夫さん/
|私は10数年前まで全く健聴者と一緒です。
|10数年前から聞こえなくなりました。
|言葉が分からないということは悲しくなるんです。
|その人の意思とか感情が分からない。
|怒った顔をすれば怒ってるというのは顔を見ればわかります。
|だけどそれが何を示すのかわからなくてオロオロしてしまう。
|そういうことが非常に悲しいんです。

|会社に入って一人ひとりのコミュニケーションが重要です。
|休み時間話そうと思っても話せないと
|非常に孤独感(こどくかん)に 襲(おそ)われます。

|映画というのは社会学習なんです。
|社会の一人ひとりの人間関係がどういう形成をされてるか
|そういうことを理解することが
|聴覚障害者にとって特に生まれつきの方々にとって重要だと思います。

|高木美智代・経済産業省大臣政務官(当時)/
|こうした流れは私どもも推進(すいしん)してまいりますけど
|やはり皆様からのお声も頂き、やりとりをさせて頂くという、
|今日は是非そのスタートにさせていただければと考えております。

ナレーション/
これまで何度と無く訴えてきた。
その度にゼロからのスタートになってしまう。

|南/「私はDVDを見たいな」って思って家でいる聞こえない人…
|仕事をしている聞こえない人っていうのは、今この場に生きてる。
|今、DVDや、今、いろんな情報がほしいわけだから
|本当に早く法律を作れればいいなと思います。


(画面:世田谷ボランティアセンター)

ナレーション/
法律を作るのは他でもない“人”である。
そして、その多くの“人”は、
字幕がないと日本映画が見られない人がいるという事実を知らない。
南さんたちの活動は、それを知ってもらうことから始めなければならない。

|南/ぶっちゃけていえば
|本当はポルノにだって字幕とか点字とか欲しいくらいでしょう?
|でもそういうのを選んでくれる人はいないわけじゃない。
|で、「あはは」って。ねえ?
|なんかこれバカじゃないって思うようなお笑いとかだって、
|好きなように借りて、見ることができる。

|参加者・伊藤睦さん/もっとぶっちゃけて言えば、
|人には言えないものとか借りたいですよね。
|ホント、ぶっちゃけて言えばね。
ナレーション/
ろう者が自分の好きなものを、自由に見ることができる。
そこに、壁はあってはならない。

|南/聞こえない人の問題は
|聞こえない人が一生懸命やっているのはもちろん大事なんだけどもその
|傍(そば)にいる健聴者が
|「なんだよ、聞こえない人が言ってるだけじゃん」て言ってしまったら
|絶対に手を取り合えないので、
|私たちの役割は、その聞こえる多くの人、
|このことを知らない多くの人に
|この問題を知ってもらうことだと思っているんですね。

《--CM--》

ナレーション/
関係者の試写会でバベルが初上映された日に駆けつけた、ろう者の高橋さん。
その時点で彼女を迎えたのは、
これまで幾度(いくど)と無く彼女を悲しませてきた字幕無しの映画だった。

|(質問)
|『バベル』に当然のように字幕がついていると思ったのは
|何故(なぜ)ですか?

|高橋さん/ただアレハンドロ監督が
|ろう(者)を本当に呼びかけて撮影して、理解があったから
|映画もごく自然に字幕がつくものと思いこんでいた。
|それは自然にそう思っちゃった。

|記者/ああ…。

|塩野谷/みんな、そうだと思った。

ナレーション/
多くの聾者が参加した映画でさえ、
ろう者にとって必要な当たり前のものが欠落(けつらく)していた。

ボーダレス社会、バリアフリー社会といわれて
どれくらい経(た)ったのだろう。

確かに、ろう者の社会進出も今では珍しくない。
ただし、以前に比べては、である。

|高橋さん/おはようございます。
|店スタッフ/おはようございます。

ナレーション/
高橋さんも現在は美容院で働いている。
健聴者と同じ世界を見、経験し、生活する。
ただそれだけのことに、多くの壁が存在する。

立ちはだかるその壁に、彼女はくじけなかった。
そしてようやく、現在の仕事につくことができた。

|有限会社ホットリップ 代表取締役・橋本琢也さん/
|(彼女の)採用を決めた経緯(いきさつ)っていうのは、
|単純に本当に仕事が好きな部分で。
|(彼女は)今までいろんなことをあきらめてきて。
|本当は免許を取ることもずごく難しいと思うんですよ。
|美容学校自体も受け入れてくれるところも多分少ないと思いますし。
|やる気もありますし、出来たらばすばらしいかなぁと思って…。

|高橋さん/ありがとうございました。

ナレーション/
多くの人と接する美容師という仕事を選んだ高橋さん。

|高橋さん(お客様へ)/すいません。担当のご希望はございますか?

ナレーション/
彼女はその中で、
懸命(けんめい)にコミュニケーションを図(はか)ろうとしている。

しかし、どんなに彼女だけ頑張(がんば)っても伝わらない。
健聴者自身が、コミュニケーションにおいて壁を作ってしまっているからだ。

||《高橋さんの手書きの名札》
|| 高橋愛
|| 私は難聴者です。
|| 口を大きく開けてゆっくりと話して下されば
|| 少しはわかります。
|| 宜しくお願いします。

|高橋さん/
|夢は今のところ、今の仕事に追いつくことが精一杯(せいいっぱい)。
|とにかくスタッフのみんなに応(こた)えられるように
|早く美容の技術をあげるように…。
|今のところは、それが目標です。

|高橋さん(お客様へ)/カバンはこちらにどうぞ。


ナレーション/
社会全体の大多数を占める健聴者の、意識の変革が今、求められている。
2006年に公開された日本映画の数は、417本。
洋画の404本という上映本数を超えるほど、
近年、めざましい発展を遂(と)げている。

そんな多くの日本映画のうち、ろう者が見ることを許される映画は、
今、尚(なお)、少ない。

外国語にだけ付けられた字幕。
それだけでは、ろう者は見ることができないのだ。

字幕がついていないのは決して誰かの悪意ではない。
ただ、思う。

高橋さんはあとどれくらい
見たい映画を我慢(がまん)すればいいのだろうか、と。

2008年1月現在、字幕法制化にまだ目処(めど)はたっていない。

|南/絶対に、「聞こえない人は字幕がないと困っちゃうんだよ」
|というこの問題に対して、
|NOを言う人はいないと思うので
|どう字幕を法制化していくということを
|ほんとにみんなで考えてみんなで動かしていけば
|実現できるんじゃないかなと思っているので…。

ナレーション/
「日本映画が見たい」
それは贅沢(ぜいたく)な願望(がんぼう)だろうか?

耳が聞こえない、ただそれだけで
耳が聞こえる人が当たり前に知る世界を、知ることが出来ない。

少数であったとしても、
かき消されるなど決して許されることではない。

私たちは、共に、今、ここに、住んでいるのだ。



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【文字版】制作 ☆宮下あけみ☆  akemizo@beige.ocn.ne.jp
      協力 人工内耳友の会 [ACITA](アシタ)
      掲載 人工内耳友の会「東海支部」
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