人工内耳友の会−東海−
人工内耳で音楽を楽しむ

2006年4月

【文字版】2006.3.31(金)「TVKニュース930」

【文字版】 制作&配信 ☆宮下あけみ☆
【協 力】 人工内耳友の会 [ACITA(アシタ)]

【皆さまへ。】

2006.3.31(金)「TVK(テレビ神奈川)ニュース930」の中で放送されました、「支局リポート:川崎【人工内耳で音楽を楽しむ】」の【文字版】を作成いたしました。

「聞こえてくるもの」を「文字化」させていただきましたので、会話もそのままです。また、聞き取りにくい声や音は、自分に聞こえたまま打たせていただきました。不明な点は、「+++」と記しております。

【制作・著作権】は、【テレビ神奈川】様です。
聴覚障害者の方々がこの番組を視聴なさる時は、ご活用下さいませ。

この文字版は、私、宮下が個人的に作成し、掲載していただいているものです。

最後になりましたが、【文字版】として文字化する事に対し、ご相談に応じてくださった【テレビ神奈川】様に、心から御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

尚、【文字版】に対するお問合せ、ご意見、ご感想がございましたなら、宮下まで、直接ご連絡下さいませ。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。


<文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
【E-mail】   akemizo@beige.ocn.ne.jp


2006.3.31(金)「TVKニュース930」

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支局リポート:川崎
「人工内耳で音楽を楽しむ」
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男性スタジオアナウンサー/
支局リポートです。
聴覚に障害がある人のための医療器具に「人工内耳」というものがあるんだそうですけれども、音楽を聴くのはちょっと難しいんだそうなんですね。

女性スタジオアナウンサー/
そこで川崎市内の音楽大学では、5年前から人工内耳で楽しめる音楽を研究しているそうなんです。
川崎支局からリポートです。


-<VTRはじまり>-------

「洗足学園音楽大学:川崎市高津区」

ナレーション:女性の声(以下「ナ」と記す)/
今月(3月)21日、川崎市高津区の洗足(せんぞく)学園音楽大学で、「音楽を聴きにきませんか」という演奏会が開かれました。

(テロップ:人工内耳装用者のための演奏会
「音楽を聴きにきませんか」)

ナ/この演奏会は、聴覚に障害があるため、音の信号を脳に伝える器具、人工内耳で聴くことのできる音楽の研究を5年前から続けている大学付属の打楽器(だがっき)研究所が、はじめて開いたものです。

(テロップ:洗足学園音楽大学付属 打楽器研究所)

打楽器研究所 所長補佐 音楽学部:松本祐二講師/
人工内耳を装用されているかた、手術後に一番希望されるというのは、会話ですね。言葉の会話でコミュニケーションを取りたいというのが、第一の希望ですね。

で、その次に希望されるというのが、音楽を聴きたい、音楽を聴取したいというのが、次にあがっている希望と言うのが、アンケート調査でわかっています。

今の人工内耳の性能では、ちょっと音楽と言うのは難しいのではないかと言うふうなことが言われているんですね。

でも、やはり私たちは音楽大学で音楽を研究している者としては、それはちょっと寂しいんじゃないか。人間、生きている上で、音楽で感動したりするということは、非常に必要ではないかと思いました。

それで、音楽をどうにかして、人工内耳を装用しているかたに楽しんでもらえたらな、というところから、まず「リズム」なら分かりやすいと聞いておりましたので、そのリズムを利用した打楽器を中心にした曲、そこから、どんな曲がいいのかな、どんな楽器がいいのかなというところから、研究をはじめていきました。

(テロップ:東京都文京区)

ナ/人工内耳の世界的なシェアを有するオーストラリアのメーカー「コクレア社」の日本法人に、人工内耳の仕組みなどを伺いました。

鞄本コクレア 渡辺真一副社長/
これが人工内耳のセットです。こちら(右手)に持っているのが、外部に付ける、音声の信号を処理する装置。こちら(左手)のほうが、体内に埋め込む、インプラントです。

音声はですね、この中にある(外部の)マイクロフォンからコンピュータで処理をされて、このインプラントのほうに送られて、その信号が電極を通して、脳の中に伝えられます。

ナ/この会社には5年前に人工内耳を装用した、杉崎きみのさんが、「人工内耳の啓蒙(けいもう)アドバイザー」として働いています。

「コクレア」人工内耳啓蒙アドバイザー 杉崎きみのさん/
音楽の聴こえかたは、オーケストラの場合は、ほとんどみんな同じ様な音に聴こえてきてしまいます。自分の場合は、バイオリンの音が全てで聴こえてきます。その他は雑音のように聞こえます。

人工内耳でももっとわかりやすい音質の音楽ができたら、もしかすると、私たちも音楽を楽しめるんじゃないかなと思っています。

ナ/打楽器研究所では、3年前から、人工内耳を装用している人の協力を得て、実際に楽器の音がどのように聴こえるのかなどの実験を続けています。

打楽器研究所 所長補佐 音楽学部:松本祐二講師/
私たちが普通に聴いている音楽にちょっと手を加えていって、なるべく聴きやすい形にしたい。音楽的な感動を感じ取れる形にしたいということを研究してきました。

その結果、演奏会を開き、日本中の人工内耳装用者のかたに声をかけて、いろんなかたに感動を味わっていただきたいということで、演奏会を開いてみようと思いました。

ナ/演奏会では、打楽器研究所のメンバー10人が、これまでの研究結果に基づいて、マリンバやティンパニーなどの打楽器を中心とした、「りんごの唄」やクラシックの名曲など13曲を演奏しました。

人工内耳を装用した子どもたちやお年寄りは、体でリズムを取りながら、生の音楽に耳を澄ましていました。

(テロップ:Q/人工内耳の参加者は…)

|成人装用者:男性/
|そうですね。
|たたいたものはわりあい振動もあるので
|リズムで楽しめますね。
|私はですね、「りんごの唄」、
|歌い出しがわかったので、すごくよかったです。

|小児装用児:男子/
|よく聴こえました。

|男性リポーター/
|どんな曲がよかったですか?

|小児装用児:男子/
|木をたたく音とかがよかったです。

|成人装用者:女性/
|「りんごの唄」ありましたね。
|あれは私も聴こえているときに憶えている曲なので
|ちょっと音が取れたんですね。
|だからやっぱり、非常に楽しめました。
|マリンバの音も私の人工内耳は柔らかい音に聴こえて
|心地も良くてよかったです。

ナ/演奏会についてのアンケートでは、
『18年ぶりに音楽を脳で聞くことができた』とか、『一生音楽をあきらめていたが、生きていてよかった』など、音楽にふれた喜びを綴った、多くの感想が寄せられました。


(テロップ:今後の活動内容)

打楽器研究所 所長補佐 音楽学部:松本祐二講師/
今回の演奏会、かなり好評だったので、また一年後に継続して続けて行きたいと思います。

それとこの研究結果ですね、もとにして、言葉のリハビリテーション施設というものは数多くあるんですけれども、音楽のリハビリテーション施設というものが、今、ない状態です。

その音楽のリハビリテーション施設というのも作って、多くのかたに利用していただけたらなと思います。

(テロップ
:♪音楽を望んでいる人工内耳装用者 全国で約4000人)

-<VTR終わり>-------

男性スタジオアナウンサー/
もし、自分の身の回りからですね、いわゆるメロディー、ま、音程があるものですね、それがなくなったらということを考えると、やっぱりね、この方々が本当にその、音程を新たに得た、或いは昔、憶えていたものを取り戻せた、この喜びの大きさというのは、なんかわかるような気がしますね。

女性スタジオアナウンサー/
生きる喜びになりそうですね。

男性スタジオアナウンサー/
そうですね。
以上、支局リポートでした。


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 【文字版】制作 ☆宮下あけみ☆  akemizo@beige.ocn.ne.jp
       協力 人工内耳友の会[ACITA](アシタ)
      掲載 人工内耳友の会「東海」
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