人工内耳友の会−東海−
パソコン要約筆記いろいろ場面1

2006.3.
パソコン要約筆記いろいろ場面「写真でのご紹介」

(主に)【児童・生徒対象】■スクリーン表示■


こんにちは。☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

以前にもこのH.P.内で「写真でのご紹介」をさせていただきました。
今回はその追加版として、主に【成人対象】と【児童・生徒対象】に分けて記させていただくことになりました。

こちらは主に【児童・生徒対象】のページです。

実際の会場にはそれぞれ条件や制約がありますので、一概に「これがいい」とは言うのはありませんが、「こういう表示方法があるんだ」ということを知っていただければと思います。

※今回は「スクリーン表示」を中心に記させていただいております。

※「ノートPC表示」については、★【パソコン字幕】★に今までの個々の体験談を掲載していただいておりますので、そちらをご覧になって下さい。


1【演劇発表会】 @ 舞台下:大型液晶モニター A 舞台外上手側スクリーン



★聴こえる小学校に、在籍難聴児5名。

★舞台下に大きな液晶モニター(黄色)。
これが見やすいように児童席の最前列に「難聴児優先席(緑色)」を設ける。
しかし自分のクラスの席で見たい子もいるので、何処からでも見えるよう、別途、舞台外上手側にスクリーン(水色)を立てる。
このスクリーン表示は、聴こえる聴こえないに関わらず、会場後方で劇を見ていた保護者にも利用していただけるものとなった。


   ↑
「難聴児優先席」から、モニター&舞台を見る。
(この写真は準備中のものです)


   ↑
「舞台外上手側のスクリーン表示
(本番中)


2【みんなで話し合い】 @ 全体スクリーン A 司会者用ノートPC



★「きこえとことばの教室・難聴児全体グループ」話し合い
★参加難聴児12名

★教室前に「スクリーン表示」(写真↓)
口の字型に席を並べてみんなでの話合いだったので、司会役の子はスクリーンが背中になってしまう。
よって司会者用には「ノートPC」表示。
これにより全員が「同じ内容の文字情報」で話し合いを進めることができた。


   ↑
司会者用ノートPC表示
無線LANとPCバッテリーで移動自由(※)


   ↑
部屋全体へのスクリーン表示
教室前方に固定表示


3【クリスマス会】 @ 全体スクリーン



★「難聴児クリスマス会」
★参加難聴児20〜30名

★会場前に「スクリーン表示」
背景画は毎年、この会の子が描いてくれる。

★保護者が進行をするときには、別途、手作りで、模造紙に説明や図形を書いてきてくれる。大学生ボランティアも自己紹介の内容なども事前に画用紙に書いてくる。


   ↑
プロジェクタはおもしろいね!!
どうして絵や文字がでるんだろう???


   ↑
ま、やっぱり「影絵」でしょ。(^_-)-☆
みんなで遊びながらPC字幕を楽しんでね。


4【卒業証書授与】 @ 全体字幕スクリーン A 授与映像スクリーン



★聴こえる小学校の卒業式
★在籍難聴児複数

★この学校では以前より卒業証書を受け取る児童の姿をカメラでとらえ、それを舞台上スクリーンに表示している。
その並びに、「字幕スクリーン」を配置。

★PC字幕に関する事前準備、機材設定は「ことばの教室」の先生方が全て行ってくれる。


5【卒業証書授与式】 @ 前方字幕スクリーン A 後方字幕スクリーン



★聴こえる小学校の卒業式
★在籍難聴児1名

★卒業式の最中、「呼びかけ・歌」などで後ろを向くことがあるので、体育館の前後に「字幕スクリーン」を配置。
「分配器」を利用して、同じPC字幕を前後のスクリーンに表示した。

★入力者席は体育館中央・上手側壁沿い


   ↑
【前方スクリーン】利用児童席は下手側だったので
前後のスクリーンを見ることができた


   ↑
【後方スクリーン】先生方の理解と地域の
難聴児ママさんたちの協力で実現されました


■上記5つの細かい説明■

1【演劇発表会】  @ 舞台下大型液晶モニター A 舞台外上手側スクリーン

この小学校にはほとんどの学年に難聴児が在籍しており、平成17年度現在、5名の難聴児が在籍していました。

演劇に字幕を付けるきっかけになったのは、一人の難聴児の保護者からの相談でしたが、ここの学校では、卒業式の「ことば」も、教員自らPCを利用して表示されていたので、学校側としても、はじめからとても協力的でした。

よって保護者が学校に相談したときも、とても快く受け入れて下さいました。
|そういうことをしてくれるボランティアがいるのであれば、
|ぜひ、実現させたい。
|ただ、自分達(教職員)は見たことがないので、
|本番前に一度、学校に来て説明とデモ表示をしてほしい。

この言葉を受け、本番2週間前に学校へ。
教務主任の先生をはじめ、3人の先生方が対応して下さいました。
実際にパソコンをLANで接続して「スライド前ロールでの字幕表示」を見ていただいたところ、
とても分りやすい。
|本校では聴覚障害のある児童が出席する授業では
|必ずFMを使用しているので、
|他の聴こえる児童も保護者も教員も、皆、
|「難聴の児童には何らかのサポートが必要」
|ということは知っているし、理解している。
|よって、劇の会で字幕表示することは何ら問題ないし歓迎。
できれば、この字幕を「難聴児のためだけに」ではなく
保護者も含めた全員に
「日本語字幕によるサポートという方法がある」ことを知ってもらい
その字幕情報が全員で共有できるようにしたい。

その結果、体育館の下見・打合せで、「舞台下・大型モニター表示」と「舞台外・上手側スクリーン表示」の2本立てが決定し、実現しました。

在籍難聴児は5名だったので、「舞台下・モニター表示」が見やすい席には「難聴児“優先席”」を設けました。
この“優先席”で見れば、「舞台上の演劇+舞台下の字幕」が1つの視野に入り、見やすいであろう…と。
ただ、やはりお子様は、多少見難くても、いつもの席でクラスの友だちと一緒に楽しむほうがよいと思う子もいるので、いつものクラスの席見てもスクリーン表示で字幕が見ることができるように設置。

“優先席” or “クラスの席”、どちらの席に座るのかも各難聴児本人に任せ(途中移動も可)、どこからでも字幕が見えるようにしました。

このスクリーンは、体育館後方に座っている保護者からも見ることができ、聴こえにくかった劇のセリフも見ることができてよかったと言っていただきました。

劇の脚本は、児童が練習し創造しながらどんどん作り変えていくものなので、「第1稿」をいただいてから「第4稿」で最終稿になりましたが、本番でまた変更があったところは、リアルタイム入力で対応しました。

2【みんなで話し合い】 @ 全体スクリーン A 司会者用ノートPC

平成16年11月に、この学校の「きこえとことばの教室」に校外通級で通っているSちゃんの授業のノートPC表示による情報保障をおこなったとき、見学に来てくださっていた先生の依頼で、翌月平成16年12月にお伺いさせていただきました。

もちろん「難聴児の話し合い」ですので、もともと先生方が、みんなに分るように話を進めてくださっているものですが、今回は、「パソコンによる文字表示・パソコン要約筆記っていうものがあるんだよ」というのを知ってもらうための情報保障でした。

出席難聴児は1年〜6年生まで12名。
この日は「クリスマスケーキを作ろう!」ということで、「班決め」「どんなケーキを作るか」「ケーキの材料は?」など、いろんな話合いがされました。

みんなで口の文型になって向かい合って話し合いをするので、教室前方にスクリーン表示をしただけでは、みんなの方を見ている司会者にはスクリーン字幕が見えません。
そこで司会者用に別途「ノートPC」を置き、「文字の大きさや色なんかも、自由に変えることができるんだよ」とお話しつつ、司会者の子が見やすい表示位置と文字の色&大きさ、背景色に決めてもらいました。

途中、子ども達が移動したり机を動かしたりするので、「司会者用ノートPC」は「無線LAN+バッテリー」で対応しました。
※パソコン要約筆記用ソフト使用に際して、無線LANは推奨されていません。

11月に見学に来て下さった先生は、Sちゃんの授業のPCノートテイクの様子をビデオで撮り、事前に子ども達に見せたり説明したりしていてくださいました。

そして今回12月にお伺いしたところ、お子様たちはパソコン要約筆記…というか、そこで話されていることが文字となって出てくることに、とても興味を持ってくださったそうです。
ある子はじっと文字を読み、またある子は、実は自分には聴こえていないことがあったことを知ったり…。

自分自身の難聴理解をするとともに、今後、大きくなって教育現場でサポートを受けよう・受けたいと思ったときの選択肢の1つとして、「文字による情報保障」という存在を知っていただけただけでもうれしいと思いました。

そうそう。
この日の「話し合い」でいろんなことを決めましたが、実際の「ケーキ作り」は翌週。
アイディアたっぷりのケーキは、食べることができませんでしたー!
残念っ!! (>o<)

3【クリスマス会】 @ 全体スクリーン 

毎年入力者も楽しみにしているクリスマス会です。
( サンタ入力o(^_^)o )

小学生の部のクリスマス会ですので、毎年新しい子(新1年生)が入ってきますが、みな、スグにパソコン字幕を使いこなしてくれます。
背景に使う絵は、毎回この会の子に描いていただき、みんなで楽しんでもらっています。

休憩中は、当然のごとく、「プロジェクタとスクリーンで影絵」。
今も昔も、「キツネ」はやるんだね。(^_-)-☆

プロジェクタの光はとっても明るいので、それだけは覗き込まないように注意して、あとは自由に遊んでもらっています。
それができるのも、ママやパパがコードを養生したり、バリケードを作ってくれたりするからです。
いつもご協力、ありがとうございます。

4【卒業証書授与】 @ 全体字幕スクリーン A 授与映像スクリーン

もう何年前になるでしょうか…。
一番最初はこの学校内にある「ことばの教室」の修了式のパソコン字幕にお伺いしたのがきっかけです。
その後、「ことばの教室」の修了式だけでなく、夏休みに行われた「演劇鑑賞会」にもお伺いし、数年前より、「卒業式」にもお伺いさせていただくようになりました。

この小学校では「卒業証書授与」のとき、「舞台下手側・舞台袖」から、卒業証書を受け取る児童をカメラで撮り、それを舞台上に置かれた大きなスクリーンに表示しています。
よって、その並びに「字幕用スクリーン」を設置。
まさに『見える卒業式』です。

ことばの教室の先生方が複数いらっしゃるのと、もう何年もお伺いさせていただいているので、事前準備はとてもスムース。
「予行→本番」と、先生方が機材設置、コードの養生などをしてくださり、とても助かっています。

もちろん「ことばの教室」の先生方は以前から、OHPや手書きなどで、式典等の難聴児へのサポートもされていましたが、今年度より、先生方ご自身も保護者の方々もIPtalkを使用されるようになりました。

そして今年度の「ことばの教室・修了式」では保護者が、「学校としての修了式」ではことばの教室の先生方が、それぞれ、パソコンを使って情報保障を担当されました。

5【卒業証書授与式】 @ 前方字幕スクリーン A 後方字幕スクリーン

聴こえる小学校の卒業式。在籍難聴児は1名です。

今回、卒業式でパソコン字幕を付ける話が出たとき、式の途中の呼びかけで「後ろを向く」こと、歌い出しのタイミングがどっちを向いても分るようにしたいことなどから、「分配器」を利用して、体育館の前後に同じ字幕をスクリーン表示することになりました。

入力者席は「体育館中央・壁沿い」で、来賓席や保護者席の後ろに隠れるようになり、ケーブルは壁沿いに貼りましたので、式典配置の妨げにはならずに済みました。

この学校には「ことばの教室」があり、その先生もとても協力して下さいました。
また、はじまりは一人の難聴児の保護者からの依頼でしたが、準備を進めていく中で、学校の先生方、保護者・PTAの皆様からもご協力をいただけるようになり、卒業式終了後には、
みんなにとって優しい卒業式を実現し、みんなで卒業できました。
お互いの子の幸せを喜びあい、クラス単位ではなく
学年全体の気持ちが一つとなり
良い卒業式となりました。
素敵な卒業式をありがとうございました。
と、小学校教職員の皆様・6年生の保護者の皆様からおことばをいただくことができました。

3年前、Aちゃんの演劇字幕のときBママが見学に来て、翌年のBちゃんの卒業式のPC字幕、実現。
そのBちゃんの卒業式のときにCママが見学に来て、翌年(今回)のCちゃんの卒業式PC字幕、実現。
学校への説明や事前準備などは、去年経験しているBママがとても協力して下さいました。
そして今回、Cちゃんの卒業式にAママが見学に来て、来年のAちゃんの卒業式PC字幕の、予習。

地域を越えてのママさんたちの協力&連携に助けられながら、毎年、すてきな現場にお伺いさせていただいております。
とってもうれしいです。本当にありがとうございます。

***************************************

●一口に「パソコン要約筆記」「パソコンで字幕を表示する」と言っても、いろいろな方法があります。
大切なのは、みんなと同じ情報や状況をみんなで共有できること。
できることなら、そこにあっても違和感がなくて、聴こえる聴こえないに関わらずみんなが利用できるもの…。

そして…
みんなのこころが、あったかくなりますように…。

☆★☆ o(^_^)o ☆★☆ ☆みやしたあけみ☆ ☆★☆ o(^_^)o ☆★☆



メールはこちらへ

各種情報メニューへ