人工内耳友の会−東海−
ノートPC表示1

2004.9.
        幼稚園〜小学校低学年

「着ぐるみ劇【あかずきん】」・「ぬいぐるみ劇【みにくいあひるのこ】」

    〜みんなで並んでノートP.C.表示/「親の会」の試み〜


こんにちは。☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

今年の1月、都内の大きな文化センターで行われた「着ぐるみ劇」。
そのときの劇団が、今年の9月、再度、この文化センターに来てくださいました。
地域のお子様たちが毎年楽しみにしている「着ぐるみ劇」。
勿論、難聴のお子様も、その兄弟も、楽しみにしています。

今回も都内の【難聴児者を持つ親の会】のパパさん&ママさんが、「聴こえる子も難聴の子も、一緒に劇を楽しもう!」と、力をあわせて、「字幕表示での演劇鑑賞」の場を作り上げてくださいました。
そのときのお話です。

前回の様子は、こちらをどうぞ。(^_-)-☆ 2004.1
|【幼児〜小学校低学年向け「着ぐるみ劇」での字幕・文字表示】
| ●ノートパソコン表示●『ヘンゼルとグレーテル』】
| http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/new_sub/akemi217.htm



【1/概要】

主催/劇団
字幕依頼・準備/都内の「難聴児者を持つ親の会」
内容/着ぐるみ劇「あかずきん」、ぬいぐるみ劇「みにくいあひるのこ」
対象/幼稚園〜小学校低学年

参加費/有料
座席/全席指定
難聴児の位置/1階、上手側(舞台に向かって右側)、真ん中の通路のスグ後ろ。
入力者席/一番後ろ。数箇所ある「車椅子席」の1箇所に「机+イス」を置く。
表示方法/ノートP.C.表示(4台)

機材/表示用P.C.4台、入力用P.C.1台、予備P.C.1台、
LAN環境/アクセスポイント、無線LAN、ハブ、ケーブル、予備ケーブル20m2本。

人数/
『午前の部』 難聴児: 8名 兄弟:5名 保護者: 9名 合計:22名
『午後の部』 難聴児:10名 兄弟:2名 保護者:12名 合計:24名

≪午前の部≫




≪午後の部≫



【2/位置決め】

「難聴児者を持つ親の会」が、「劇団・会場」と交渉してくださいました。
前回1月に経験があるので、「パソコン字幕をつける」お話は、スムースに進みました。
また、このときの難聴児や家族の様子を、ママさんたちが劇団や会場の方にお話しておいて下さったので、皆様、とても配慮してくださいました。

場所は前回と同じ、「客席:上手側:中央通路後ろの席3列」を確保。
今回は「全席指定席」でした。
3列のうち、1列目に「長机:2脚」を置き、その上にノートP.C.4台。
難聴児と兄弟は、1・2列目に、保護者が2・3列目に座りました。
入力者席は、「客席:上手側:一番後ろ」に2名。
入力者席と難聴児の席は離れていますが、後ろから4台の表示用P.C.が見える位置です。


【3/ママ&パパ、準備開始!!!】





前回の経験者ママ&パパさんが多く参加してくださっていましたので、準備は万全!
「劇団との連絡係り」「保育係り」「会場設置係り」「子供誘導係り」など、前回同様、保護者にも担当があります。
「会場設置係り」の保護者は、長机を置いて、アダプターやケーブルを固定し、床や壁に這わせるものは、その他のお客様にもひっかからないように、全て固定。
会場のかたも、快く協力してくださいました。

「長机」は「一般の会議用」でしたので、そこそこの高さがあり、その上に表示用ノートP.C.を置くと、お子様は舞台が見えにくくなってしまいます。
そこで座席には、「車のジュニアシート」などを置き、「ノートP.C.越しに舞台が見えるよう」、高さ調整。
これも、前回、お子様たちと一緒に「事前下見」をして気が付き、取り入れた工夫の1つでした。


【4/演劇中】



演劇は2つあり、前半が≪着ぐるみ劇『あかずきん』≫
後半は≪ぬいぐるみ劇『みにくいあひるのこ』≫でした。
「文字使い」については保護者から、
|「入学前の子供も多いので、「すべて ひらがな」でお願いします。」
リクエストをいただいていましたので、「すべて ひらがな」「わかちがき」で行いました。
リアルタイムも同様です。


【5/当日の劇団のかたの協力→補足&修正】



紙媒体でいただいた台本は、4人のママ&パパさんが入力。
それをこちらで「字幕用」に加工させていただきました。
いただけたのは台本だけでしたが、当日、「午前の部」が始まる前のリハーサルのとき、劇団関係者の方が入力者席に様子を見に来てくださいました。
その時…。

|劇団/どうやってるんですか?
|宮下/いただいた台本は字幕用に加工してあるので、こうやって。
|   それ以外は、リアルタイムで、こうやって入力表出していきます。
|劇団/あぁ〜、なるほどね。 綺麗で見やすいね。
|宮下/あの…、今、舞台で話している「前フリ」は、原稿、あるんですか?
|劇団/あ、あれはないんですが、決まってますから書いてきましょうか?
|宮下/お願いできますか?
|劇団/いいですよ。ちょっと待っててください。


わぁ〜〜〜い!ヽ(^o^)丿
劇団のかたは、舞台袖に戻って、セリフを紙に書いてきてくださいました。
また、「♪劇団の主題歌」も、印刷したものを貸してくださいました。

「午前の部」と「午後の部」は、同じものが上映されました。
第1部のとき、「台本」と違うところを、もう1名の入力者“T友さん”がチェック。
お昼休みに急いで、「演劇字幕」も修正できました。


【6/より多くのかたへ「字幕」の存在を…】

1部と2部の間の「休憩中」に、いろんなかたが入力者席に来て、声をかけて下さいました。
|「(入力者に)何をしてるんですか?」
|「(子供席を指さして)あのパソコンは何ですか?」


その都度、
|「あのパソコンの前に座っているお子様たちは難聴で、
| お芝居のセリフが聞き取りにくいんですね。
| ですから、こちらから字幕を出しているんです。」
と、お話させていただきました。

「休憩中」、難聴児の保護者は、お子様たちとロビーに、演劇に関するグッズやパンフレットを買いに行ったりして、入力者席付近にはいらっしゃらなかったので、こちらでお話しさせていただいていました。

終了後、お礼とともにママさんたちにお伝えしたのですが、もし「次回」があって、もし今後、OKが出たら…。
 |#飲食はロビーで…。
 |#ベビーカーは折りたたんで…。(会場アナウンス)
 |なお、会場中央には耳の不自由なお子様のために
 |セリフの字幕を出す席を、ご用意させていただいております。
 みたいな感じで、一言、入れてもらえるよう、お願いしてみる…というのは、どうかな?…って。

何気なく、そっと文字通訳をしているのもいいのですが、もしかしかたら、その他のお客様・お子様の中にも、難聴のかたがいらっしゃるかもしれない。
子供は聴こえるけど、保護者が聴こえない・難聴のかたがいらっしゃるかもしれない…。

もし、アナウンスしていただければ、「全席指定」ではあっても、「表示用P.C.が見える席」への移動を希望されるかたがいるかもしれない…ですよね。

会場アナウンスだけでは聴こえないかたには分からないかもしれないので、当日のドアに、その旨、紙に書いて貼っておいていただくとか…。

勿論、「スクリーン表示」とか、劇団のチラシ自体に、「字幕付き」という表記をしていただけるようになれば不要かもしれませんが、今のところ、まだ、この地域の「親の会」が劇団にお願いして付けさせていただいている状況(段階)なので、せめて、会場アナウンスに一言入れていただくか、ドアに紙を貼らせていただき、「難聴児」「字幕」の存在を知っていただくのもいいかな…と。

そしたら、「一般の人」にも、「難聴児には字幕が必要なんだ。」、「字幕があれば難聴児も一緒に劇が楽しめるんだ。」ということを知ってもらえる“かも”しれない。
「聴こえる子供と一緒に来ている、聴こえない保護者」も、子供と一緒に演劇が楽しめる。
そして、そのアナウンスを聞いた保護者が、自分の聴こえる子供に、「字幕の存在」を説明してくれるようになる“かも”しれない…。
ですよね?(^_-)-☆


【7/行数、文字数など】

「テレビ・映画字幕」の様に、字幕が画面・会話ごとに切り替わっていく方法で表出しました。


【8/「親の会」の保護者より、感想等】

今回の「演劇に字幕を付けよう!」は、全て、『親の会』の行事として、『親の会』の方々の手により、「交渉・台本の事前入力・当日の会場準備・各担当」をおこない、実現されたものです。
その『親の会』の方々の感想です。

|前回の「ヘンゼルとグレーテル」での試みが、こうして
|『親の会の行事』となって、とても嬉しいです。
|多くの難聴児たちが「字幕付で観劇」という経験をできる場が
|身近にできたからです。

|「字幕が付いてたらいいのになー」と思っていても、
|実現までこぎつけるパワーとノウハウを持った保護者ばかりではありません。
|すばらしい入力協力者に出会えるか?
|賛同してくれる親がまわりにいるか?など、難問だらけです。

|当日P.C.に出された内容が
|台本よりとても見やすく手直しされていたので、驚きました。
|こんな風になるのね〜とすっかり感心。

|P.C.の(話し手)の名前が出る色などキレイでした、
|その場で要約されたP.C.の内容も速くて驚きでした。

|子供の様子は、前列に座ったせいもあり、
|P.C.と劇の両方を集中して見すぎた様で(必要な時だけP.C.を見ればよいのに)
|疲れた〜との率直な感想。
|慣れもあるのでしょうが、2列目に座った姉のほうは、
|「聞ききずらいほうだけ見たよ。」といっていたので、
|P.C.から離れて全体が見渡せる方が見やすいのかな…という感想です。

|一番良い方法としては、K列(表示用P.C.を置いた席)に、
|会場にあるP.C.用の特別な机を置き、
|「客席としてのK列」はつぶす。
|そして子供達は、「L列以降」の席で観劇するのがより良い方法と実感しました。
|しかし、「K列」をつぶしてしまうことにより、
|劇団側への負担が大きくなることが心配で、提案するのは少々難しい気がします。
|「表示画面と観劇する子供達との距離」について考えるのは
|これからの課題だと考えています

|「黒い布」でコードなどを隠せたら良いと思いました。
|「会」として購入できたら…と思っています。

|表示用P.C.のキーボードを子供達が触らないように隠すには、
|「給食用のフキン」が丁度よさそうだと思いました。

|「パソコン による字幕表示中」と言う
|プレートがあるといいかな、 と改めて思いました。

|前回は「自分の子供に字幕を」が実現し「感動」しましたが、
|今回は「必要な子供に字幕を」へと進化を遂げた「観劇」に、
|再び「感動」しました。
|こんな企画を少しずつ増やしていくよう、
|私たち親も、さらに頑張らなければと、思ったしだいです。


【9/みんな、ありがとね!】

●今回も「着ぐるみ劇」と「ぬいぐるみ劇」。
本当に、「口形が読めない(ない)演劇」って、多いですねぇ〜。

●今回も、貴重な機会を与えてくださいましたお子様と、ママ&パパさん。
台本を入力して下さったり、当日、お手伝いをしてくださった保護者の皆様。
台本を事前に貸してくださった劇団の皆様、
情報保障を受け入れてくださった、多くのお客様。

そして、リアルタイム入力をしてくださった“T友さん”
とっても楽しかったですね。
この表情を見れば、そのときの雰囲気が伝わるかな? ヒッヒッヒ…!!! (^_-)-☆
 ↓


 ☆みやしたあけみ☆ 【E-mail】 akemizo@beige.ocn.ne.jp ☆(^^)/~~~☆




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