人工内耳友の会−東海−
情報保障を身近なものに

2006.7
お子様対象「伝える・みんなにわかるようにするには?」

■情報保障を身近なものに
〜手書きペンタブレットでスクリーン表示■

こんにちは。☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

聴こえる学校に通うお子様が情報保障を知るきっかけは「入学式・卒業式・演劇鑑賞会・難聴児の集まり」などいろいろあります。
スクリーン表示された情報保障を見て、その後、「授業を受けるときにもあったらいいな…」と思ったり。
情報保障の使い方・選び方は、その後、どんどん広がっていくことと思います。

そしてそれと同時に、小さなお子様自身に、“楽しく情報保障に親しんでいただく”というのも大切なことだと思います。

今回の報告は、別々の現場ですが、7月に2回お伺いさせていただいたところで、「手書きペンタブレット」と「キー入力」を併用しながらおこなった、『伝える・みんなにわかるようにするには?』というお話です。

情報保障やコミュニケーションとしてのパソコンや手話が“遠い存在”ではなく、楽しみながら、“身近なもの”になったらいいナ。o(^_^)o

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【IPtalkが手書きと併用できるようになった「手書きウィンドウ」】

2006年2月、IPtalkが手書きと併用できるようになりました。
この機能は、マウスで自由に書いたものを表示することもできるのですが、それだけではなく「ペンタブレット」を接続することにより、ペンにより絵や文字を、より自由に書く&描くことができるものです。

元々は授業の情報保障(PC文字通訳)等で、従来のソフトでは表記できない数式やアンダーラインなどを補うために作られたものだと思いますが、ペンタブレットによる手書きでも使えるので、これを見たとき、「これを使えば、きっと、もっと小さいお子様にも、パソコンでの情報保障に“参加”してもらえるぞぉ!」と、ずっと思っていたのです。

そして2006年7月。
たまたま「小学生対象」の現場が2回続きましたので、お子様達に情報保障に参加してもらいました。

今までにも、「デスクトップを画でカバー」として、お子様に描いていただいた絵を載せ、「ぼくが・わたしが描いた絵が、スクリーンに出てるんだよん! o(^_^)o」と、たくさんの“お子様画伯”に絵を提供していただいたり、キー入力ができるお子様には、直接パソコンを打ってもらっていました。
しかし「ペンタブレット」を使えば、1年生でも、キー入力ができないお子様でも、誰でも「スクリーン表示」に“参加”してもらえるのです。

しかも、自分が書いた文字や絵が、その時そのまま、スクリーン表示される!!
ドキドキわくわくです。
情報保障に参加してくれたみんな、ありがとね!o(^_^)o
(※以下の写真は、2つの現場の写真が混同しています。)


【質問は手話とキー入力、答えを「手書き」で】

『伝えるってどういうこと?』『みんなに分りやすくするにはどうしたらいい?』という大きなテーマです。

参加しているお子様は、ほとんどが聴こえる学校に通う、クラスでたった一人の難聴児。
補聴システムや先生・お友だちの協力はあっても、聴こえないことはあります。
ときには、自分が声を出してお話ししたとしても、相手に伝わらないこともあります。
自分もみんなも手話を知らない・・・。
そういうとき、どうしたらいい?

うんうん、そうだね。
文字で書いたり、ちょっとした動き、手話までいかなくても、ジェスチャーや動作で、みんなに伝えることができるし、お友だちもそうしてくれたら、言っていることが分るね。

…というわけで、こんな感じでやってみました。

<質問:大人キー入力(+手話) 答え:子ども手書き>
   

最初はちょっとタブレットに書くことが難しかったけど、そこは“イマドキのお子様”。
ピコやいろんなPCゲームで、手元ではなく文字が映し出されるパソコン画面を見てペンを動かすことに慣れていらっしゃる!!
おもしろがってたくさん書いてくれました。

<どんどん書いちゃうぞ!>↓  <ホントだ! 書いたものが映ってる!>↓

<ぼくも・わたしも、書く&描くぅ〜!>↓

<手話もやってみよう!>↓
久々に登場の、『手話をするベアちゃん』です。みんなに仲良くしてもらいました。

<スクリーンといえば基本は“影絵”でしょ。(^_-)-☆>

【感想文を書いてくれました <m(__)m>】

聴こえないときは書く・書いてもらう、動きをつける・つけてもらう、手話を知ってたら使ってみる…。
いろんな方法があることがわかったね。
最後にみんなが感想を書いて、発表してくれました。(以下、抜粋)

<1年 男子>
パソコンで おえかきを しました。
パソコンで じも かきました。
おもしろかったです。
ももたろうの おはなしを しゅわでやったのも おもしろかったです。

<1年 男子>
パソコンのはなし おもしろかったよ。

<2年 男子>
パソコンにかいたのが うつるのが おもしろかったな。
スクリーン、ありがとうございました。

<2年 女子>
パソコンをしてくれて ありがとうね。
くまさん かわいいです。

<2年 男子>
パソコンがあったから いったことが よくわかったです。
ももたろうが おもしろかった。

<3年 女子>
しゅわをやって あそびました。
みんなの前で ももたろうのお話を しゅわでやりました。
一人でやったので、ちょっときんちょうしたけど、おもしろかったです。
またあそびに来てください。

<5年 女子>
手話を勉強して楽しかったです。
これからも手話を勉強したいと思います。
知らなかった手話がたくさん知ることができて、よかったです。

<5年 女子>
手話には意味があって、その意味が楽しかったです。
今度、今日教えてもらった手話を使って、少し話してみたいです。

<6年 女子>
みんなで手話を使って歌ったり、話をしたり、遊んだのが楽しかったです。

<6年 男子>
手話は いろいろな言葉も表せるし、歌も唄える。
また、国によって手話は違うことがわかりました。
手話は一見難しいものだと思ったけど、何回も練習してやってみると、意外と簡単にできました。
もっといろいろなものを手話で表現できるのかと思いました。


【“みんなに分かる”って? “情報保障”って?】

『みんなに分かるようにする・みんなが分かるようにする』…。

今回はお子様対象でしたので、「情報保障」という言葉は出てきませんでした。
しかし、こういう楽しい体験を通しながら、コミュニケーションや情報保障のあり方を知っていただき、必要だと感じたときに、選択肢の一つに入れることができるというのは、とても大切なことだと思います。

聴こえるみんなの中で、自分だけに手話通訳や要約筆記(PC・手書き)をつける…。
最初は抵抗があるかもしれません。
でも、聴こえる子も聴こえない子も、「こういう方法があるんだ」「あったよなぁ〜」という経験があれば、少しは考え方も変わってくるんじゃないかなぁ…と思います。

手話は、聴こえない人たちの文化や歴史の中から生まれ、大切に育て伝え続けてきたことば。
文字は、手話を知らない人にとって、情報を得るための大切な方法。
パソコンは、その文字を利用するための、とても便利なツールの1つです。

「パソコンって大変…」「パソコンって難しい…」と思う前に、まずお子様自身にパソコンで楽しんでいただく。
「おもしろいじゃん!」と興味を持っていただき、必要だと感じたとき、パソコンを大袈裟なものとしてではなく、抵抗なく気軽に使っていただく。
そんなふうになったらいいなぁ…と思っています。


【最後に…】

★みんな、ありがとー!
すてきな絵や字を書いてくれたみんな、ありがとね。(^_-)-☆
私たちも楽しみながら参加することができました。
みんなが書いてくれた感想は、私たちの“たからもの”です。
パソコンを打ってくれた“おねえさん”、準備をしている間お子様と遊んでくれた“おにいさん”、ありがと。

★すてきな機会を与えてくださり、ありがとうございました。
お子様からの答えを、私たちが通訳するのではなく、お子様自身が書いてみんなに伝えていただくことをご了解してくださった大人の皆様、ありがとうございました。
また、時間をかけての事前打合せやたくさんのメールも助かりました。ありがとうございました。

★「緑色」を、ありがと!
「いちごの葉っぱの緑色がないっ!!」と言ったら、IPtalk作者の栗田さんが手書きの中に「緑色」を入れてくれました。
おかげで、チューリップも、私の大好きないちごも、Mちゃんのすきなさくらんぼ(^_-)-☆も、描くことができるようになりました。ありがと!



♪あのね…
「みんなが きょねん つくったケーキ、おいしくできたのかなぁ?」とか、
「きょうりゅうは どうぶつか…」と、ずっとなやんでいるのだ。
だれか、おしえてぇ〜〜! (>_<)

☆★☆o(^_^)o☆★☆ ☆みやしたあけみ☆ ☆★☆o(^_^)o☆★☆




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